第10話 勇者たちの最期
カゼマルヒコと共に落ちてきた龍の玉は、マガタマ姫やサザナミたちが素早く手にしました。
しかし、龍はシリュウとサリュウを爪から振り落とし、空高く消え去ったのでした。
サザナミは落ちてきた2人を必死に治療しましたが、獅子の姿から人の姿に戻った彼らは声を出すことさえできませんでした。
サザナミは涙ながらに彼らを看病しましたが、彼らの傷が深すぎることを悟りました。
最後に、戦いの感謝の言葉を伝えたいと願うサザナミの姿に、ホシヒトは持ち合わせていた薬草で治療を試みます。
彼も傷が深刻であることを知りながらも、何とか助けようと奮闘しました。
すると、2人の目がわずかに開いたのです。
それを見て、サザナミは涙を抑えながら「大丈夫!あなたたちは不死身だから。」と言いました。
すると、2人は「サザナミ様は嘘が下手ですね?私たちはサザナミ様に使えることができて幸せでした。
大きな魚と戦ったり、いろんな戦いをしてきた中、龍との戦いは最高でした。
ありがとうございます。サザナミ様…」と静かに目を閉じました。
しかし、サザナミは
「ダメよ?まだ私はあなたたちにちゃんとお礼を言ってないのよ!」
と叫んだものの、シリュウとサリュウの目が開くことは二度とありませんでした。
空の上から2人はサザナミのために尽くして死ねた一生を微笑んでいたのを、サザナミは知る余地もなかったのでした。
龍の玉を手に入れたことは喜びでしたが、イシガキウミカゼノキミ率いるこの琉球王国の最強の戦士であるシリュウとサリュウを失ったことはかなりの痛手でした。
しかし、龍の玉を手に入れた事により、今後は龍に生贄を捧げる必要がなくなったことは、島の住民にとっては喜ばしいことです。
彼らの功績を称えて、島の住民は彼らの獅子の姿を後世に伝えるべく、飾り物を守り神としました。
マガタマ姫たちはイシガキウミカゼノキミより、今後龍が現れないお札を受け取り、龍の玉を持ち帰りました。
これにより、龍の玉の水晶から鏡と剣の飾り物が作られることになりました。
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