第9話 龍との激闘

 龍の動きが遅くなったのを見計らって、ホシヒトはシリュウとサリュウに薬草を塗った槍を手渡しました。

 マガタマ姫はライリュウとメイリュウに強い嵐を起こすように頼みます。

 しかし、これ以上嵐を起こすと、我々も龍と戦うことができなくなると言うのでした。

 それを聞いたマガタマ姫は、我々も戦いにくいが龍も同じこと!だから厳しい嵐の中、わずかな勝利を期待するしかないと訴えました。

 ライリュウとメイリュウは今以上の雷鳴を轟かせ嵐を起こしました。

 その時、サザナミが両手に巻いている貝のような飾り物をシリュウとサリュウに投げ与えました。

 そして2人の手に貝の飾り物がはまります。

 すると、2人は体が獅子のごとく変わり、光り輝き、龍に向かっていきました。

 カゼマルヒコも風に乗り龍に近づきます。

 しかし、龍の動きが遅くなったとはいえ、なかなか近づくことさえままなりません。

 ですが、カゼマルヒコはどうにか龍の腕にしがみつくことができたのです。


 それを龍は振り払おうと、またもや鋭い爪をカゼマルヒコに突き刺そうとします。

 そして、カゼマルヒコの身体の近くまで龍の爪が来た時です。

 危ない!と思ったマガタマ姫は、ライリュウとメイリュウに雷鳴を起こすように素早く伝えます。

 そして首に下げていたマガタマを龍に向かって投げたのです。

 すると、稲光がマガタマに当たり、その光が龍の腕を襲ったのでした。

 龍の爪はカゼマルヒコをもう少しのとこで突き刺すところを回避できたのです。


 その隙を見て、シリュウとサリュウが龍に噛みつきました。

 そしてホシヒトから受け取った槍で龍の目を突き刺そうとしました。

 すると龍の鋭い爪がまたもや2人を襲ってきます。

 それを見たツチマルヒコは土をたたきつけて砂嵐を起こし、2人を助けようとしました。

 砂嵐が全てを包み込んで見えなくなってしまいました。

 やがて、砂嵐が収まってきた頃、龍の姿が見え始めました。

 すると、龍の目にシリュウとサリュウの槍が突き刺さっていました。

 しかし、獅子の姿をした2人の背中にも龍の爪が食い込んでいたのです。

 龍の硬い目もホシヒトの薬草の槍で突きささったのでした。

 そして、ギュッルルという音とともに、カゼマルヒコが抱えていた龍の玉を手放したのでした。

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