第8話 イシガキウミカゼノキミ

 マガタマ姫たちの長旅の疲れも取れ、カゼマルヒコの肩の傷も、ホシヒトの薬草と島人のマジナイの手によって癒されました。

 シマヤヒコとサザナミは、マガタマ姫たちを琉球王国の支配者であるイシガキウミカゼノキミのもとへ案内することに決めました。

 そして、シリュウとサリュウも一緒に連れて行くことにしました。

 イシガキウミカゼノキミが住む島は琉球王国で最大の島であり、そこへ到着すると、女王イシガキウミカゼノキミに会ったのでした。

 女王の両側には使い人のライリュウとメイリュウが立っていました。


 シマヤヒコはマガタマ姫を紹介し、龍の玉を取ることを申し出ました。

 彼女たちの説得が功を奏し、女王イシガキウミカゼノキミは龍の問題を彼女たちに委ねることになったのでした。

 さらに、イシガキウミカゼノキミは龍を討伐するために、マガタマ姫たちに加えて、琉球王国の民であるサザナミとその使い人シリュウとサリュウ、そして女王の使い人であるライリュウとメイリュウを連れて行くことを指示しました。


 一同はマガタマ姫の水晶で調べ、龍の出没する場所や退治する方法を話し合います。

 龍は嵐の時に出没し、生贄を捧げないと嵐が止まらないことがわかりました。

 そして、嵐を呼ぶことができるというライリュウとメイリュウに嵐を頼み、龍が現れたら力を合わせて退治することに決まりました。

 サザナミは生贄の役割を名乗り出し、一同は決意を新たにしました。


 マガタマ姫の水晶で調べた日、龍の出没する島の先端に到着し、ライリュウとメイリュウが両手を空高く掲げ、祈りを唱えます。

 すると、突如として晴れ渡った昼間の空に雷鳴が轟き、風が吹き荒れ始めました。

 その瞬間、キュッルル…

 という音と共に空から龍が現れました。

 ホシヒトは龍の力を弱める薬草を用い、呪文を唱えます。

 マガタマ姫はツチマルヒコに土をたたきつけ、砂嵐を巻き起こすよう指示します。

 カゼマルヒコは強くジャンプし、風に乗ります。

 ライリュウとメイリュウは稲光を放ち、一同は決死の覚悟で龍に立ち向かいます。


 しかし、龍は強大で、シリュウとサリュウの槍が龍を傷つけることはできませんでした。

 その時、龍が生贄のサザナミを見つけ、口を開けて彼女のもとへ向かいます。

 しかし、ツチマルヒコの砂嵐が龍の体を押し上げ、龍はサザナミのもとへは辿り着けませんでした。

 カゼマルヒコも龍の手にしがみつき、龍の玉を奪おうとしますが、龍は空高く舞い上がり、体を激しく揺らします。

 カゼマルヒコとシリュウとサリュウは振り落とされてしまいます。


 それを見たマガタマ姫は再びツチマルヒコに土をたたきつけ、砂嵐をもう一度巻き起こさせます。

 龍から振り落とされた3人は砂嵐の上に落下し、幸いにもかすり傷程度で済みました。

 しかし、なおも龍を倒すことは出来ませんでした。

 その時、龍の動きが遅くなりました。

 ホシヒトの薬草がリュウに効いてきたのです。

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