第5話 使い人の力

 未来の予知能力を持つ使い人、トキタマとの出会いは、ある日突然やってきました。

 トキタマは突如現れ、恐怖の予感を胸に抱えて言いました。

「地震が起こる!早く逃げなさい!」

 しかし、人々は信じずに笑っていました。


 そのとき、天照大御神様が姿を現しました。

 彼女は尋ねます。

「なぜ地震が起きると思うのですか?」 トキタマは答えました。

「私は未来の危機を感じ得ることができます。その時、その出来事が目の前に広がるのです。」


 天照は空を見上げ、鳥たちが慌てて飛び立つのを見ました。

 そして山の動物たちも急いで逃げていくのが目に入ったのです。

 天照は危機が迫っていることを悟り、トキタマに尋ねました。

「どちらに逃げたら安全か教えてください」

 そして、トキタマの指示に従い、村人たちを避難させました。


 その直後、大地が激しく揺れたのでした。

 しかし、みんなが避難したおかげで多くの命が救われ、天照と仲間たちも無事だったのです。

 この出来事は、未来を予知する力を持つトキタマと、天照大御神様との出会いが、村人たちに幸運をもたらした瞬間でした。

 天照はマガタマ姫に、トキタマ姫の使い人の話をし、共に協力して私を支えて欲しいと頼みました。

 マガタマ姫は未来を見る力を持つトキタマ姫に驚きました。

 しかし、同時にトキタマ姫もマガタマ姫の力に感銘を受けていました。

 ニ人は共に、天照大神様に仕える者たちの役割を学びに向かいました。

 その中で、ホシヒトという男性がいました。彼は悪霊を払い、星を観察して生死を占い、薬草を使って人々の病気を癒す多彩な能力を持っていました。

 他にも、最強の戦士であるカゼマルヒコとツチマルヒコも仲間にいたのです。

 さまざまな力を見て回った後、天照大神様は、彫り物の才能に目をかけ、マガタマ姫に使い人としての初めての重要な仕事を託しました。

 その使命は、彫り物の鏡と彫り物が入った剣を作るという特別なものでした。

 マガタマ姫は考えました。

 鏡と剣には龍の彫り物を施そうと決め、飾りの石には水晶を選びました。

 そして、その水晶にはマガタマ姫が夢に見た、龍が持つ水晶を使うことを考えました。

 それこそが、最高の力を持つものだと確信していたのです。


 しかし、龍を捕まえることができるのか、その疑問が頭をよぎりました。

 この疑念を抱えつつ、マガタマ姫は天照大神様に相談したのでした。

 天照大御神様は、マガタマ姫に

「ぜひ、龍の玉で輝く装飾を施してほしい」

と伝えました。

 彼女は、この使命を果たすため、ホシヒト、カゼマルヒコ、ツチマルヒコと共に旅立つように命じました。カゼマルヒコは風の如く速く、軽やかで飛躍力に長け、ツチマルヒコは大地を打つ力を持ち、土を舞い上げ、砂嵐を巻き起こすことができました。

 この二人とホシヒトを伴い、マガタマ姫は冒険の旅に身を投じました。


 しかし、天照大御神様は使い人のトキタマ姫に心の内を明かしました。

「あなたも龍の玉を求めて、彼女たちと共に旅に出たかったのでしょう。しかし、あなたまで同じく去ってしまったら、私は孤独で寂しいのです」

 天照大御神は切なる言葉を述べました。

 しかし、トキタマ姫は決然と答えました。

「ご心配無用です。まだ何も危険の兆候は見受けられません。そして、あの龍の洞窟で生き抜いたマガタマ姫なら、必ず良い知らせを持って戻って来るでしょう」

 微笑みながら、彼女は語り続けました。「天照大御神様、あの龍の洞窟に行って、マガタマ姫たちの無事を祈りましょう」

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