第4話 マガタマ姫

 マガタマも、父や母も満足するような出来上がりに、喜びが溢れました。

 そして、その彫り物を天照大神のもとへ持っていきました。

 天照はマガタマの持参した彫り物を見て、その素晴らしさに感銘を受けました。

 水晶の輝きだけでなく、魂を感じるような彫り物の形に心を打たれ、自身の期待を上回る出来映えに、やはりマガタマに頼んでよかったと思いました。

 そして、水晶の彫り物を手に取った天照は、体中に力がみなぎるのを感じました。

 マガタマは村人たちが言う通り、何らかの見えない力を持っているに違いないと、天照は確信しました。

 そこで、天照はマガタマに、

「この彫り物の名前をあなたの名前から取ってと名付けましょう」

と提案しました。

 その言葉を聞いて、天照はこの水晶の勾玉を魂の一部とし、ずっと身につけることを決意しました。


 その言葉にマガタマは感激し、喜びの涙を流しました。

 過酷な試練を乗り越え、魂を込めて作り上げた成果が報われた瞬間でした。

 天照はマガタマに尋ねました。

「私の使い人になって、私を手助けしてくれませんか?あなたの不思議な力や彫り物の芸術性は、このままにしておくのはもったいないと思うのです。私にあなたの力を貸してください。」


 マガタマは少し考えましたが、涙ぐみながらも「私は天照大神様のお力になれるか分かりませんが、できる限りお手伝いさせていただきます。

 私のような者でも、お役に立てるなら、喜んで使わせていただきます」と答えました。


 その答えに満足した天照は、「貴方は今後、マガタマ姫として私に力を貸してください」と告げ、こうして天照大御神の使い人として、マガタマ姫が誕生したのでした。

 天照大神は、マガタマを皆に紹介しました。

 スサノオノミコト、ツクヨミノミコト、オオヤマツミノカミ、ワタツミノオオカミたちに、マガタマ姫が創り出した力強いマガタマを見せ、彼女を天照の使い人として選んだことを伝えました。

 そのほかにも、もう1人、天照大御神の使い人としてトキタマ姫が存在しました。

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