第1話 天照とマガタマの出会い
時は天照大御神の時代、ある田舎の村に、マガヒコとトミタマという夫婦のもとに、1人の女の子が産まれました。
名をマガタマと言う。
玉のように元気ハツラツ、両親や村の人々から可愛がられていました。
マガヒコは石を削り、首飾りやまじないの石などを作る職人でした。
小さい頃からマガタマは父の仕事を見て育ち、10歳になる頃には父に負けないくらいの石職人に成長していました。
父もマガタマが作る石の首飾りを見て、その素晴らしさに驚き、彼女を誇りに思っていました。
母もまた喜び、マガタマを褒めて大切に育てました。
こうして育まれたマガタマはますます石職人の腕を上げ、村では一番の腕前を持つようになりました。
彼女が作る飾り物には、不思議な力が宿っているとの噂が村人の間で広まっていました。
漁に出た村人たちが嵐に遭遇し、マガタマの飾り物を持っていた漁師だけが助かったとか、山でクマに出くわした子供がマガタマの飾り物を投げつけたら光が当たり、クマが倒れたとか、村に雨が降らずに困っていた時に、ある村人がマガタマが作った水晶を地面に挿したら地割れが起き、水が湧き出て村人たちを救ったといった話が次々に起こったからです。
これらの出来事を聞きつけた天照大神は、ぜひマガタマに会いたいと思い、彼女のもとを訪れることにしました。
マガタマは突然の天照大神の訪問に驚ろきました。
天照は家の中に入り、素晴らしい物がたくさん飾られていることに気づき、その美しさに心を奪われました。
父マガヒコは、ここにあるほとんどの飾り物は娘が作ったものだと天照に説明しました。
また、母トミタマは娘の不思議な力について説明しました。
それを聞いた天照は、ぜひマガタマに特別な飾り物を作ってもらいたいと頼みました。
マガタマは喜んで天照大神の頼みを引き受けました。
天照は、小さくても力強く、魂まで滅び得ることのないような、心を動かされる飾り物を作ってくれるように頼みました。
マガタマはさすがに少し驚きつつも、どのような石を使えばいいのか尋ねました。
しかし、天照は全てを彼女に任せると言い残して去っていきました。
マガタマは考えました。
どうすれば天照大神の望むものを創り出せるだろうか…
しかし、自分に全てを託された以上、自分自身が納得する飾り物を作ろうと思ったのでした。
彼女はまず、石は自分が一番気に入っている透き通った輝かしい光を放つ水晶を使うことにしました。
彼女は美しい水晶が大好きだったからです。
しかしそのような美しい水晶を見つけるのはなかなか容易ではありません。
近くに心当たりのある水晶はなく、少し遠くまで足を運んで見つけるしかなかったのです。
そこでマガタマは、特殊な方法を使って新しい水晶を見つけることにしました。
彼女が使った方法は、尖った水晶に紐を結び、それを回転させるというものでした。
マガタマはこの方法で、新たなる水晶を見つける旅に出ることにしました。
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