勾玉

星月夜

プロローグ

 遥か昔、神々の国が生まれる神話の時代から始まる天孫降臨、天照大御神の時代の物語。

 勾玉姫という勇敢な女性の物語が紡がれていた。

 彼女は天照大神の使いとして生涯を送り、非凡な運命に立ち向かい続けた姫である。


 彼女は万病を治すと言われた不思議な薬、「ダグ」と呼ばれるものを大量に口にしなければならなくなった。

 それにより彼女は永遠の命を授かったが、それは心の奥深くに刻まれる重い代償でもあった。

 やがて、彼女は神武天皇に仕え、日向から大和への旅に同行することとなる。そして、海上での壮絶な決戦の時、彼女は海に散ったと伝えられている。


 その後、彼女が人魚になったとか、卑弥呼時代に使いとして生き抜いたといった数々の伝説が語り継がれてきた。

 彼女が人魚となったという伝説は、人魚を口にすれば永遠の命が授かるという神秘的な言い伝えと結びついて語られてきた。

 こうして、勾玉姫は勾玉の形を成すような魅力的で壮絶な人生を送ったのである。

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