「ふ」
Column1 「振るう」と「奮う」
今回は、「振るう」と「奮う」について考えてみようと思います。
☆
ある人が書いた文章に、次のような一文がありました。
――腕を奮った手料理を作ってもらいました!
この文章で注目したいのは「奮った」です。問題なさそうな気がしますが、「奮って」ではなく「振った」と書くのが正しい表記です。
「奮」という漢字には、「いさむ」「ふるいたつ」などの意味があります。
「奮起する」「興奮する」などの熟語を思い浮かべると分かりやすいでしょう。
一方で、「振るう」には「巧みにつかって力や能力などが十分に現れるようにする」とか「実力を発揮する」という意味があります。そのため「腕をふるう」は、「腕を振るう」と書き、「その人が持っている力を発揮する」ということを指します。
余談ですが、「腕を振るう」と同じ意味で使われる「ふるう」に、「熱弁を振るう」や「権力を振るう」「暴力を振るう」がありますよね。
権力も暴力も、その人たちが持っている力や能力のことなので、それが発揮されるときは「振るう」が使われるということです。
◇掲載場所◇
『NIHONGO』2021年―10月―Episode2
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