「ほ」
Column1 「補修」と「補習」
今回は、「補修」と「補習」について取り上げようと思います。
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あるとき、某作品のなかで、学生が「ほしゅう」の話をするシーンを拝読しました。
前後の話から察するに、「決まった授業の補充として、習うこと」(『三省堂国語辞典 第八版』より引用)のことを指していると思うので、漢字は「補習」が当てられるべきですが、文中では「補修」となっていました。
「補修」は「いたんだ部分を補い、修理すること」 (『明鏡国語辞典 第三版』より引用)ですから、「補習」の話に「補修」になっていたら少々ややこしくなってしまいますね。
実は、「補習」と「補修」の間違いは、実際に出版された書籍でも見たことがありまして、どうやら見過ごされやすいものの一つのようです。
これは私の考えですが、多分「補修」の「修」があるからではないかなと思います。
「修」には「学問をおさめる・身につける」という意味がありますよね。また「研修」「履修」「修了」という学問にまつわる熟語があることから、そのイメージに引っ張られてしまうのではないでしょうか。
ですが「補修」を、学問のほうとして捉えると、「おぎなっておさめる」という風になるので、しっくりこない感じがします。
やはり「補習」として「おぎなってならう」とするのが、「決まった授業の補充として、習うこと」に対しては合っているなと思います。
誤字を見つけるのは一人では難しいことかもしれませんが、間違えやすいことを頭の片隅に置いておくと、回避される確率も高くなるかなと思います。
◇掲載場所◇
『ことば』2023年―7月―Column5
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