Column3 「はねぼうき」について
今回は、前回「はね」について調べた際に、意外だなと思った「はねほうき」について取り上げようと思います。
☆
鳥の「はね」の表記には「羽」と「羽根」がありますが(今回「翅」については触れません)、場合によって辞書でも意見が割れることを書きました。
「はね」が付く名詞はいくつかありますが、その中に「はねぼうき」(もしくは「はぼうき」)という掃除用具の名前があります。
「はねぼうき」とは、鳥の羽を用いてつくったほうきのことですね。私は使ったことがないので検索してみたら、色んな形のものがあって面白いなと思いました。
皆さんは使ったことがあるでしょうか?
……と、それはまあ、置いておきまして。「はねぼうき」の表記はどうなのでしょう。
「羽ぼうき」なのか。それとも「羽根ぼうき」なのか……。
調べてみると、意外にも、前回使用した八冊の辞書全てが「羽ぼうき」という「羽」の表記でした。
追加で『旺文社標準国語辞典 第八版』『大辞泉』『大辞林4.0』も引いてみましたが、これらも「羽ぼうき」。
「羽」か「羽根」の表記で迷うと思っていたのですが、全くそうなりませんでした。
ついでに言うと、「はね」よりも「ほうき」の表記のほうが「箒」と「帚」の二つが登場していて、個人的には面白いなと思いました。国語辞典を引いた限りでは、「ほうき」も漢字にするなら「箒」のほうが一般的のようです。
ちなみに、漢字辞典を引くと、「帚」から「箒」という漢字ができたとあります。比べてみて分かるように、「箒」には竹冠がついていますよね。つまり「箒」は「たけぼうき」のことを指したようです。
思うに、日本語の中で二つの漢字の意味の違いがだんだんと薄れていったため、「帚」と「箒」の区別が無くなっていったのかもしれません。
中国語では「帚」が使われています。動詞の意味もあるからのようです。
すみません、また余計な話を……(汗) 「はねぼうき」に話を戻しますね。
では「羽根ぼうき」という表記はないのか、というと『精選版日本国語辞典』にはありました。1929年に出版された『太陽のない街』(徳永直 著)のなかに「羽根菷」とう表記が登場したことがあるため、記載されているのでしょう。
とはいえ、「羽根ぼうき」はあまり書かないようなので、「羽ぼうき」(羽帚・羽菷)とするのがよいのではないかなと思います。
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