Column2 「せんさく」の話
今回は「せんさく」の漢字について取り上げようと思います。
☆
「せんさく」という言葉を聞くと、多くの方が「詮索」という漢字を思い浮かべるのではないでしょうか。
ですが、「せんさく」にはもう一つ熟語があり、「穿鑿」と書きます。難しい漢字ですよね。
意味は「細かいところまでさぐって知ろうとしたり、
つまり、「『せんさく』しないで」(=細かいところまでさぐらないで)というような文章で使うときは、「穿鑿しないで」と書くのが本来の書き方ということです。
それならば「詮索」の意味は何かと言うと、「細かいところまで調べ求めること」(『明鏡国語辞典 第三版』より引用)です。「言葉を詮索する」などと使います。
つまり「詮索」はどちらかというとプラスのイメージの一方で、「穿鑿」のほうは踏み込みすぎてマイナスな意味を持っていることが分かりますね。
ですが、「せんさく」を使ったり、見たりしたことがある人は不思議に思うことでしょう。
それは、「穿鑿」の意味にも、「詮索」という漢字が使われているからです。
ゆえに、多くの方は「穿鑿しないで」と表現するよりも、「詮索しないで」のほうが馴染みがあるはずです。
このようになっている理由の一つは、新聞が「『穿鑿』と『詮索』を区別せず使っている」からだと思われます。
「穿鑿」の漢字が難しいことを考えると、新聞社が使わないのも納得でしょう。ゆえに、見る機会が少ないのではないかなと思います。
難しい表記はできるだけ避けるというのも、人に物を分かりやすく伝える上で重要なことではあります。
ですが「せんさく」という熟語の中に、「穿鑿」というものがあるのも知っていてもいいのではないかな、というお話でした。
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