Column2 「歳」と「才」

 今回は「歳」と「才」について、考えてみようと思います。


     ☆


 最近、ネットニュースなどを見ていると、年齢を数える語として「才」が使われているのを見かけます。


 確かに、子どもたちは「8才」「11才」と書きますが、この「才」というのは「歳」の代用字なのです。

 では、何故「代用字」なるものがあるのかといえば、小学生では「歳」を習わないけれども、年齢を相手に伝える場面があったり、読んだりする場面があるから。(「文部科学省の学習指導要領」を確認)


 一方で、ネットニュースで増えている「〇才」の表記。これは表記としてどうなのでしょうか。下記に辞書で調べた内容を並べてみました。



●「才」を「歳」と同等に使ってよいとしているもの

 なし


●「才」を「歳」の代用(小学生が使う/俗語)として捉えているもの

『明鏡国語辞典 第三版』『新明解国語辞典 第八版』『三省堂国語辞典 第八版』『新選国語辞典 第十版』『旺文社国語辞典 第十二版』『現代新国語辞典 改訂 第六版』『旺文社 標準国語辞典 第八版』


●「才」を「歳」の略字として使うと捉えているもの

『岩波国語辞典 第八版』


*項目では「代用」と「俗語」を一緒くたにしてしまったのですが、微妙に意味が違っています。ただ、辞書によって「代用」と「俗語」を一緒に並べているものがあったため、今回はひとまとめにしました。



 辞書の内容も考えると、小さい子どもに見せるようなものの場合は「才」でも構いませんが、公文書のような正式な文章や新聞などでも「歳」を使っているので、年齢を表すときは基本的に「歳」を使うのが無難ぶなんであると考えます。


 皆さんは、「才」についてどう考えるでしょうか。

 

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