12月

Column1 「あんぽんたん」の由来

 今回は、「あんぽんたん」の由来について取り上げようと思います。


     ☆


 ——この、あんぽんたん! なんてことをしてくれたんだ!


「あんぽんたん」という言葉は、大抵の場合人をけなすときに使うかと思います。意味は、皆さんご存じの通り「間が抜けている」とか「馬鹿」というもの。


 ですが、ふと、何故「あんぽんたん」が人をけなす意味を持っているのだろうと不思議に思い、調べてみました。


 すると、「あんぽんたん」というのは、「『あほ太郎』という言葉と、『反魂丹はんごんたん』をもじってできたもの」ということが分かりました。(『三省堂国語辞典 第八版』など参照)


「反魂丹」とは、薬の名前です。元々は霊薬とされていて、その効用は「死者の魂を呼び戻す」というもの。


 実は「反魂丹」という名の薬は実在します。

 もちろん、上記のような効用はありませんが、傷や腹痛に効く丸薬です。古くから中国にあったもので、日本では江戸時代の元禄の辺りから、富山にある薬売りが全国に売り始めたそうです。


 何にせよ、「反魂丹」という名前が付くくらいですから、当時はよく効く薬として、人々に知られていたのではないかなと想像します。


 ……ということで、最初の話に戻りますが、「あんぽんたん」というのは「反魂丹」と「あほ太郎」を掛け合わせてできた言葉という話でした。面白いですよね。


 今度「あんぽんたん」を使うことがあったら、「反魂丹」のこともつい思い出しそうです(笑)

 

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