第6話 クリスマスと嘘


「ピピピ……ピピピ……」


「うぅん……」


スマホのアラームが鳴った。


俺は起きスマホのアラームを消した。


今日は、みんなで遊ぶ予定だ。



 妹がお越しに来たのだろう。アラームとぴったりにドアが開いた。


お兄、お越しにきたよって起きてたんだ……


「あぁ…今起きた。」


今日は七夕のお願いで、妹と遊びたいらしい、それで妹も誘った。


「もう、行くよ…早く準備して。」


「あぁ…悪い、今着替えるから待っててくれ。」


俺は着替えて速攻で食事を済ませ家を出た。


優も遊びに誘っており、俺が優の家にインターホンを鳴らすと言った。


俺と妹は玄関を開けて行こうと思ったら、優が目の前で寒そうに待っていた。



「遅いぞ、かい。15分は待った、何か奢れよ」


「待たせたのは悪いけど、誰も待ってくれとは

言ってないんだけど…」


「おいおい、そんなこと言うなよ… つれねぇなー相棒」



「よし、じゃあ行くか」


俺たち家を後にした。


俺らは、隣町にある大きなクリスマスイベントに行こうとしている。


 何せイルミネーションがすごく地元では有名なイベントらしい。


「お兄、このイルミネーションで告白すると必ず結ばれっていわれてるらしいよ。」


「なんだそれ、嘘クセェな。」


「はぁ!? どうせあんたは誰とも縁がないだろうね。」


妹と優は意外に中が悪いらしい。


そんなに気にしていなかったからわからなかったけど……


妹と優は睨みながらバチバチになっていた。


「お兄はどう思う?。イルミネーションの噂」


 妹は、ちょっとほっぺたを赤くしてカイに言った。


「どうせ綺麗なイルミネーションに釣られて告白をオッケーしてしまうんだろ。すぐに別れそうだな……ってなんでそんな顔をしてんだよ。」


 妹は期待外れだったんだろう…小さなことでなんかを言っているみたいだ


「なんだよ、」


「ほら、見てみろよ。サンタがケーキを販売してるぞ…」


優を空気を変えるように違う話をしてきた。


そうみたいだな、クリスマスイブなんだからケーキの販売をしているみたいだな。


歩道では多くのサンタの仮装をした人がケーキのpop看板を持って宣伝しているみたいだ。


「お兄、早く行かないと…彼女さんともう一人の友達待たせちゃうよ」


「そうだな…」


俺たちは何も話題を出さないまま少し早足で向かった。


 10時待ち合わせだったよな…


俺は歩きながら、もう一度メールを確認して待ち合わせ場所を探した。


銅像の下待ち合わせらしい。


「おい、かい。あれじゃないか?」


 そこには、なんかのアニメの銅像だろう?詳しくないのでわからないがここで合ってるみたいだな、


「あれって、七夕さんじゃないか?…」


 銅像の横にいたのは寒そうに待っている七夕みたいだ。


「おーい、七夕さん!ヤッホー」


 優はこの人混みの中でよくそんなに声を張って言えるんだな…


多くの人たちに注目されてしまった。


「おいおい、優。ガチでうるさい。」


「すまんすまん、かい以外と遊ぶなんて初めてだったからワクワクしてよ…」


両手を頭の後ろに添えながら笑いながら謝ってきた。


「皆さん、おはようございます。妹ちゃんも今日きてくれてありがとうね。」


「いや、別にいいし暇だったから…」


 ちょっと照れながら冷たく接してる妹がいた。


多分、ちょっとは楽しみにしていたんだろう。


「お待たせ… みんな早いよ来るの」


 ちょうどぴったりに汗をかきながら走ってきたのは夢さんだった。


 そう、俺はもう一人夢さんを誘った。


「今日はありがとうございます。クリスマスイブに皆さんと行けて……」


 俺が誘った時は妹と優が来るっては言ってたが…


 その時には嬉しそうにしてたが、彼女も行くって言ってるんだけど大丈夫かな?


「妹ちゃんだよね、こんにちは夢です。お兄さんには助けてもらっています。」


「へぇ〜 夢さんはお兄のことどう思ってんの?」


 妹は睨みながら夢に問いかけた。


「どうって…… 友達だよ」


夢は小さい声で顔を赤くして答えた。


「へぇ〜…… これは仲良くはできないみたいだね…」


 妹は自分しか聞こえない音量で何かを言っていたみたいだが、カイには聞こえなかった。


「仲良くしろよ、夢さんは人見知りなんだ。女子同士助けてやれ」


「まぁ、お兄が言うならいいんじゃない?」


 いや、普通に仲良くしてくれないかな、心配なんだが。


「さて、みなんさん集まったことだし遊びを開始てますか…」


パッチンと手を叩いて切り替えるように七夕は言った。


俺たちは合流場所を後にした。


その後、なんだかんだでみんなで買い物を観に行くことなり、かなりでかいショッピングセンターに行った。俺は女子軍たちの服装に付き合わされ、優はゲーム屋さんに行ってるらしい。


「ねぇ、かいくん。この服装どう?」


夢は白いワンピースを自分の体に当てカイに見せてきた。


「うん、普通にいいと思うよ。」


 夢は嬉しそうに試着してくると言いすぐに試着室に行った。


「ねぇ? お兄。この服はどう?」


今度は妹が服を見せてきた。


暖かい生地製の冬にぴったりな服だった。


「いいんじゃないか?さすが俺の妹だな…」


「そう… 」


 嬉しいのか嫌だったのかわからないが違う服を見に行った。


「皆さん、楽しそうですね。」


七夕さんは服を見終わったのか、服屋さんのロゴの袋を持っていた。


「うん。そうみたいだね。こんな大人数で遊べる日がくるとは思ってもなかったけど。それより、服買ったの?」


「えぇ、気に入ったものがありまして。」


「俺に見せてくれればよかったのに……」


「そうですね… 次の二人っきりでのデートできますね。」


 七夕は自信満々に俺に言った。


 その後、何度も妹から服を見せられ七夕さんと一緒に意見を出し合った。


 妹と夢さんがレジを終え、優に電話をして合流し俺たちはそれからかなり遊び尽くした。


 外を出ると真っ暗になっており気温もかなり寒くなってきていた。


「じゃあ、でっかいクリスマスツリーのところで写真を撮って家でケーキを食べようぜ。」


「お兄。私と優と夢はやることがあるから先に行って待っててくれない?」


「やること?」


「そんなのあったけ?」


 優が首を傾げていた。


「ほら行くよ。」


 夢は、優の服を掴んでどっかに行ってしまった。


 ――――服屋さんでの事――――

「ごめん、ちょっとトイレに行ってくるわ」


 妹の服の手伝いをしていた俺は長すぎてトイレに行きたくなった。


「了解!早く帰ってきてよ。」


「ごめん、急いで戻ってくるから」


 カイは走ってトイレに向かった。


「妹ちゃん、お願いがあるの」七夕が急に頭を下げたきた。


「ちょっと何よ!?」


「クリスマスツリーで写真を撮る時二人っきりに少しの間してくんないかな?」


「は!? なんでよ」


「今までの事を話さないといけないから。」


「「話さないといけない事?」」


「本当は、わたし……」


 その話を聞いた妹と夢は驚いた。


「分かった。 それなら時間を作る。」


 ――――現在――――

「こんなにデカいんだね…」


「そうですね…」


 2階ぐらいの高さのクリスマスツリーでイルミネーションも綺麗に光っていた。


隣にいた七夕も綺麗な瞳で白い息をしていた。


 そんな七夕は綺麗だった。


「二人で撮る?」


俺はスマホをポケットから出してクリスマスツリーが全体に見えるようにちょっと行ったところで写真を撮った。


「後で送っとくね」


「ありがとう。カイくん、あのね私。あなたに嘘をついているの」


 楽しそうにしていた七夕には一転、今は笑顔が消え、その表情は不安な顔をしていた。


少し手が震えているみたいだ。


「どうしたの?嘘をついてたって?別に言ってくれるだけでそんな顔をしなくていいよ。」


「本当にすみませんでした。私、あなたの彼女じゃないの」


その瞬間、俺は考えられなかった。


「私はカフェの店員であなたの事が一方的に好きだっだけ」


「嘘をついてごめんなさい。あなたに会うことももうしない。」


 そのまま、七夕は走っていってしまった。


 俺は追いかけることも出来ないでそのまま立ったまんまボォーとしていた。それから妹たちが来るまで一人で立っていた。


 それからの記憶はない。


ただ、みんなでケーキを食べて解散したらしい。


 次の日起きていた時には全てのこと、彼女との記憶も思い出していた。

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