第14話 幕間
「準備はできているか?」
そういうと、どこからともなく人影が現れる。
「はい、内通者からの情報と、それが嘘であった場合の策も」
「自分が嘘をついているといいたいのか?」
最初に言葉を発したものが手を上げ制止する。
「すまない。しかし、用心するのは当然だろう? 後お前、分かっていても情報提供者の前でそんなことを言うな」
「チッ、すまない」
「私ではない、謝る相手が」
「いや、いいさ。思いっきり舌打ちした後の謝罪なんて望んでない」
人影は口を止めた。
「移動日と移動する駅は伝えたとおりだ。金とその後の処遇は、信用せずに期待しているよ」
「情報感謝する。希望には必ず答えよう」
その言葉は手を上げただけで答える。
背を向け、薄暗い空間から出ると、太陽が照らす。人ごみに紛れると、姿が解けるように崩れ始める。
そして、別の人相になる。
角を曲がり、ビルとビルの間に入る。そこには、白髪で体が淡く発行している少女がいる。衣服、と呼んでいいのかわからないぼろきれを着ている、ように見える。本来なら純白のワンピースを着ているはずなのだが。
「登録を確認。移動しますか?」
少女は目をつぶったまま、しかししっかりと相手を認識して問いかける。
「ああ、移動する」
「それでは、動かないでください」
淡い光に包まれていく。目を閉じ、そしてにやりと笑う。
「……せいぜい、踊ってくれよ」
金剛紅葉はそういい、目をあける。目の前は、先ほどと変わらない景色と少女が1人。
「ようこそ、3iの次元へ」
少女は無表情でそう言った。
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