後編

ポストには手紙が入っている

「あなたの家で誰かが死んでいます」

は?

え…お…おお

言葉が出ない

意味がわからない

だけど1秒後…否、体感では3秒後

ハッとした

「イタズラやろ」

「まあななかなか秀逸やな…」

と言い手紙を完全に取り出した

次々に文章が流れていく

綺麗な字で書かれたその文章は

分かりやすくすぐに目が文章を

追う

いつの間にか反射的に

瞳孔が開く

だけど1秒後…否、体感では3秒後

すぐに手紙を投げた

「あなたの家で誰かが死んでいます

死因は分かりません

ただ一つだけ分かります

それが他殺であること

死んでいるのは1人であること

それではお気をつけて」

気味が悪いので早く帰るために

僕は扉を開けた

古びた扉

金属が擦れ合い軋み出す音は

笑い声にも聞こえた

夕飯の支度でもしよう

包丁を持ち出し

肉を切る

きみを割る

硬い硬い

時間がかかる

いためる

野菜を入れる

きみを…

いためる

いためるいためる

いためるいためるいためる

いためるいためるいためるいためる

いためるいためるいためるいためるいためる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あなたの家で誰かが死んでいます 川崎蝉閑 @kawasemi_desu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ