11 現在

 戦いが終わり街はずれにさっとうしていた

 ゲートは人だかりがなくなりチケットなしでも通行できるようになっていた。

 イーサンは、ゲートをくぐりサイドfireの拠点にする予定の

 村にたどり着く。


 これでやっと一息だな。夢だった自給自足、セミミニマリスト

 として生きていくためにとりあえず家の前の空き地を開墾することにする。

 やっぱめんどうだな…。目の前の雑草を見ながら草刈りの労力を

 節約する方法を考える。燃やすか…。焼き畑農法をとる。

 もちろん火は魔術でコントロールしながら火災にならないよう

 配慮する。

 

 部屋も掃除しないといけないな…。古民家なのでうっすらとほこりが

 かぶっていた。こればかりは手作業でやるしかなかった。

「ビーッ」鈍い警告音が辺りに鳴り響く。イーサンが、

 侵入者警報用に仕掛けていた警報に誰かがかかったようだ。

 たったくまたモンスターか…。イノシシに似た動物が時折センサーに

 かかっていた。

 しかし、一気に緊張と恐怖に変わる。近づくにつれ本来なら感じるはずの

 警報用の魔法陣の魔力が全く感じらなかったのだ。

 複雑に魔法陣を組み合わせていたのでそう簡単に解除できるはずは

 なかった。かなり強力な誰かが侵入してきたことになる。

 イーサンは、身構えながら警報のかかっているいったいを探る。

「誰だ!」騎士と貴族らしき人が荒れ地のままの畑に侵入していた。

 向こうは、こちらの声に気づいて両手を挙げ手を挙げる。

 敵意がなことを確認して安心する。


「なるほど…」イーサンは、貴族と騎士をとりあえず民家の中に

 招き入れ話を一通り聞く。この貴族と騎士は、意外な人物だった。

 この貴族は、異世界連合共同体の議長、騎士は、異世界連合共同体軍総司令官だった。

 彼らの願いとは、今回ゲームマスター【仏】のゲームリセット【異世界の終焉】を

 回避した能力を生かして異世界連合共同体の転生者殺しの特殊部隊を結成したいと

 考えているらしくその初代総長になってほしいということだった。

 ただ総長になるだけでなく、組織づくりも手伝ってほしいとのこと

 訓練内容や人員選抜などもやってほしいとのことだった。

 

「お願いできますか?」やや、二人は遠慮がちにお願いしてきた。

「すいません。見ての通り隠居の身なのでご遠慮願えれば…」

 もうし、一線から身を引いてここでのんびりするつもりだったので

 お断りさせてもらった。

「そこをなんとか…」その後も必死に押し問答を繰り返す。

 結局押し切られてしまい。転生者狩りの特殊部隊の設立に参加することとなる。

 

 そこからは、世界各国の選りすぐりの剣士、魔術師、ヒーラー、召喚士に

 厳しい選抜試験をかけた三十万人の中かから三百人を選抜し

 第零特務隊を結成する。

 その後も様々な訓練を繰り返す。

 全ての隊員は、剣術、魔術、ヒーラー、召喚術を高度なレベルで

 習得させた。

 訓練内容の一部を紹介すると最低ランクの剣で最高ランクの

 剣を使用する剣術しとの剣術に打ち勝つ訓練。

 生身の隊員やイーサン自分自身を立たせその真横に的を作り

 その的に向けて魔術銃やステッキで魔弾を作り的に当てる

 もちろん外せは、イーサンや他の隊員が命を落とすrこととなる。

 魔弾を撃ち続ける隊員の足元には、大量の薬きょうが山積みになっていく。

 使用する弾薬数は、一魔術兵団【一万人】に相当する。

 



 召喚士は、レベル十の最上級モンスターをその辺の草むらにいる

 低レベルモンスターで打ち負かさす訓練をおこなった。

 そしてこれらの訓練を全ての隊員に科し全ての隊員が

 これらの能力を身につけた。


 異世界連合共同体軍の閲兵式にも参加したが、その任務の

 匿名性から全員が覆面で参加した。


 さらに、異世界連合王立学院に裏校舎として

 第零特務隊専用の教育機関を設立した。

 そしてイーサンは、その裏校舎の初代学園長に就任した。


 第零特務隊は、結成から目覚ましい活躍をした。

 転生者の洗脳によるハーレムづくりの阻止及び

 洗脳された女性の奪還。

 違法改造武器、及びアイテムの押収。

 人造モンスターの摘発などを行った。

 これらの功績は極めて偉大なものだったが、

 存在そのものが極秘裏にされていたので

 表立って組織が評価されることはなかった。

 人知れず異世界の秩序の維持に奔走し続けた。


「もう行かれるのですか?」そこは、なんの変哲もない

 現実世界につながるゲートだったが、世界中の

 皇帝が集まっていた。

「ええ、金欠でいつまでも異世界にいられないので」

「そうですか。あなたの存在は歴史に刻まれることでしょう」

 皇帝だけではなかった。騎士協会、魔術協会

 召喚士協会各教会の会長たちも集まっていた。





 俺は、クリムゾン・ヴァルキリアのゲームの歴史に目を通していた。

 今まで俺がゲーム内で過ごした内容が歴史として記載されいているのは、

 何とも言えない気分だった。

 しかし、現実は何も変わらなかった。

 異世界転生を終えた俺は、仕事で日銭を稼ぐ日々を送っていたが、

 またすぐに退職して絶賛無職だった。

 異世界でいくら特殊部隊の総長だろうが、現実世界では今無職

 しかし、昔の自分の功績を懐かしむのも悪くない。

 が…。異世界転生するにも金がない。

 そもそも、異世界転生で人生一発逆転をしようとした理由も

 悪徳新興宗教に騙されたからだ。

 悪徳新興宗教に幸せになれる、夢が叶うなどと

 洗脳され異世界転生の大博打をうち。

 見事に大失敗して今にいたる。

 失った時間はもう帰ってこない。

 ああしていればこうしていればなどと

 何年も頭をよぎる。

 せめてこれ以上被害者をだしたくなかったので

 ネット上でこの事実を広める活動に

 今後の人生の全てを費やす覚悟をきめていた。

 

 あ~にっしても金がないな~。

 まさにこの世に神もほけもなしの証拠だよな~。

 結局金がなきゃ何にもできないし。

 人権もないじゃん。

 な~にが神や仏じゃ。

 そういうなら金よこせや。


 おっ。俺の目の前に広告が現れる。

 【ゲームをするだけ月収百万も夢じゃない!】

 いいね~。明らかに胡散臭い詐欺サイトだったが、

 この世の真理であり宇宙そのものであるお金が

 なかった俺には、嘘かほんとかなんてどうでもよかった。

 

 あくせすした瞬間だった。

「あなたのパソコンは、ロックされれました。

 ウイルスに完成しています。

 サポートセンターに連絡してください

 電話番号は…」


 機械音声が突然流れ始める。またこれか…。

 過去に何回も経験しているのでまったくあせらず

 静にページを閉じようとする。

 あれ? ぺージが? あれ? 閉じれない。

 あれ?


 意識が飛び目を覚ます。

 どうやら、校舎の前にいるらしい。

 まじかよ…。すぐにそこがどこか分かった。なぜなら

 そこの創立に関わったのイーサンだったからだ。

 異世界王立学院の裏校舎だった。

 久しぶりだな…。久しぶりに帰ってきたので

 感慨にふける。

 

 で、俺は、なんでここにいるんだ?

 どうも転生したらしが…。ひょっとして第零特務隊の候補生?

 ステータスを見てもどうも第零特務隊ではないようだ。

 第零特務隊選抜会場一定の魔力をもっているものにしか

 みえないような魔力文字でそう書かれていた。


 なんとなくの予感から矢印に従って会場の方に進んでいく。

 「名前は?」受けつけで名前を尋ねられる。

 「え~っと…」ステータスで今世の名前を確認する。

 「シャード・ハートです」

 「はい。中へどうぞ」

 「相変わらずだな…」窓には、魔術で防御魔法がかけられており

 中の様子は一切探知できないようなっていた。





 訓練場で実技試験が始まる。ストームハート! 

 正面には教官という名がふさわしけわし表情の女騎士が

 立っていた。

 そうか…。教官になったんだな…。

 ストームハートは、昔第零特務隊の試験を頻繁に受けにきていた。

 しかし、実力が足らず毎回落とされていた。

 やる気もあり必死だったのでよく覚えていた。


「おい! 三十三番! 何にやにやしている!」

 ストームハートの檄が飛んでくる。

 生真面目な声は相変わらずか…。

「いいだろう! よし三十三番前え!」

「なんのつもりだ?」ストームハートが、険しい表情で

 シャドーハートに尋ねる。

 シャードハートの構えている剣は、ボロボロで

 とてもじゃないけど第零特務隊の試験なんかでは、

 とうてい使用できる剣ではなかった。

 なぜなら金のないシャードハートは、

 学院のゴミ箱に捨ててった剣を拾ってきて

 その剣を今構えていたからだ。

 残念だよストームハート…。お前は、そんなやつだと

 思わなかったよ。

 ストームハートが、構ていた剣は、

 転生者が使用している改造武器だった。

 どうやら任務で押収した武器を転用しているようだった。

 あれほど、チートはするなと徹底的に教育

 したはずだったが…。

 チーターの転生者を狩るための組織がいつの間にか

 チーターの転生者と同じようなことするように

 なっていたのだ。

 それもよりによって試験という場で。

 ストームハートは、人一倍頑張り屋だった。

 しかし、その強すぎる気持ちが不正行為へと

 走らせてしまったようだった。


「私は、いつもでいいですよ」

「いいだな」ストームハートから殺気が伝わってくる。

 あ~いいねこの気持ちを全面に押してくる

 まっすぐな戦闘すたいる昔と変わらねぇな~。

 シャードハートは、思わず苦笑いしてしまう。

 シャードハートは、ストームハートの気合の入った

 斬撃をかわしていく。そして剣と剣は、決してぶつけない

 当てるとおそらく掠るだけで、こちらの剣が

 粉々になってしまうのが目に見えたからだ。

 ただ、いつまでもよけてばかりいては

 こちらがあの剣の隠されたチート能力で【つぶれてしまう】

 その前にあの剣をなんとかしないと。

 ストームハートは、さして問題ではなかったが

 あの剣は、早く何とかしないと

 能力抑制の超能力の網により会場で使える

 魔力に限界があるとはいえ、他の生徒たちも

 巻き沿いになりかねない。


 ストームハートが体を入れて一気に距離を詰めてきた。

 ストームハートの剣につていている紋章の部分を

 魔力で破壊する。


「さっきから逃げてばかりだな! もうあとがないぞ!

 以上! 合否判定が追って連絡する。 次二十二番!」

 自身満々なストームハートがあも当たり前かのように

 シャードハートの不合格を告げる。

 会場からもしょうぶありの空気化が流れる。

「そのままだと腕がなくなるぞ」

「ん?」ストームハートが腕を見るとなぜかゆがんで見えた。

 そして剣もゆがんで見えた。いや、実際ゆがんでいたのだ。

「き、貴様! 何をした!」

「それは、こっちのセリフですよ。なんですか

 その剣は」明らかに剣の形をしていなかった。

 会場がざわつき始める。シャードハートは、外した紋章を

 手のひらで遊ぶ。

「腕が!」ストームハートは、腕だけでなく体までも

 吸い込まれ始める。

 そう、この改造武器は剣などでなく重力兵器

 そのため重すぎる重力を発生させるため

 その発生を抑止するために紋章をつけていた。

 まさに転生者の魔改造武器だった。

 ストームハートの剣の破壊力の源は、

 頑丈さでもなく攻撃力でもなく

 その武器がもつブラックホール性に由来するものだった。


「ま い り ま し た」シャードハートは、

 ゆっくりと紋章を剣に取り付け重力の暴走を

 食い止める。

 ストームハートは、しりもちをついて起き上がれない。

「貴様一体何者…」 

「日本国出身、童貞三十代無職子供部屋おじさんです!

 よろしくおねがいしまーす!」

 

 

 

 けっきょく届いたのは不合格通知だった。

 なんで落ちたのか…。

 どうやらまだ学生の設定のようだったので

 学校に通うことにする。

 普通の王立学院に通うことにする。

 王立学園にはまだ入学が入学が決まっていないようだったので

 入学試験を受けることとなる。


「どこのラクンめざしてるの?」順番待ちをしていると後ろの女子生徒が話しかけてきた。

「え?」王立学院には、さまざまな科やランクが用意されていた。

「まあどこでもいいかな」

「謙虚なんですね」ぶっちゃけ二度目だからランクなんてどうでも

 よかったランクがどうあれ生き残る自信があったからだ。


「はい次」

「よろしくお願します」試験官に自分のステータスを渡す。

「レベルゼロ…」全く雑魚狩りなどのいわゆるレベル上げを一切

 していなかったためレベルがゼロだった。

 

 結局、受けられるクラスは最下位クラスを受けることなった。

 




 このクラスは、いわゆる問題児たちをうけいれている

 どらごんクラスというクラスだった。

 このクラスだけ数字が割り振られていなかった。

 つまりそいうクラスということだろう。

 射撃の試験が始まる。魔法銃を渡される。

「パン」

「はい撃てましたね」試験官は、魔法銃の弾が

 的に当たったかどうか確認しないまま

 評価用紙から目を離さずに書き込みをしてく。

 そう、このクラスは発射できれば合格なのだ。

 だから試験官は、そのそも弾道も的も一切見ようとしない。

 どうせろくなやつなんていないからというのが態度に

 ありありとあらわれていた。


「はい次」

「あれ…なんでや…」次の生徒がうまく弾丸を

 撃てづににてこづる。まさかの発射することすら

 できない。


「いや、もう街で鍛冶屋か農家でもやったら」

 隣では、最高ランクの生徒が試験を受けていたためか

 最高ランクの女子生徒が嘲笑してくる。


「先生。撃てません!」天然なのかのその女性は、

 馬鹿正直に言う。

 近くいた最高ランクの生徒たちは、

 爆笑する。

「俺も撃てなかたらどうしよう…」

 最低ランクの生徒たちに動揺が広がり始める。

 見かねた俺は、すこし操作を教えてあげる。

 すると発射すらできなかった生徒は、

 みごとに弾丸を発射することとなった。

 発射した女子生徒は、汗をぬぐい一仕事終えた

 様子だった。


「はい、次」撃ててもうてなくてもどうでもいいので

 教官は、とにかく早く終わらせようとしていた。

 シャードハートの出番が回ってきたが

 的に鳥がとまっていたので発射をためらった。

 めんどくさそうに教官が顔を上げる。

「あ~どっかそこ狙って」何もない地面を狙うように

 教官から指示をされる。

 その鳥というのはあくまでも異世界の鳥なので

 普通の鳥ではない機械化された鳥なので

 強力な脚力を持っていた。

「あ」その鳥は的を運び去ってしまった。

 シャードハートは、その鳥の方に銃口を向ける。


「ちょっと! やめなさいよ!」最上位クラスを受験する

 セシリアが怒りシャドーハートを止めようとする。

 正直言ってさして珍しくない鳥で現実世界で言えば土鳩のような

 そんざいだったがその女は、何が気にくわなかったのか

 文句を言ってきた。

 

 シャードハートは、射撃に追尾の魔法をかけて

 鳥の詰めめがけて一発撃つ。

 弾丸は、鳥のつめにあたり鳥は、

 さしてこだわりがなかったのかあっさり的を離す。


 落下してきた的は、字面に突き刺さる。

 シャードハートは、突き刺さった的のど真ん中をついでに

 ぶち抜く。

 セシリアは、唖然としてその様子を見守る。

「ここは、魔法を使う学校だ。もしモンスター愛護に興味でも

 あるならモンスター飼育施設にでも就職しな」

 



「はい、合格」結局強化は顔を挙げないまま適当に合格をだした。



 合格が決まり教室に向かう。

「あ、さっきはありがとう」さっき魔法銃の取り扱うに

 困っていたエララに声をかけられる。

「あ、よろしくね」

「よろしく」


「あーだるいから帰るは」

「俺も」入学初日早々に二名がさっそくさぼる。

 堂々と教室が出ていく。すでにやばい学級崩壊状態だった。

 教師が来ても寝てるやつもいるし無茶苦茶だった。

 生徒たちには、どらごん組の腕章が配れれる。

 そしてその腕章を右腕につける。


 本日のレクレーションが終了し廊下を

 歩いていいると声をかけられる。

 声をかけてきたのは、妹だった。

 しかし、同じクラスではなく最上位クラスに所属していた。


「ルナさん、大丈夫ですか?」同じく最上位クラスの

 男性が、ルナに話かけててくる。

「どらごんクラスなんかに関わったらろくな

 ことないですよ」ひどいいわようだったが、

 もっともとだった。

「あの…兄なんです…」

「え?」俺は、苦笑いしながら会釈する。

 からんできた最上位クラスの連中は、その場からしぶしぶ去っていく。

 その後も廊下をあるているだけで他の連中からの

 羨望のまなざしを受けているのは明らかだった。

 妹は、清楚なのでギャルが好きという

 男子以外は、百人中百人が惚れるような

 見た目をしていた。

 

「入学おめでとう」

「ああ」

「入学祝いしたいからちょっと付き合ってくれないかな?」

 非常に控えめにルナが尋ねてくる。

「いいけど」


 デートは、めんどくさいので

 スキップでやり過ごす。

 スキップの機能が備わっているの

 デートは、スキップする。

 この世界では、スタートの段階で

 すでに高感度が非常に高く付き合っている状態から

 はじまることになる。

 そして基本的にこちらから関係を切らない限り

 ふられることはない。

 

 妹とのデートをすっきぷ処理したあと

 エララがやってきて向こうから告白してくる。

 デートは、面倒なのでスキップしようと思ったが

 ちょうど夕飯にしたかったので

 仕方なく付き合うこととなった。

 ファミレスチェーン店 ゴブリン食堂に

 行くことになった。

 ちなみに店のチョイスは任せた。

 ゴブリン食堂は、有名チェーン店の中では、

 最安値の食堂だった。

 ここには、妹と一緒によく来ていた。

 



 

「お、帰ってきたのか」夜遅くに妹が家に帰ってくる。

「今日も疲れちゃった」デートの後に妹は、

 クエストをやってきたらしい。現実世界でいえば、

 部活動に近いものだった。

 非常にハードワークのようだが、

 妹は、放置ヒロインというスキルがあるため

 放っていても好感度が下がったりすることは、

 なかった。

 通常なら動きすぎて気力が減れば

 好感度が下がったり。

 勉強や運動をしなければストーリーが進まなかったり

 するが放置ヒロインのスキルのおかげで

 全てオートで進むようになっていた。

 よってバランスやノルマを達成しないと

 現れないイベントなども寝て待つだけで

 自然と発生する。


 課外学習の授業をすることとなった。

 よりにもって最上位クラスとの共同学習になっていた。

「みんな! 単独で活動しななないでね!」どらごん組の

 教官が生徒たちに注意を促す。

「ったくなんでどらごん組の面倒みなきゃならないんだよ」

 最高ランクA組のクラスのレイヴンが悪態をとる。

 レイヴンたちは、今回の実習は介護実習と聞かされていた。

 もちろんドラゴン組のメンバーそんなこと知らされていなかった。


 実習内容は、召喚士の実習でモンスターを召喚して

 敵のモンスターを倒すといったものだった。

 マップをみながらエリア索敵していく。

「あ! エーテルの結晶じゃんラッキー!」シャドーハートが

 偶然URレアアイテムを見つけ手にとったところレイヴンに

 横取りされる。

 さらには、聖霊器も落ちていた。

 浮かれるA組のメンバーとは対照的にシャドーハートは、

 険しい表情になる。この辺りは、初心者から中級者が

 しようする森でこんなレアイアテムが落ちているはずなかった。


「おい! これ鑑定不能!」鑑定スキルを持っているA組の

 魔術師が古文書を手に入れる。




「なんだこれ?」A組にもわからない古文書とかあるんだな…。

 今までいい印象はないが、過去の経験からいっても

 A組は、かなり優秀だった。

 昔、第零特務隊の学校を作ったとき入学者には、

 A組のメンバーが大勢いた。

 みな勉強熱心で多くの魔術書に目を通していた。

 彼からが知らない? そんなことあるのか。

 興味本位で古文書ののぞき込む。

「レシート?!」シャドーハートが衝撃を受ける。

「何それ?」セシリアが尋ねる。

「おい、借りるぞ」

「ちょっと! ふざけないで!」偵察用鳥グリムホークを

 セシリアから奪い取りドローンの容量で空へ飛ばす。

 胸騒ぎがした。

「おい! ここ禁猟区だぞ!」禁猟区に入り込んでしまったことを

に気づき警告を放つ。




 禁猟区には、通常魔力バリケートが設置され侵入できないようになって

 いるはずだったが、何者かにバリケートが勝手に撤去され

 いつの間にか迷い込んでしまっていた。

「お! ゴブリンいるじゃん。ちょうどいいな」

 レイヴンが、実習の相手に選ぶ。低身長のどこにでもいる

 ゴブリンで、弱すぎるドラゴン組でもなんとか倒せそうだった。

「いいか、まず俺たちが攻撃するから援護でもいいから

 攻撃してみろ」レイヴンは、ステッキを取り出し魔力の

 玉を作り出しゴブリンにぶつける。

「おい! 止めろ!」青ざめたシャドーハートが、レイヴンを

 止めようとしたが時すでにおそし。魔力の攻撃は、

 ゴブリンに命中してしまっていた。

「なんだお前は、いちいちさっきから態度がでかいんだよ!」

「冷静に考えろよ。禁猟区になんでゴブリンがいるんだよ

 おかしいだろ」禁猟区は、保護が定めらているような

 モンスターがいるためそもそもゴブリンは、

 生き残ることなできるはずなかった。

 そう、ゴブリンは、禁猟区ではエサでしかなかった。

 迷い込んでしまった我々同様に。


「いいじゃん」レイヴンが、がらにもなく

 自分と一緒にゴブリンを攻撃した他のドラゴン組の

 生徒をほめる。超上から目線で。

 

「ん? なんかようですか?」不思議そうに頭をかいている

 ゴブリンがそこには無傷で立っていた。


「馬鹿な…」他のA組の生徒たちも無傷のゴブリンを見て

 衝撃を受ける。底辺種族の代名詞であるゴブリンが

 エリートの自分たちの攻撃を受けても全くの無傷である

 事実を理解できなかった。

「転生者です…」エララが、つぶやく。

「転生者? 何を根拠に」

「感でです」

「あほらし セシリア! 援護してくれ!」

「グリムボーン…」ゴブリンの背後のガイコツの龍が姿を現す。

 グリムボーン、禁猟区に存在する危険生物だった。


「先生呼んでくるぞ!」

「ゴブリンを囮にしていまのうちに逃げるぞ!」さっきまで

 戦う気満々だったA組のメンバーが一斉に逃げ出す。

 

「貴様ら! 失礼だぞ! わが主ネオンクロウ様に向かって」

 グリムボーンが怒る。

 やはりこのゴブリンは、転生者で勝手に禁猟区に

 侵入して違法で狩りをしなんとかして

 使用禁止生物のグリムボーンを召喚したようだ。

「クロいいて別に気にしなくて」転生者のゴブリンがグリムボーンのことをなだめる

 




 シャードハートは、禁猟区を抜けたあと

 その辺のモンスターを捕獲する。

 そして準備ができたので引き帰してくる。

「ちょっと! シャドーハート君なんでここに

 早く逃げて!」教官が駆けつけていたが

 すでに大ダメージを受けていた。

 このままでは、今逃げている課外学習に参加している

 生徒が追いつかれかねない。

 そのもそのもこのまま教官をほおっておいたら

 死ぬだろう。


「ここは、禁猟区だぞ。それにグリムボーンは

 使用禁止モンスターだぞ」

「いや、俺は別にグリムボーンを使役してるつもりは

 ないんだけど…」

「おぬし、身をわきまえよクロウ様に私がお願いして

 契約を結んだだけだ。使役などという軽々しい言葉を使うな」

 

 

 

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