9 現在

「おい!」

「ん?」物思いにふけっているうちに寝いていたらしい。

 レベッカは、過去の思い出の夢から覚める。

 憲兵に牢獄から出され手錠も外される。

 

「グシーナ将軍これはいったい」レベッカは、王宮の一室で

 グシーナ将軍に状況を問う。

「はい、申し訳ありません。リンガーのスキルが発動し

 姫が洗脳され発砲したのではないかというのが、

 魔術師の見解です」将軍は、今回の警備責任者にあたる

 しかし、今回は、会場内警備は、ネレー革命軍が

 行っていたため突入が遅れてしまった。

「もう、何もかもおしまいだは…」

 貴族たちにとっての彼岸折衝案による

 内戦の収束を自らの手で破壊してしまい。

 今まで築きあげた王室への道が全て水の泡になってしまい。

 絶望で目の前が真っ白になる。


「レベッカ様」部屋の一室で存在感を消していた

 レベッカ専属のメイドが言いずらそうに声をかける。

 そして手紙を渡す。

 レベッカは、手紙を開き読んでいるうちに

 小刻みに震えはじめ青ざめる。

 そして手紙を落とす。落とした手紙をいつまでたっても

 拾わないのでイーサンが拾い勝手に読む。


 そこには、レベッカの婚約破棄を通知する内容が

 書いていた。


 レベッカの方に下から上に視線を移動させると

 なお、放心状態だったので

 メイドの方に視線を向けると

 メイドもメイドで涙ぐんでいた。

 しかし、イーサンには今いち状況が

 つかめないので将軍に手紙を手渡す。


「そうか…アルカディウス様との婚約が破談…」

 この婚約が成立していいればレベッカは、貴族ではなく

 王室入りになり文字どうり王族になれるはずだった。


「姫失礼いたします…」何を言ってもどうしようも

 なかったのでレベッカを部屋に残して出る。

 去り際にイーサンは、メイドに一言言伝をする。


「交代だ」アルカディス様の部屋の前の護衛を交代する。

「ん? もう時間か? 早くないか?」

「いや、今日はアルカディウス様から引き継ぎでこの時間で交代して

 もう一人は、竜王の間を警備するようにとのこだ」

「そうか。じゃあ頼んだぞ」

「了解」敬礼して交代する。もともと警備をしていた

 守衛は、廊下を歩いていく。


 守衛が熟睡しいてるはずのアルカディスの方に向かって

 静に歩いてく。剣を抜き剣の歯が一瞬、光。


「それじゃあ悪役令嬢とおりこして革命令嬢になってしまいますよ」

「誰!?」


「?!」アルカディスを暗殺しようとした守衛は、

 なぜかアルカディスの部屋の前まで戻っていた。

 体が元の位置へワープしてしまった。


「悪役令嬢で踏みとどまりましょうよ」イーサンが姿を現す。

 ワープ+透明化で姿を隠したまま守衛をワープさせていた。

「なんのことでしょう」守衛は剣をイーサンに向ける。

「レベッカ様…」柱の陰に隠れていたレベッカの専属メイドが

 姿を現す。

「ローズマリー…」守衛の顔がみるみるうちに

 男性から女性の顔へと変わっていく。

 美魔術により自らの顔に整形をし守衛と入れ替わっていた。

 事前にローズマリーにお願いしてレベッカのことを

 監視させていたのだ。

「もう何もかもおしまいよ! ローズマリー! 最後の命令よ!

 この場で私を殺して!!!!」

「レベッカ様…」

「もう殺してよ!!!」いつもの不自然な美しいレベッカの顔とは

 似ても似つかない顔になっていた。

 普段から美魔術により顔に整形をかけていたのでが

 それを解きほんとうの顔をさらしていた。

「王室に入れればいいんですよね」イーサンが冷静に言う。

「え?」

「私は、もてないので婚約はできませんが

 国家にあなたを王族にするように契約をすることはできます」

「あんた? 頭おかしいだろ! おい!」レベッカは、

 もはや元の女の顔を男なんじゃないかというぐらい

 険しい表情になっていた。もともとの顔が

 決して美人でなかっただけにますます美人とは

 ほど遠い顔になっていた。

「じゃあこうしましょう。もし失敗したら

 あなたの暗殺手伝いこの王宮に火を放ちましょう

 どうですこれで私は裏切れない共犯者です」

「面白いわね。まあいいわ。どうせ捨てた命だし

 いいわ私をクイーンにしなさい」

「かしこまりました」

 悪役令嬢を死なせないし

 悪役令嬢には殺させない。




 

「ねえ、いったいいつまで続くの?」イーサンとレベッカ、

 ローズマーリーは、レベッカの個室の長机に大量の書類をうずたかく

 並べて読み込む。

「まだまだ、調べるよ」資料には、貴族のお金の流れが詳細に

 書かれていた。

「これ…」ローズマリーが資料の問題点に気づく。

 三人が同時に資料をのぞき込む。


「諸君我々は、決してくじけない!」イーサンとレベッカは、

 貴族や王族が集まっている集会に参加する。

 壇上では、アルカディウスが演説をしていた。

「これ以上の血が流れることは許されない

 ここで人々の声を無視していいのだろうか!」

 拍手が起きる。ネレー自治国は、そもそも元々あった国ではなく

 あくまでもカルーン共和国の住民から構成されていた。

「今回の悲劇を我々は、決して忘れないしかし!

 我々が和平を求めることにはいっさい疑いがない!」

「その通り!」

「そうだ!」他の貴族たちから合いの手が入る。

「私が率先してまたネレー自治国との交渉を行い

 この混乱に必ず終止符をうちます」

 万来の拍手でアルカディウスが演説を終えようとする。


「待ってください!」レベッカが声をあげる。

 レベッカは、壇上に向かっていく。

「ちょっとあの女がナディア姫が殺したですって」

「ちょっとやめなさいよ。あくまでも洗脳のスキルで洗脳されてただけでしょ」

「いや、どうから洗脳なんてスキル発動してなかったっていう

 証言も現場からあがってるそうよ」

「ほんとあんなことしてよくこんなところに出てこれるはね」

「あの隣の男は?」レベッカの隣にいたイーサンも悪口の標的になる。

「さあ、他国からやってきた軍師だとか」

「出自の分からないような男をどうして将軍は採用されたのでしょう」

 壇上に向かう立食のテーブルをすれ違うたびに影口を言われる。


「一体いつまでくだらないテロリストの言いなりになるのでしょうか」

「おい! 失礼だぞ!」

「降りろ!」レベッカの登壇の予定はなかった。そのためレベッカに

 向けてヤジが飛ぶ。それにあんな事件があったばかりで

 正直、カルーン共和国にとってレベッカの存在は、

 かくしておきたかった。

「皆様はこの国を守ろうとなぜしないのでしょうか」

「失礼だぞ!」

「自らの利権や立場だけを守るためにこの国を売るのですか!」

「降りろ!」ヤジがだんだんと激しくなる。

「恥を知りなさい!」近衛騎士が壇上にレベッカを逮捕するために

 あがってくる。

「レッベカどうしたんだ」アルカディスも壇上に上がってくる。

「それは、こっちのセリフでどうして婚約を破棄したんですか」

「それは…」婚約破棄を貴族たちの前で暴露されて言葉に詰まる。


「え? 婚約破棄?」

「まあ当然だよな」しかし、アルカディスへの悪評は立たず

 重要な友好の場の血祭にしたレベッカとの

 婚約破棄は当然という意見でその場は一致していた。

 

「レベッカもうそのへんにしておきなさい」アルカディスへがいさめる。

「そうですか、あくまでもみなさんは国のためと市民のためと

 偽るのですね。では私がこの場で断罪しましてよ!」

 レベッカが財務資料を提示する。

 

「なんだ?」

「なんの資料だ?」

「どうせはったりだろ」会場内はざわつくが

 なんの資料か誰も知らなかったので嘲笑だけで誰も

 相手にしようとしなかった。


「この資料には、カルーン共和国へのネレー自治国からの

 献金及び裏金の履歴が書かれています」

 正確には、ネレー自治国からの違法献金と

 その献金を不正に隠蔽した証拠の書類だった。

 そのリストの中には、王室の名前もあった。

 さらに教会と貴族王族の汚職

 聖職者の献金の不正利用

 巨大ギルト、商会からの闇献金あげればきりがない

 ぐらいの不正のオンパレードだった。

 王室の一歩手前まできいたレベッカにとって

 カルーン共和国の最高機密にアクセスするのは

 容易なことだった。

 日本でいえば内閣参与が日本国の機密資料に目を通す程度の

 たやすいことだった。


「ふざけるな! 守衛は今すぐにその売女をとらえろ!」

「はやく追い出せ!」イーサンとレベッカは、両脇を抱えられ

 その壇上を退場させられる。

 

「一体なんのつもりだ」別室でレベッカは、アルカディスから

 問い詰められる。

「それは、こっちのセリフですは~婚約破棄なんてなんて

 ことおっしゃるのですは~」レベッカは、なんのわるびることはなく

 高笑いする。

「お前自分のやったことわかってないのか?

 内戦の和解案を踏み潰したんだぞ」

「でも、あれは洗脳のスキルに操られてしまったから

 私には関係ありませんは!」

「もうどうもいいは、とりあえずあの書類を渡してくれ」

 汚職の資料一式を渡すように依頼される。

 

「無理ですは! 貴族王室全員道連れですは!」

「そうか! じゃあここで」アルカディスが剣を抜く。

「司法取引をしませんか」イーサンが切り出す。


「おそらくもういちどリンガーが攻めてくるでしょう

 その時軍の指揮をとらしてくれないですか」

「分かった。もし作戦に失敗したら」

「私がこの国を追放されましょう。成功したらその暁に

 レベッカを王室に入れてほしい」

「王室入りだと? どんだけ強欲なんだこの女は」

「ほっーほっほほそれはこっちのセリフですは、

 お金のない平民に重税をかしクーデターを起こされて

 内戦状態にあるにも関わらず裏金作りをしていなんて

 なんて低俗な。すべて公開して全員をギロチン送りに

 さしあげてよほーっほほほ」派手な貴族用な

 禁漁モンスターの高級毛皮でつくられたであろう

 センスをはためかせながら高笑いする。

「どうです? 別に王室にとってマイナスな要素はないと思いますが」


【リンガーの中の人視点】

「まさか…わがスキル ニューロ・ウェイブが暴走してしまうとは

 …クククク…わが天才の作戦 シャドウ・インベンジョンが

 失敗したとなると次は、プランB:セレスティアル・イリュージョン

 を実施するしかないか…」

 

「軍師太郎ー! ごはんで来わよ!」母親が、部屋の中にこもって

 オンラインゲームをしながら独り言をぶつぶつ言っている

 軍師太郎に階段の下から声をかける。


「あとで!」部屋からドア越しに大声で軍師太郎は、答える。

「まったく、こっちは国家の命運を左右作戦を立案しているというのに

 のんきなもんだ…」部屋の中は、薄暗く机の上ではパソコンだけが

 光を放っていた。部屋は足の踏み場のないぐらいに

 ゴミだらけになっており、飲みかけのペットボトルが

 さんらんしていた。



 鉱山エメラルドをネレー革命軍が占領したの報が入り

 イーサンたちカルーン共和国の部隊は、山のふもとに布陣する。

 イーサンは、グシーナ将軍以下各将校に作戦を説明する。


「中継です」TVの中継には、リンガーが機体から体を出し

 挑発を繰り返していた。

「我々は、血の盟約となった先日のテロを決して忘れない

 もはや和解の選択肢は完全に消えたあるのは、

 悪魔カルーン共和国軍のせん滅しかありえない!」

 背景は隠す気もなくあきらかなにエメラルド山の山頂だった。


「やはり、山頂に布陣していているようです」

「煽ってきやがって…」

「やることは、すでに決まっています。我々の勝利は、確実です

 では、始めましょうか」

「そうだな」


 カールン共和国の人型戦闘機師団は、山頂向けて進撃していく。

 機体の性能上では、カルーン共和国の方が上で数も上のために

 各戦で撃破して徐々に山頂に向けてすすでいく。


「クククク…わが戦術セレスティアル・イリュージョンを

 発動もって革命はなされるのだまさか、

 自分たちがまんまんと作戦にハマっているとは

 思うまいククク…わが戦術に抜け目などないは

 チェックメイト!」リンガーは、山頂付近の作戦指揮所で

 高笑いする。

「さすがですは! これもすべ作戦ということですね! 地獄の底までついていきます!」

 着物姿のロベルタが頬染徹底的に考えられた戦術と

 リンガーの頭の良さにベタぼれする。

 ロベルタは、頬染める。

「いや、地獄の底などにはいかない必ず勝利できる

 全てのピースは、そろったこれでチェックだ」

 一人で勝手にやっているチェスで王手をかけ

 満足げにその様子を眺める。


「イザベル・レオン コード:シャドーストライク」

 リンガーが部下に作戦開始の指示を出す。

 

「了解!!」現場の部下から無線が返ってくる。


「どんな作戦なんですか?」

「じゃあ逆に君だとどうする?」

「ん~難しいですね…数や質の上では、向こう方が上

 教えてください!」

「簡単なことだよクククク…土砂崩れを起こして

 上ってきている機体をまとめて流しそして

 そこからは、ロベルタと俺で本陣を討ついいな」

「しかし、いったい的兵力の場所はいったいどうやって

 特定するのですか? この山全てを壊すことは

 できないですし…」

「はあ…まだわからないのか仕方ないな…いや、時期に

 分かるかな…」



「ポイント三三に敵出現」

「ポイント四四に敵出現」現場からの連絡が入ってくる。


「この連絡は?」

「ふふふふ…私のスキルを忘れたか?」

「まさか!」ロベルタが目を見開き驚愕する。

「そうだ我が神より与えられしスキルニューロ・ウェイブが

 発現したのだつまりこの連絡は、カルーン共和国の兵士からのものだ

 洗脳されたカルーン共和国の兵士が裏切り私に

 居場所を伝えているというわけだ。まあ、初歩の初歩だな。

 じゃあ我々も出るぞ」

「はい! 閣下!」


「ブルーグレイス!」

「サンドシェイプ!」ネレー革命軍の人型機が、

 水系と土砂系魔法を使い土石流を起こす。

 激しい濁流となりカールン共和国の人型戦闘機が

 飲み込まれていく。


「作戦成功です。人型への土石流到達を確認しました」リンガーに

 現場から作戦成功の一報が入る。


「グシーナ!」リンガーの本体がグシーナの部隊まで到達する。

「リンガーか!」

「早く降参したらどうだ?」

「降参? 貴様らこそ山頂の指令所を心配したほうがいいのでは?」

「ハハハハ。山頂に誰が? 向かっているんだ?」

「残念ね。山頂を目指していた部隊は今頃あの土石流の中よ」

 ロベルタが自信満々でこたえる。

「何妄想をいってるんだ?」イーサンが機体から姿を現す。

「妄想? リンガー様の作戦はいつも完璧なんだから!」

 ロベルタがむきにになって言い返す。

「ロベルタいいさ。時期にかれらにもわかる時期にな…」

 

「シロッコ覚悟!」側面を護衛を担当してたい

 シロッコの部隊にネレー革命軍の新手が奇襲を仕掛ける。

 カールン共和国の部隊は、包囲される形になる。

 カールン共和国の部隊は、数の上では総崩れになるはずだった。


「さあこれでチェックだ。これでテロリストから

 国家の英雄に」


「コード:ブルー!」

「コード:ブルー!」四方八方からリンガーの元に

 リンガーの元に連絡が入ってくる。

 戦闘開始の連絡だった。


「何?!」本来いないはずのカルーン共和国の部隊が

 突如としてリンガーの部隊に襲い掛かった。

「一体どこから」


「最初からだよ。一体いつから土砂崩れに部隊に

 巻き込まれたと勘違いした?」


「?!」


「あの土砂崩れに巻き込まれた人型戦闘機の

 中身からで外装もパチもん。魔術で動かしていた。

 デコイ」


「いや、たしかに現場からの連絡が…」


「じゃあ他の兵士全員をだましていたとしたら?」


「貴様! 自らの兵士すらもだましたというのか…」


「さあ、ここで討ち死にするか。素直に降伏うるか

 選んでもらおう」


「ロベルタ!」リンガーは、ロベルタにしんがりをまかせ

 逃亡を図る。

 イーサンは、ロベルタの本体をシロッコに任せて

 リンガーの部隊を追う。

 しかし、山下に行けばいくほどカルーン共和国の兵士が多いため

 すぐにリンガーは、追いつかれる。取り囲まれた。

 リンガーは、両手を挙げて命乞いを始める。


「取引しよう。もし、ネレー自治国が完成したら

 他の貴族どうように君にも貴族の位を約束しよう」


「すまないな…俺は、これ以上この国にいるつもりはないんだ

 いくら積まれてどうでもいいだよ」イーサンは、人型の銃口を

 ネレーに向ける。


「おい、リンガーもうこのゲーム落ちようぜ」リンガーの

 友人が忠告する。別の機体に乗っていた友人カウスが忠告する。

「ここで諦められるかよ! 金つめばこいつも分かってくれるはずだ」


 イーサンが引き金を引く。


 スキル 転生者殺し。


「ん? ん?」リンガーこと軍師太郎は、ゆっくりと目をひらく。

 いや、ひらけない。本来あるはずの景色が見えない。

「んん? ん?! なんだこれ! どうなってるんだよ!」

 軍師太郎は、パニックになる。本来なら目を開ければ

 現実世界の自分の部屋にいないといけないはずだったが

 そこには、本来あるはずの自分の部屋の景色は存在しなかった。


 そう、リンガーは現実世界に戻れなくなったのだ。

 そればかりか、異世界に転生することもできなくなっていた。


【現実世界、軍師太郎部屋】

 一人の男性が血を吹き出しながら椅子から崩れ落ちて

 絶命していた。

 現実世界の軍師太郎は、死亡した。


【チャット】

「おい! カウス! どうなってるんだよ!」

「どうした? どこにいるんだ?」

「出れないんだよ!」

「何が?!」

「あああああああああああああ!」

「おい、落ち着けって。どうしたんだよ!」

「チャット欄から出られない。異世界にも転生できないし、

 現実世界にも戻れない! あああああ助けれくれえええええ!」

「おい! どうなってるだよ!」



【カウスこと小物太郎の現実の部屋】

「ひいいいっ! なんだこれ! こんなゲームやってられるかよ!」

 ログアウトした小物太郎は、ゲームダイブ用のチョーカーを

 首からはずし。パニックになりながら急いでパソコンの

 電源ボタンを連打してパソコンを切断する。


「ハハハハハハハ…う・嘘だよな…はったりだよな

 リンガ…」汗だくになりながら震える指で

 まさかとは思ったが、普段自信満々で自己愛の皇帝のような

 性格をしていた軍師太郎が急に弱気になっていたので

 妙に不安になって。軍師太郎の持っていた携帯に

 電話をかける。


「ブー、ブー、ブー」すでに絶命した軍師太郎の部屋の

 携帯電話が振動する。


 おい…。うそだろ…。彼女もいない軍師太郎は、

 常に暇でいつでも電話に出るようなやつだった。

 まさかな…。アポなしで軍師太郎の家を訪れることにした。

 

【チャット欄」】

「ああああああ! カウス!!! カウス!!!

 助けてくれ!!! あああ!! 

 殺してくれ!!!! あああああ!!!!」

 軍師太郎の絶叫がこだましていた。

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