8 現在

「どきなさい!」ロベリアがすごむ。かなりうまいパイロットなんだろう

 直ぐに反射攻撃をかわし距離をとり体勢をとる。

「ナディア様!」シロッコが両軍のロボットが戦闘をはいじめている中

 危険を顧みずナディアの応急処置をする。

 しかし、ナディアの目から光が消えはじめ血の海が広がる。

「シロッコ…」

「ナディア様! しっかり!」


「諸君! この惨状をみよ! これこそが! カールン共和国のaku

 正体! もはや譲歩など意味をなさない! 戦うぞ!」

 会場にあつまっていたネレー自治国の市民をリンガーが扇動する。


「そうだ! 騙されていたんだ! 俺たちは!」

「悪女レベッカを討て!」

「そうだ!」扇動に応じるようにネレー自治国の市民たちは熱狂して

 暴動になる。

 

「イーサン下がるぞ! まずは、姫の治療が最優先だ」シロッコがあせる。

「はい」イーサンは、急いでドレイン+虚無の魔法を組み合わせて

 レベッカの洗脳を解いてすぐに腕の中に抱える。

「え? 何?」本来なら平和的に終わっているはずの祭典が

 白煙の絶叫に覆われていて洗脳が解けたレベッカが驚く。

「援護しろ! 撤退する!」援護を受けながらシロッコとイーサンは、

 撤退していく。

 しかしロベリアが、非常に強くみな手を焼く。

 攻撃を綺麗にかわし桜の魔法を使用して次々に

 機体を破壊していく。


「ロベリア! 撤退だ」指令から支持が入る。

「しかし! あの女」ロベリアは、全てをぶち壊しにしたレベッカに対する

 怒りがこみあげてくる。

「ロベリア撤退だ。今日の戦闘は計画にない。また練り直す」

「はい!」ロベリアは、リンガーに心酔していたので

 レベッカに対する憎しみはあったがすぐに命令を聞く。


「ちょっと! 何が起きているのよ!」訳もわかず錯乱状態の

 レベッカは、カルーン共和国の政治犯収容施設に投獄される。

「だから言っているだろ。お前は、ナディア姫を殺害した」

 憲兵は淡々と話す。

「姫は!」

「死んだ。というかお前が殺した」

「そんな…私は何も!」

「もう聞きあきた」憲兵が立ち去っていく中牢獄で座り込む。

「どうして…」手のひらを見るまだ、手のひらにはナディア姫の

 返り血がべったりとついていた。


有り余る時間でレベッカのこれまでの人生を思い出す。

 

 私の家は、とても貧乏だった。家にはネズミがでるし

 家具もどれも古びたもの服も見すぼらいい服しか着ることが

 できなかった。


 子供ながらにすでに自分が貧乏な家に生まれていること

 に気づいていた。

 貧乏で何もない家だったが、母親は非常に教育

 熱心だった。

 母親は、美魔術師とという比較的珍しい魔術師だった。


 美魔術師とは、美に関する魔術で現実世界で言えば

 美容師、美容部員、アパレル店員などを融合させた

 魔術で一般人から王宮まで親しまれていた。

 目的は、ずばり人を美しくすること

 レベッカの母親は、御用美魔術師として王宮にも

 出入りしていた。

 

「レベッカ、ゆっくり想像して」クリスタルの光に

 模型の髪が包まれる。アップノットの髪型が生み出される。

 頭上で繊細に編み込まれたアップノットをイメージして

 編み上げていく。

「ふぅ」

「この図と比べてみて」宮廷からもらってきた髪型などの

 図が描かれている美魔術の書籍を示しなら母は説明する。

 美魔術の蔵書を家に持って帰ってきていたので

 レベッカは、読みふけっていた。

 もちろんその蔵書は、みなゴミとして捨てられているものを

 こっそり母が回収していくれていたのもの。

 日々のトレーニングのおかげで着実に

 美魔術師としての実力を身に着けていく。

 

「イザベラ様 よろしくお願いいたします」今日は

 レベッカの初めての王宮デビューだった。

「よろしくお願いいたします。お母さまにはお世話になっています」

 すっと、ナディア姫はマスクを取り出す。

「これに合うようにお願いします」

「どういたしました?」

「実は、顔を…」ナディア姫は、ケガをした顔を見せる。

 顔には、真っ赤なやけどの跡が残っていた。

「今日は、マスクをして舞踏会に出ようかと」

 貴族の世界では、マスクをすること自体は、

 決して非礼にあたるわけではなかった。

 しかし、仮面舞踏会以外で仮面をつけても

 メリットは何もなかった。

 「姫様、おせっかいかもしれませんかせっかくの

 舞踏会ぜひ私に任せていただけないでしょうか?」

「ええお願いするは」

 

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