3 現在

「キャッー!」飛び降りた少女が宙づりになる。魔力で強化された

 蜘蛛の糸で少女がぶら下がる。


「バシッ!」助けた少女がイーサンを平手打ちにする。

「え?」

「どうして助けたの!」

「は?」

「あんたのせいで転生できなかったじゃない!」

「いや…」

「最低!」少女は、立ち去っていく。

「お分かりいただけましたか?」校長が説明を再開する。

「え…」

「これが我が学園の抱えている問題です。優秀な

 生徒に転生するために自殺が相次いでいるんです」

「それをなんとかしろと」

「ええ、実は、もうすでに原因は分かっているんですが

 聖印学会というカルト集団が転生者たちに無茶苦茶な力を

 与えているようなのです」

「つまりかれらを止めれば言い訳ですね」

「はい…」

 

「ちくしょ! ボケー!」

「おいおいまじかよ」聖印学会の猛烈に金のかかっている

 会館の前で騒いでいる女がいた。そしてイーサンは、その女に

 見覚えがあった。

「ぶっ殺してやる!」

「気をおさめて」

「じっとしてられか!」

「もうやめて」

「辞めるかよ! 何度でもいってやる!」有名アイドルVtuberの【外】の

 人桜井心音と取り巻きだった。

「あ! あいつ! あいつも誘うおうぜ!」

「ダメ、無関係の人を巻き込まないで」回りの取り巻きが止めようとする。

「いいじゃねえか! もう全員巻き込んで死んでやる! おい!

 お前! 私と一緒に聖印学会ぶつぶすぞ!」心音がイーサンを

 強引に巻き込もうとする。

「いや、ちょっと…」本物におどろきながらも

 リアルにかかわるとめんどくさそうなので丁重に断る。

「あ! 心音様の酒が飲めないってのか!」

「酒ではない」取り巻きが突っ込みを入れる。

「この際なんでもいいだよ! 聖印のクソ成金にボコボコにされて

 このまま引き下がれるかよ! ちょっとどこに行くのよ!」

「いや、会館の中に」イーサンが、聖印学会の中に一人で向かっていく。

「ふっ、行くぞお前ら!」心音は、取り巻きをこぶする。

「もうやめて無理だよ」取り巻きはあくまで止めようとする。

「うっさい!」


「おや、冒険者のかたと…そうですかまだこりてないようですね」

 きらびやかな装飾品を身に着けた肥満体系の男が出てくる。

「ふん! 心音様が来てさってやったぞ!」

「ふっ」カルトの職員に鼻で笑われる。

「おめえ! 笑ったな! ぜってい許せない!」

「すいませんお帰りください」

「いやだ! 私と勝負しろ!」

「いや、さっき戦ったでしょ」

「まだ勝負は終わってない!」

「あなたみたいな弱いアイドルとはたたかえません」

「なめるなよ! 心音様の恐ろしさを教えてやる! 弱霊砲! ダダダダ!」

 無茶苦茶エイムで心音がカルト職員に攻撃を撃ち込む。

「ちょっと、味方にも当たっている」心音の取り巻きにも命中してしまっていた。

「死者の障壁!」カルト職員は、死体の壁で攻撃を防ぐ。

「グチャッ」

「パンッ!」ゾンビに心音の攻撃が当たり内臓が飛び散りる。しかし、

 次々にゾンビがよみがえってくる。

「堕落印? まさか自分の信者を?」心音の取り巻きが話す。

 人柱にされているゾンビにはみなおでこに共通の紋様がはいていた。

「どういうこと?」

「私が説明してやろう。我らが聖印学会に体を捧げた

 信者の体を利用させていただいております」

「体を捧げるってなんのことだ?」

「自殺して体をさげることでここで前世の設定がギフトされる」取り巻きから

 説明を受ける。

「卑怯だぞ! 正々堂々拳で戦え!」心音が地団駄を踏む。

「そうですか、では早々に終わらせてあげましょう 死霊撃!」

 ゾンビの口から光線が放たれ心音の取り巻きたちが一掃される。

「オンプおじさん!」心音が大声で絶叫する。

「あとは任せた…パタッ」

「ピコッン!」

「グエエエ!」心音のゾンビのレーザーで吹きとばされる。

「お前分かってるだろうな! こてんぱんにしてやれ!」心音がイーサンに檄をとばす。


「お客様いらっしゃい。ここれはあなたの望む前世を手に入れることができます」カルト職員は、イーサンにあいさつする。

「どうすればいいいんだ」

「まずは、金貨二百枚お願いいたします」

「に、二百!?」

「ハハハ、そうですねみなさん驚かれます。もし無理な方はその命と引き換えに

 お望みの前世をご準備させていただきます」

「お前も転生者なのか。とんでもない商売宗教家だな」

「はははは、現実世界では貧乏人でねこの世界では、どんな手をつかてでも

 成りあがると決めてたんでね。どうです私の商品ご購入いただきますか?」醜く笑顔がゆがむ。

「あいにくあなたと同じで私も拝金主義者でね」

「ほう」

「だから、目に見えない神や仏、前世を一切信じないんですよ」

「そうですかということは、仏的というわけですね 死霊撃!」

「ギュィン!」レーザーがイーサンを殺しにかかる。

「イーサンよけて!」心音の声が耳へと届く。

「加速+蘇生」イーサンが連鎖詠唱を行う。

「そんな詠唱では私にかすり傷すらつけられませよ! あの

 男をバラバラにしろ!」

「…」

「ん? バラバラにしろ!」

「…」

「私の言うことが聞けないのか!」ゾンビをカルト職員蹴り飛ばす。

「パシッ」その足をゾンビが受け止める。

「ん?!」

「馬鹿なことしたもんだな俺も」

「ん!? 馬鹿な!」ゾンビはよみがえり人となっていた。

「初歩的な蘇生魔法に加速をくわたことで完全蘇生まで

 もっていったんだね」おんぷおじさんのうちの一人がかろうじて声を出す。

「そうだな。さてと形成逆転だな」

「卑怯な!」ゾンビだった信者たちに逆にカルト職員が取り囲まれる。

「金も体もすべて返してもらおうか」信者たちは怒っていた。

「ずいぶんぜいたくな暮らしをしているみたいだな」

「俺は成功するんだ! 俺は! ハハハハハ!」ついにカルト職員は、

 壊れて笑いだす。


 その後カルト教団の施設は解体され跡地には、転生のため命を落とした

 多くの人たちのための支援施設が立てられ壊れた

 カルト職員は、精神科を兼ねている異世界寺院に引き取られ

 今日も妄想にとらわれながら生きているという。


「よっしゃ! 倒したぞ!」心音が喜ぶ。

「八八八」一万人以上の配信視聴者から

 祝福の弾幕が送られる。

「違う、あの人のおかえげ」おんぷおじさんたちが、たしなめる。

「まあ、今回は手柄をゆずってあげてもいいかな」

「いや毎回負けて…いだだだ!」おんぷおじさんが心音につままれれる。

「ん? なんか言ったか」心音は毎回のごとくキレ芸をしていた。

「チーター狩りのガチプレイヤーまじですごかった」

「チーター狩り生配信で見れて草」コメントでは、名もしれれぬ

 プレイヤー、イーサンへの賛辞のコメントであふれていた。

「ゴホンあー、お疲れ様。よく頑張ってくれた」心音が仰々しく

 始める。

「上からめせん」

「なんかえらそう」おんぷおじさんからの突っ込みが入る。

「うるさい! イーサンにお礼のプレゼントをあげよう はい」

 心音からゴブリンのつののアイテムを渡される。

「あ、どうも」反応に困る誰でも持っているようなアイテムだった。

「しょぼい」おんぷおじさんがすかさず突っ込みをいれる。

「うるさい! じゃあ何プレゼンとすればいいわけ」

「パンツ」

「は!? ギギギギ」おんぷおじさんが心音に絞められる。

「辞めて死んじゃう」

「しゃーない 今回は特別にほらよ 脱ぎたてだぞ!」

「は?!」イーサンは、ゴブリンのつの以上に困惑する。

「汚い」

「可哀そう」

「可哀そうってなんだよ!」その後も心音とおんぷおじさんとの

 かけあいが続いたがイーサンは、結局

 返却拒否されそのまま戦闘になんの役にも立たないパンツを

 握りしめゲートから元の町へと戻る。

 

「えー、ギルドの規約では風俗業は厳禁です」転生者殺しの

 事務に例のごとく業務報告を行うとさっそく否定的な言葉を投げかけれられる。

「いや、だから無理やり渡されたんですて」

「切り抜きにされて動画がUPされてますよ」イーサンが、パンツをもらう部分だけ

 切り抜かれている動画を見せさせられる。

「まじかよ…え? 三十万回?!」イーサンは、少し喜ぶ。

「やっぱ転生者狩りは頭おかしいやつらしかいない」

「こいつを探して殺そうぜ!」アンチのコメントでコメント欄があふれかえる。

「いいですか。炎上しないようにお願いしますね」

「わ・わかりました」イーサンは、わざとらしくまじめな表情をする。

「では、こちらが次の案件になります」

「はい」


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