2 現在

「は?」大精霊三体が融合して最強の大精霊が現れる。

「死の創撃!」ホーリーナイトが大精霊の

 攻撃で一瞬で葬り去られる。

「そんな…」召喚士がその場で崩れ落ちる。

「ありがとう。僕とまとも戦闘がおこなえたのは君が

 初めてだよ。ずっと負けたことがなくて

 悩んでいたんだ」カリソンが手を差し出す。


「ん? ああ君か」カリソンの手をイーサンが握る。

「お前が洗脳している大精霊を返してもらう」

「なにをいってるんだ? どういう噂されているかわからないけど、

 実は、昔大精霊を救ったら勝手についてきたんだよ」

「はい、私が困っていたらカリソン様が救ってくれたんです」

「いや、無茶な嘘ですね。そもそも大精霊が追いつめられることなんて

 ありえないでしょ」

「そうか、話ても分からないみたいだね 死の創撃! ん? どうした?」

「洗脳が解けたみたいですね」

「は?!」

「私もろくでもない男に捕まったものね」大精霊が元の三体に分裂する。

「カミラ! 僕の声が届かないのか!?」

「気持ちわるいからその名前呼ばないでくれる!」

「貴様! 何をした!」イーサンに敵意が向かう。

「お前の習性を利用させてもらったよ。妖精にベタベタ

 触るからな。縮小の魔法でお前の洗脳の呪文の効力を

 最小化させてもらった」

「説明になってないぞ!」

「お前の大好きな生体伝達に縮小の魔法を組み合わせたんだよ」

「なぜそんなことが…」

「俺には万能職ってのがあってな。複数の魔法やアイテムを

 自由自在に組み合わせられるんだよ」

「クソが!」慌ててカリソンが逃げ出す。


「あら、ずいぶんなめららてたものですね。大精霊は

 天候大地を支配するけんぞくどこまで逃げても無駄というのに 死の創撃!」

 天からの攻撃がカリンソに襲い掛かる。

「ったく、手のかかるやつだな」イーサンが、大精霊に

 潜り込ませた生体伝達に、幻影の魔術式を起動させ

 カリンソに攻撃が命中する幻影を見せる。

一命をとりとめたカリンソは、異世界の片隅へと逃げていった。


「おみごとでした。あのもしよければ私たちを使役してみませんか?」

 大精霊がイーサンに問いかける。

「え?」

「あなたならついてきます」

「いや、いいです。それじゃあカリンソと同じになってしまいます」

「いいですから遠慮ならずに」

「いや、いいです」なんとかクエストをこなすことに成功した。


「はい」妖精協会からもらった印付きの書類を見せる。

「素晴らしいよく生きてましたね」転生者殺しのギルドの

 メンバーは、驚いていた。

「次のクエストをくれないか」

「そうね。分かったじゃあこんどは、このクエストをお願い」

イーサンは、街のゲートをくぐり目的地へと向かう。

 

「あなたが…」こいつも死ぬのかそいった同情目がイーサンに向けられる。

「どなたですかね」イーサンの前の前の

 王宮の闘技場には、二人の剣士が対峙していた。

「すぐにわかりますよ」

「キンキンキンキン」

「キンキンキンキン」

「キンキキキッキン!」轟音と爆風が闘技場を包む。

 目をあけると一人の剣士が倒れており、もう一人の剣士が頭をかいていた。


「強い剣士ですね。王宮の騎士ですか?」イーサンが、今回の依頼主の

 剣士に尋ねる。

「ええ、正確には王宮の騎士を乗っ取ったですね」

「え?! どいいうことです?」

「我々は、霊竜騎士団は、由緒ある王宮直属の騎士団でした

 しかし、ある日あのカインという剣士が現れみな

 有力な騎士がみな破れ乗っ取られてしまったのです」

「そうですか…」イーサンは、内心仕方ないなと思ってしまった。

 弱い騎士より強い騎士の方が王宮のためになるだろう。

「さまざな方がこのクエストに挑戦してくれたのですが、

 みな亡くなられています」

「分かりました引き受けましょう」

「そうですかありがとうございます。気を付けてくださいよ

 彼の攻撃は、声帯によるものです」

「はい?」

「さっきのキンキンという音聞かれましたよね」

「ええ」

「実は、あれ剣のぶつかる音ではなく。どうやらカインという

 男が喉から出してる音らしいです」

「は? あ~なるほどチーターが正当な騎士団を

 名乗り始めたので追い出してほしいいと」

「はい…なさけない話ですが…あのキンキンキンと

 いう音声から生まれる波動がすさまじく剣を交える前に

 みな吹き飛ばされやれてしまうのです」

「剣術がすぐれてるわけではなく、キンキンキン音で

 敵を吹き飛ばしているだけと」

「ええ…このままでは、霊龍騎士団がキンキン騎士団になってしまいます」

「そうですか…」老齢の騎士団長がしんみょうなおももちではなしているにもかかわらず笑いをこらえるのに必死だった。


「こちらへ」

「はい…」イーサンは、 霊龍騎士団の本部に通された。壁には、歴代の騎士団長の肖像が

かざれられていた。みな老齢の騎士たちだった。

「ボニア王国へ飛来した霊龍たちを騎士団は、迎え撃ちこの王国は守られた人々は彼らのこうせきをたたえ」しょうぞうがの下にはこの国と霊龍騎士団のせつめいが書かれていた。

「この国は、霊龍ともに歴史を刻んできました」

「そうなんですね。これが…」しょうぞうがが突然若くなる。

「はい、これがさっきのキンキン騎士団長です」

「ボニア王国へ飛来した霊龍に英雄カインは、立ち向かいキンキンキンして

 そして激戦のすえキンキンそのたたかいを称え人々はキンキンキン…」意味不明の説明になっていた。

「実は、今年に入ってから霊龍が飛来しなくなったのです」

「え? よかったじゃないですか」

「それが、国王から霊龍騎士団の削減の話がでていまして」

「つまり霊龍のきょういにさられなくなったら必要ないと」

「はい…」

「あまりきれいな仕事とはいえなさそうですね…」

「はい…なさけない依頼ですが」

「わかりました。なんとかしましょうキンキン太郎の方がはるかにきたないですしね」


「来てくれたんですね」決闘上に呼び出すとカインは呼び出しにすなおに応じてくれた。

「こんな戦いもう終わりにしたいんですがね」

「きぐうですね我々もこの国から退出ねがいたんです」

「じゃあエミールを開放してあげてくださいそうすればこの国をから去ります」

上品な騎士の甲冑をきた美しい女性が姿を見せる。

「エミール様! お気を確かに」イーサンが鑑定スキルを使うまでもなく

 洗脳されいるようだった。

「彼女はいったい?」カインとたいじするイーサンがたずねる。

「彼女は王子の次期結婚相手です」

「私は、彼についていきます」エミールは、主張する。

「彼のどこがよかったんだ?」

「剣術です。ほんとに見たことないぐらい強かったんで」

「彼に剣術の能力はないよ。彼の攻撃は音声の波動によるもで

 剣術ではないよ」

「どういう意味?」

「エミールこんなやつらのいうことまともに相手にする必要ないよ」

「こいう言う意味だよキンキンキン」イーサンは、

 キンキンといいながら剣を適当に振り回す。

「ずいぶんとあおってくるね。どうやらここで僕の剣術を

 見てもらうまではわからないみたいだね」

「みなくても分かるさ鑑定スキルで見せてもらったよ

 君には、剣術の能力が存在しない」

「ははは、そうか一度僕の剣術をみないとわからないみたいだね」

「じゃあ見せてもらおうか!」

「キンキンキンキン!」カインは大声で叫びながら

 剣を振り回す。剣げきはまったくかすりもしないが

 音声の波動がイーサンを襲い吹き飛ばす。

「これがキンキン太郎か…」

「この辺にしておいてやろうか」

「みたでしょ剣術ではなくただけキンキン言ってるだけだって」

「まだ言うんですか残念ですね」

「キンキンキン!」波動が響き渡る。

「反射! 乱反射!」反射スキルで波動をはじき返し

 それを乱反射で増幅させてカインに波動を送り返す。

「貴様! 一体?」自分のキンキンを受けてボロボロになった

 カインが横たわる。

「全部すっかりキンキンを返却させていただいただけだよ

騎士団長の階級を返却してもらえますね」

「なんの能力だ」

「初歩的な反射に乱反射を組み合わせただけだよ」

「わけのわからいスキルを使いやがって ほらよ」団長の

バッチを投げ捨てる。

「ありがとうございました」騎士団長からお礼される。

「いえ、これで契約満了ということで」


「すごいわね。二回連続でにんむ達成ね」転生者狩りギルドの事務担当

 カロリーネと食事屋で会う。

「なんとかなりました」

「今月だけですでに三人がこのギルドから去ったなんだけど

 じゃあ次はこの注文書をお願い」

「白雪姫…」


「あ、こんにちは…」ゲートでワープして目的の薄暗い森の薄暗い

 小屋へとイーサンは、尋ねる。

「どなた」きつい声が返ってくる。

「あの注文書いただきまして」

「あなたが転生者狩り?」

「はい」

「白雪姫を殺してくれるの?」

「まあ殺しますよ」

 

「こんにちは」マップのピンを頼りに白雪姫の小屋までたどり着く。

「どなたですか?」ドワーフが扉から姿を出す。

「あのすいませんこちらのりんごいかかですか?」

「いくらですか?」

「銅貨三百でどうです」

「いや…ちょっと高いですね…ごめんなさい」

「ちょっと! 待ってください!」イーサンが、扉の間に体をはさむ。

「なんですか」

「実は、このリンゴ特殊なアイテムで食べると目的地まで

 迷いなくその人を導くことができるのです」

「ほんとですか!」白雪姫が姿を現す。

「あ、はい」

「よかった~携帯も全然使えなくなってもう

 どうしようもなくなって途方にくれてたんです」白雪姫には、

 幽閉の呪文がかけれていた。イーサンは、鑑定で見破る。

 迷っているというより幽閉の呪文により

 この森から出られないようだった。そして

 携帯、あからさまな転生者だった。

「そうですか大変でしたねこれ便利ですよ」

「ありがとうございます」

「じゃあ! さっそくいただきます!」

「ちょっと待って!」

「少し置いてから食べたほうが効き目がありますから」

「そうですか…」

「じゃ!」

「お金!」イーサンは、そそくさとその場を立ち去る。


「どうでした?」王妃が戻ったイーサンに尋ねる。

「いや、少し時間をください」

「いいわ今すぐというわけではないのね。りんごは、

 しっかりわたせたんでしょうね」

「ええ、確かに」


「もういいかしら」時間をおいてから王妃が魔法の鏡に尋ねる。

「いいと思います」イーサンが答える。

「いいわね! 素晴らしい」鏡にはちょうどリンゴたべて

 その場に倒れこむ白雪姫の姿が写しだされていた。

「これで、任務完了ということで」

「ありがと、魔術印押すわねじゃあこれでさようならね」注文書に印が入る。


「いや、これからが本番だ」イーサンは、小屋を出た後大きく息を吐く。

 魔術印が押された後注文書からは、隠し文字が浮かびあがる

 それは、王妃を生きて救いだすこと…。注文書と共に

 仕様書をイーサンは、渡されていた。

「ひどい末路ださあ…どうしたものか…」

 意気揚々と王宮に向かう王妃の後ろ姿を見送る。


「王子! 右奥です!」森の中でゴーレム狩りを王子たちは、していた。

「まかせろ!」王子は、奥へとドラゴンと共に向かう。

「クッソ見失ったか」ゴーレムは突然バラバラになる。

「これは…」家臣の魔術師がゴーレムの破片を拾う。

「魔法陣…」

「罠か!」イーサンが仕掛けた魔法陣だった。

 ゴーレムにより王子を誘導した。

 

「なんだ! 貴様ら!」王子は、目の前で女性にたかる

 ドワーフ七匹を見つけ剣を抜く。

「違います」棺に入った白雪姫を見て王子が勘違いする。

「その姿! まさか!」王子の幼き日の記憶に白雪姫の姿がよみがえる。

「しかたあるまい」剣を抜く王子に仕方なくドワーフも斧を構える。

「ん!」先ほど崩れたゴーレムの破片から激しい光が放たれる。


「え!?」イーサンがりんごに仕掛けた魔術、催眠を

 ゴーレムに仕掛けた魔法陣で解除し白雪姫を起こす。

「姫!」

「みんな? どうしたの?」

「お知り合いですか?」

「ええ」口を開けてドワーフと王子が見つめあう。


「諸君良く集まってくれた!」王宮最大の間に家臣や貴族が集められ

 王子が演説を始める。

「本日は、みなに話がある私の妻を紹介する」会場がざわつく。

白雪姫が姿を現す。

「おお! お美しい!」会場の貴族たちが次々に絶賛する。

「そして今日は、余興として王妃カロリーナが踊ってくれます」

 王妃カリーナが、王宮の間に姿を現す。

「では、これをどうぞ」魔術師が真っ赤な靴を差し出す。あからさまな

 魔法陣が入っていた。魔法陣は、灼熱火炎地獄。ただの熱いくつでは

 話がすまないはけば即火だるまであの世行だった。

「ありがとうございます」カロリーナは、躊躇なく靴を履こうとする。


「あのバカまさか最初から死ぬつもりで」王宮にイーサンも駆けつけていた。

 

カロリーナは、華やかなシャンデリアを眺める。

「今思えば、現実世界でも何も華のない人生だった。そして

 せっかく人生をやりなやりなおそうと転生したのにこのせかいでも

 悪役、白雪姫幸せにね」カロリーナは、心中で何一ついいことのなかった

 現実世界の人生と異世界での日々を振り返り、頬に一筋の涙を流す。

「では、王子私の舞お見せいたします」カロリーナが礼儀ただしくお辞儀をする。

 

「では、私がお相手いたしましょう」イーサンが、名乗り出る。イーサンは、

 ドワーフから招待状をもらっていた。

 もちろん、毒リンゴ渡した張本人として暗殺するために。

「喜んで」


「なんで来たのよあんた馬鹿なの? 殺されるわよ」小声でイーサンに

王妃が耳打ちする。

「それは、こっちのセリフだここにこれば殺されこと分かってただろ」

「いいのよもう。少しだけ王妃になれたし」

「すまないが任務だ。もう少し生きてもらう」

 

「ハハハハ!」すぐに王妃とイーサンが火に包まれる。

「キャー!」

「なんだ!」大声で笑う王子と対照的に会場から悲鳴があがる。

「このものたちは、あろうことかこの白雪姫様を暗殺しようとした大罪人!」

「よってこの場で火刑を執行する! 乾杯!」王子が乾杯の音頭をとる。

「乾杯!」会場からも乾杯の声がこだまする。


「拡大 消失!」イーサンが、火炎に拡大の魔法をかけ延焼をさせ火を建物全体までひろげ、

 消失により自らと王妃の姿を消す。


「ちょっとどういうつもり?」かくれがの小屋まで戻ったカロリーナが

 イーサンにかみつく。

「それは、こっちのセリフだバットエンドになるって分ててそのまま

 死ににいくとか無茶苦茶すぎるだろ」

「有難迷惑よこれからどうするのよ」

「そりゃこの国から出るしかないな」

「出るしかないって。まあいいはそうするしかないわね」

「何やってるんだ? 早くでないと追ってがくるぞ」

「準備に決まってるでしょ」カロリーナは、アイテムボックスに

 小屋のものを詰め始めた。

「ほーそれが魔法の鏡か…」

「本物は初めて?」

「そりゃな」

「ガッシャン!」

「ちょっと!」

「はい終了」

「あんた馬鹿なの? この世界で魔法の鏡割るとか?!」

「はい、これプレゼント」

「何これ?」

「ただの鏡」

「は?!」

「このチートまみれの世界でただの鏡は貴重だろ?」

「まあここまで来たら鏡なんてなんの意味もないしどうでもいいわ…」

 カロリーナがただの鏡を見て固まる。

「とんでもないチーターみたいだな」

「白雪姫…」ただの鏡に写っていたのは、醜い魔女ではなく

 白雪姫だった。

「お前がやったんじゃないの?」

「嘘でしょ…もっと早く気づいていれば…」カロリーナがその場に崩れ落ちる。

「チートに頼りすぎて大切なものを見失ってたみたいだな。ここでうずくまったまま

 死ぬのを待つか?」

「今更どうすればいいのよ」

「とにかくここから逃げるしかないだろ」

「もう、とっくに注文書の内容は終わったんじゃないの?」

「こっから先はサービス残業だ」

 

「すまないがここで死んでもらう」あっという間に追ってのドワーフたちに

 追いつかれてしまう。

「ということだご苦労さん」

「ええ、もう十分よ…え? そうあなたも…そのもそも転生者狩りギルドなんだから

 当然よね」イーサンが、アイテムの剣を抜きドワーフたち共に

 カロリーナに敵対する。

「悪く思わないでくれ依頼主の命令は絶対なんでね」イーサンが

 カロリーナを切り殺す。

「大丈夫ですか?」

「え?」

「王子?!」カロリーナは、魔法のバリアにより守られていた。

 そしてその魔法を放った男は、王子と呼ばれていた。

「誰だ?!」

「ゴーレム狩りをしていたら偶然ね」胸につけていつ勲章は、

 隣国のものだった。

「これがお前のチート能力か? こうやって自由に王子を呼び出せるわけか」

「ちょっと?! 待ってほんとにわたし何も知らない」

 カロリーナが想定外だらけのことでこまりはてる。

「どうでもいけど、君たちには消えてもらうよ。 魔玉閃光弾!」

 上位魔法の前になすすべもなくドワーフとイーサンたちは、血祭になる。

「クソこままでは死んでしまう」イーサンは、血だらけになりながら

 その場を去っていく。

「王子どうされます」家臣の騎士が尋ねる。

「ここは、国境地帯これ以上ここで戦闘を行えば紛争になりかねない

 深追いはやめよう ご無事ですか?」

「え?」カロリーナは、呆然とする。

「すいません襲われていたようでしたので思わず、魔法を」

「あ…はい」

「もしよければ、王宮までこられませんか?」

「え? え? ちょっと?!」


「ふー 速度倍加、蘇生」深手追ったイーサンが自己蘇生をこなう。

 初期蘇生魔法の蘇生と倍加魔法を組み合わせる。

「ありがとうございました」同じく深手をおったドワーフが

 イーサンにお礼をする。

「ほんとうにあの男で間違いなんだな」

「ええ、白雪姫様からは、あの位置へと誘導するようにと」

 白雪姫が同じ転生であるカロリーナを気遣い仕組んだ罠だった。

「そうかならよかった」イーサンは、ドワーフにも蘇生をかける。

 

「と、言う話で二人はめでたしめでたしということで」

 

 「で、勝手に契約外の業務をやったと?」転生者狩りギルドの事務担当

 から怒れる。

「いや、なりゆきで」

「はあ…まあいいですサービス残業はうちは禁止ですがらね」

「ええ」

「では、こちらの注文書が次の任務になります」

「はあ、これ」


「学校?」イーサンは、注文書に書かれている目的地にゲートを通じて

 たどり着く。

「おお、お待ちしてましたぞ。ささ」校長室へと通される。

「はじめまして」

「いや、まさか来てくれるとは…」

「え?」

「いや、なんでもありません」

「で、この内容なのですが」

「まあ百聞は一見にしかず直接見られた方がはやいかと」


「では、スキル鑑定測定を行う」授業の一環で

 生徒たちのスキルの測定を行う。

「ドン!」的に向けて生徒たちが、思い思いの

 攻撃をしかける。

「平和ですね」外れる者もいれば、当てる者ある。

 なん変哲もない授業の能力測定だった。

「空気圧!」

「バン!」

「パラパラ…」魔力で補強されいる頑丈なはずの的が

吹き飛ばされ粉々に飛び散る。

「は?」

「おい、的を吹き飛ばしたら次の生徒ができないじゃないか」

「すいません」とある生徒が謝る。

「あの生徒ですか?」イーサンが尋ねる。

「ええ、ただそれだけではすまないんですよ」

「空気圧!」

「バン!」

「パラパラ…」作り直した的がまた吹き飛ばされれ

 宙に舞う。

「え? また?」


「ごらんのとおりです」

「どいうことでしょうか?」

「実は、さきほどの彼は前世が賢者だったと主張しているのです」

 校長が説明をする。

「はあ? 賢者ですか」

「そして日々の授業で実力も見ているですが

 確かにかなり強くてもはや授業が必要がないレベルです」

「はあ…そうですか」

「で、問題はここからなんです。ここ最近この学校に入学する生徒に

 前世が賢者、大聖女、魔王だっと自称する異様につよい生徒が

 激増しているんです」

「いいことなんじゃないんですかね学校的は、名門校になれて」

「ドンッ!」校長が机をたたく。

「からかわないでください」

「す、すいません…」

「実は、王国からこの学校の閉校を依頼されているのです」

「え?」

「先生! 大変です!」校長室に先生が飛び込んでくる。

「またか…」


「おい! 止めろ!」後者の屋上から一人の女子生徒が飛び降りようとしていた。

「止めるわけないでしょ! 私は生まれ変わるの!」生徒は、まんべんの笑みで一切の

 不安や恐怖というのが読み取れなかった。

「やめなさい! 死んではダメだ!」校長や先生たちが口々に叫ぶ。

「さっ」ちゅうちょなく屋上から飛び降りる。

「キャッー」

「強化、蜘蛛の導き」イーサンは、瞬時に魔法を詠唱する。

「ピーン」

「ブラーン」

「キャッー!」飛び降りた少女が宙づりになる。

 

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