4 現在

「は? いやなんだこれ?」いつもどおり、クエスト内容の

書かれた注文書を頼りにゲートから目的地にワープする。

しかし、そこには何もなかった。

「誰かいますかー?」真っ白な世界。

「あなたは誰?」

「いや、お前が誰だよ」真っ白な世界から声だけが返ってくる。

「私は、あなた」

「は? ここはどこだよ」

「ここは争いのない世界」

「は?」

「あなたは、私であなたは私、この世界では、

 全てが一つで一つが全て」

「いや、意味が分からないんだが」

「意味などいらない、意味などあるから苦しみが生まれ

 争いが生まれる全ては空白で一つでいい」

「いや、それじゃあだめだ」

「あなたは争いを望むの?」

「いや、すくなともこんな真っ白で何もない世界はごめんだね」

「なぜ」

「クエストが前に進まないからだよ」

「そう…そのせいであなた自身が苦しむとしても?」

「ああ…ん!」目の前に全裸の女性が現れた。

「女性が目の前にいて辛くない」

「いや、むしろハッピーなんだが」

「ほんとうに?」

「ああ」

「女性がいるから性別があるからあなたは、異世界に

 逃げてきたんじゃない?」

「お前いったい何者なんだ?」イーサンは、眉間にしわ寄せる。

「私は、あたなを苦しめる存在、そしてあなたが望んだ存在」

「そうか、それでもこの世界は終わらせてもらう」


「バリバリ」都会の空中に浮いている巨大なハートにヒビが入っていく。

「ブシュー」ヒビから液体がこぼれる。

「バンッ!」ハートが真っ二つになり巨大なメカ蒼炎の帝王が姿を現す。

「なんだこのクエストやばそうだなこれ」

「ドーン」

 ハートから飛び降りた蒼炎の皇帝が地面に着地する。ハートは、

 激しいせんこうとともに大爆発する。

「まったくといていいぐらいに体を使ってないはずだけど

 無茶苦茶しんどいな。それにしてこの世界なんだ…まるで東京…」

イーサンは、メカのコックピットから東京とそっくりの世界を眺める。


「お疲れ様」巨大なメカからイーサンは、降りる。イーサンは、

 指示にしたがい巨大なゲートの中にメカを格納した。

「あ、どうも」

「あなたが、転生者ね 私は、カミラ。ようこそ仏滅騎士団へ」美人の

 お姉さんが手を差し出す。

「転生者殺しのギルドから来ましたイーサンです」

「ようこそ」

「で、依頼の内容ですが…」

「まじめねぇ」カミラにため息をつかれる。

「いや、でもあまりにも異様なクエストなんで…」

「まあいいわは。私たちは、原始創生学会という組織と闘っているの

 その組織がやろうとしていることを止めようとあなたを賢者の鍵でよびだしたの」

「で、何をやろうと?」

「あなたさっき見なかったの?」

「え?」

「世界を滅ぼすことよ」

「え…」

「まあ、厳密にはさっきあなたが体験した世界は、滅んだ世界ではないけどね

 この世界から争いと不幸をなくすことを目的に動いていて

 この世界から全てを消滅させ魂だけを残しそのたましいを全て融合させ

 物質をなくす計画を立てているのそれをあたなに止めてほしいわけ」

「え~ん?」

「ようは、生身の人間や生命はすべて滅ぼして魂だけの存在になるってこと」

「それをやろうとしている組織を止めてほしいと」

「ええ」

「で、どうすればいいんですか」

「さっき戦ってくれたのが転生神なんだけと

 その転生神をすべて倒してくれれば

 任務完了となります」


「へー、あんたが転生者がりをしている

 転生者ね」声のしたほうを振り返ると

 そこには、人気Vtuberの「外」の人

租界そらりがいた。

「そらり?!」

「へー私のことしってるの無理もないわね

 国内人気ナンバーワンアイドルVtuber

だこらね」

「はー、ナンバーワンだかなんだか

 しらないけど大破した機体はどうして

 くれるの」転生神との戦いでそらりの

 機体は大破し顔の部分だけ外れて

 落ちていた。

「あれは! 本気だしてなかったのよ!

 本気を出せばあんな敵いちころで

 倒せるわよ!」

「あれだけ必死だったのに」

「うりゃーどりゃあああ」配信中なの

 だろうか小鳥とよばれるファンたちが

 たちがそらりのことを煽る。

「正直私はあなたのことよくしらないけど

 ほんとにお願いね」

「まかせときなさい!」

 

「今夜は、ここですごして」そらりとイーサンは、マンションの一室に案内される。

 イーサンとそらりは、別の別の部屋を与えられる。

 イーサンは、マンションのベランダに出て夜景を眺める。

「久しぶりの日本の風景だな…」綺麗な都会の夜景に今間で過ごしてきた

 日本ので思い出がよみがえってくる。

「なーに、浸ってるの」

「え!?」そらりが、部屋の中に勝手に侵入してくる。

「そんなに喜ばなくても」

「え?!」

「安心して今は、配信中じゃないはよ。プライベートの時間」

「いや、そういう意味じゃなくて…」下着姿のそらるが唐突に現れ

 目のやり場に困り困惑する。

「あーあまりのエッチさに興奮してるな!」

「あ、はあ」

「現実世界が懐かしいの?」

「まあそりゃ」

「戻ってきたい?」

「絶対に嫌だな」

「え~、なんで?」

「そりゃ辛いからにきまってるじゃん。もうあんな日々まっぴらごめんだは」

「明日頑張ろうね」

「ああ。転生神をぶっとばしてこの世界とはおさらばだ」

「転生神を倒したら元の世界に帰るの?」

「え? さいびしいのか?」

「そんなわけなでしょ!」そらるが照れる。

「だろうな。お前は日本でも人気あるVtube様、かたや俺は、

 現実世界から逃げてきた弱者男性俺のことなんて興味ないはな」

「はーっ」ため息をついたそらるが、唐突にイーサンにキスをする。

「え!?」突然のことにイーサンが固まる。

「そういうシナリオだったでしょ」イーサンにも覚えがあった。この

 シナリオは、有名なロボットアニメ作品とそっくりな展開だった。

「あ、この続きをするつもりなら。配信始めるから」そらるは、嫌みのない

 感じでけん制をいれる。


「おはよう。ちょっとは仲良くなれた?」イーサンは、朝食をカミラ、そらると共にとることなる。

「え? ええまあ」

「部屋で何してたの?」

「え?!」

「ちょっ!」二人とも不意を吹かれ無言になる。

「え? 二人ですごしてたの? ごめんなさい適当に言っただけなんだけど…」

「いやちょっとどうやって転生神を倒すか作戦を立ててたところよ」

「へー勉強熱心ね。まあこれ以上追及することはしないは」


「三番目の転生神ね」イーサンは、蒼炎の皇帝の機体の中でカミラの無線を聞く。

「さーちゃっちゃとやっちゃいましょ!」白銀の皇帝の機体に乗っているそらるは、自信満々だった。

「フラグ」配信中でリスナーからの突っ込みが入る。

「完全にフラグ」

「うっさいわね! 今回は完璧なんだから」

「じゃあ作戦を説明するわね」カミラが説明を始める。

「作戦なんていらないわよ」

「フラグ」

「ざわ…ざわ…」リスナーたちが煽りまくる。

「今回戦う転生神は、三番目。転生神が五体そろうとこの世界は、

 リセットされるそのためにもなんとしても三番目の転生神を倒してほしいの

 今回は、二人の機体に全ての武器を装備したはどの武器を使うは自由

 ただ必ず二人同時攻撃すること威力が弱まらないように気を付けて」

「転生神は、あと何体いるんですか?」イーサンが尋ねる。

「本当はあと二体いるはずなんだけどその二体は封印に成功してるの

 だから後は、この三番目を倒せば実質終わりね」

「じゃあさっさとやっちゃいましょ」

「そうだな結局戦うしかないわけだし行くぞ!」都会のど真ん中を

 ビルと同じ大きさの機体が地鳴りと共に三番目の転生神源空に

 向かっていく。

 

 そらりの機体は、レーザーの出る小銃を転生神に撃ちまくる。

 転生神は、レーザーを吸収し街へと放出していく。

 ビルが一瞬で溶けていく。

「町が!」そらるが攻撃を躊躇する。

「そのまま続けて!」カミラが指令所から支持を出す。

「だって町が! 攻撃できないよ!」そらるが反論する。

「あなたが死ぬわよ!」水滴の波紋のような姿をした転生神が

 どんどん近づいてくる。

「じゃあ直接行くだけだろ」イーサンの機体は、禍の黒剣をかかげ

 転生神に突進していく。

「あー! タスケテー!」そらるの機体が波紋の中にすこまれていく。

「おい! BABAが読んでるぞ」そらりの配信視聴者たちがイーサンを

 あおっていく。

「助けれてやれよ!」

「なんでお前ら投げやりなんだよ!」そらるもコメントに反論する。

「あー、やるよやるよ!」イーサンも投げやりになりながらも

 黒剣を振りかざし、波紋を切り裂きそらりを救い出す。

「きたー!」

「やった!」配信のコメントが沸く。

「ありがとう…」そらりが感情をこめてイーサンにお礼をする。

「わざとだな」配信のコメントでそらるのことを馬鹿にする。

「演技だろ」

「弱すぎだろ」

「うっさいな! ほんとに強いんだから仕方ないだろ!」そらるが逆切れする。

「あ…」今度はイーサンの体が転生神の中に吸い込まれていく。

「イーサン!」」そらりの機体が手を伸ばした時には、すでにイーサンの機体は姿が見えなくなっていた。


「ここは…」床は、真夏の青空、空には満月、イーサンは、ベンチに座っていた。

「お兄さんどこに行くの?」隣に据わっていた白のワンピース姿の幼女に

 話しかけられる。

「そうだ戻らなきゃ」

「どこに?」

「いや、転生神を殺さないと!」

「殺したらどうなるの?」

「殺したら街を救うことができる」

「街を救ってなにかいいことあるの?」

「え? それは…」

「現実世界に戻りたいの?」

「いや…戻りたくない」

「じゃあなんで街を救うの?」

「それは…」

「異世界で生活したいのになぜ、異世界転生者を憎むの?」

「ギルドの任務が転生者狩りなんだから仕方ないだろ」

「あなたは? 転生者じゃないの?」

「さあね。そんなことどうでもいいだろ。

 転生者が悪いだからぶっとばすだけだよ」

「じゃああなたはなんで異世界に来たの?」

「現実世界がクソだからだよ。だからといって

 異世界を自分の都合のよいよいに勝ってに改変していい理由には

 ならないだろ」

「じゃああなたは、ハーレムもチートも無双もいらないの?」

「ああ、少なくとも異世界の秩序を破壊してまで願いをかなえたいとは

 思わないな」

「それは、偽善じゃない? あなたもチートじゃないの?」

「そうだよ! 俺は偽善者だよ! 転生者と同じことをしているくせに

 転生者狩りをやっている。そうだよ偽善者だよだからなんだ!

 さあくだらない問答はおしまいだ。この世界から出してもらおうか」

「私と一緒にならない?」突然幼女が迫ってくる。

「すまない。ギルドから止められていてね」

「正直なったらどう? なんでも言うことを聞いていくれる奴隷少女が

 ほしいんでしょ? 悪役に襲われている少女の叫び声が聞きたいんでしょ?」

 幼女がささやく。

「大正解」イーサンんが笑顔で拍手を送る。

「さあ思い描いてこの世界はあなたの思うがままよ そうじゃあ

 あなたにハズレスキルを付与してげるは」

「嬉しいな」

「クラフターよ。これでなんでもあなたは造ることができる

 攻撃はできないけど」

「じゃあそろそろ帰らしてもらうよ」

「誰か大切な人でも待ってるの?」

「いっや全く、あいにく童貞でね」

「じゃあ思い描いてあなたに都合のいい世界を

 どんな敵でも倒せる無敵のスキルとあなたのことを無条件で好きになってくれる

 女の子のことを」

「あ~ダメだ」

「何が!」

「いくら頑張ってもつまらない物語しか思い浮かばないは、

 無敵のスキルの転生者をぶっとばす世界しか思い描けないすまないな

 つまらない物語しか描けなくて」

「何言ってるの!」幼女の怒気が増す。

「もうこれ以上俺のつまらない物語なんか見たくないだろ。

 クラフト+逆転」

「何をする!」世界が崩れていく。構築のスキルを逆転させ

 世界の破壊を行う。


「イーサン! 大丈夫?!」波紋もぶち破って水しぶきと共にイーサンの機体が地上に降り立つ

 そらりが心配して機体から無線で連絡を取る。

「心配しなくてもいいよ。異世界に来た時点もうすでにぶっ壊れているからな」

「二人ともよくやったは! 反応が消えたは作戦成功よ!」

「新たに二体転生神出現!」指令所からの連絡が入る。

「え?! まだいるの?!」

「これで最後よ!」街に二体の転生神 偽神メム、堕天使ロダが降り立つ。

 夕暮れに四体の巨人がそびえる。

「武器よ! 受け取って!」アイテムボックスにいつの間にか

 自動小銃アルマス・ジャベリンが追加されていた。

「行くよ!」そらるアルマス・ジャベリンを装備してロダに向けて撃ちまくる。

 ロダは、被弾して爆発に包まれる。イーサンもメムに向けて撃ちまくる。

 薬莢が街のアスファルトに落下していく。重さから薬きょうはアスファルトに

 突き刺さる。ロダが巨大な爆発に包まれ雲を突き抜ける。

 ロダの肉体が裂け肉片が砕けて飛び散り血の雨が降り街に血の

 川ができる。

「よっわ一撃じゃん!」

「気をつけて! まだメムの反応が残っているは!」

 緊張したカミラの指示が入る。爆破が晴れた後から偽神メムの姿が現れる。

「不死身なの!?」そらるが驚くのも無理なかった。自動車ほど大きさの

 弾丸を何発も撃ち込んだにもかかわらず死んでいなかったからだ。

 メムの皮膚は裂け胸骨と内臓が露出していた。胸骨が、

 上下に動き息をしていた。

「バリバリ…」メムがロダの死骸が食べ始める。

「体内にロダを取り込んでいます」指令所の監視官が連絡を入れる。

「二人とも攻撃を続けて!」カミラが指示を出す。

 メムが捕食により強化される前になんとして処理しておきたかった。

 イーサンとそらるは引き続き攻撃を続ける。メムの体に弾丸が撃ち込まれる。

 しかし、すでに手遅れだった。

「ちょっと!」爆破の中からメムが飛び出しそらるの機体にとびかかってくる。

「そらる! は!?」なぜか、イーサンの方にもメムが飛びかっかてくる。

「生体反応増殖! 四体! 五体! 増え続けています!」指令所の

 オペレーターが報告する。

「バキキキ…」メムがそらるの機体の首元にかみつく。

「ああああああ!」そらるの悲鳴が響く。

「そらる! クッソ!」イーサンは、黒剣でメムを何度も突き刺し

 殺す。しかし、すぐに増殖したメムがとびかかてくる。

 そらるもイーサンも全く身動きが取れない状態だった。

「アタマサゲクダ」

「え?」回線に全く聞き覚えない片言の日本語が割り込んでくる。

 イーサンは、反射的に頭を下げる。

「バンッ!」メムの頭に弾丸が当たり破裂する。

「ダイジョウブデシュカ」見たことない機体が現れる。

「ミロスを加勢させたは! 協力して!」カミラからの指示が飛んでくる。

「ちょっと! 死ぬ!」

「バン!」ミロスが遠距離用の銃グレイルを完璧なエイムで

 そらるの機体に張り付いているメムに弾丸を叩き込む。

「嘘!? 一発?!」離れた位置から一発でメムを仕留めた。

 無茶苦茶なエイムで何発を乱射していたイーサンと

 そらるには信じられなかった。

「チョットカズオオイデスネアシドメデキレバ」

 完璧なエイムのミロスをもってしても猛スピードで増殖する

 メムに対応しきれなかった。

「イーサンなんかあしどめできない! この際なんでいいは」

「なんてアバウトな」そらるがカミラの指示にあきれる。

「クラフト+膨張!」イーサンの合成スキルでコンクリの壁を建築して

 メムの足を止める。

「ナイス!」ミロスの機体が巨大な壁をよじ登り壁の上から

 見下ろす形でメロを次々に撃ち殺していく。有利なポジションを

 とり圧倒していく。

「ミロスさん! 後ろ!」

「え!」壁の後ろに回り込んでいたメロにそらるが気づき

 弾丸を乱れ撃ちする。

「分解+縮小」イーサンは、スキル合成で壁を一気に下げメロの攻撃がずれる。

 そのすきにミロスがゼロ距離で弾丸を撃ち込みメロがはじけ飛ぶ。

「二人ともナイスです!」

「ちょっと本気だしちゃったかな!」そらるが空威張りをする。

「カッコイイデス」ミロスが優しく褒める。

「いや、ただのまぐれ」

「むしろクソエイムで足を引っ張ってる」配信を見ていたガヤが

 そらるのことをディスる。

「あんたたちは黙ってればいいの!」そらるが言い返す。

 その後もイーサンが壁や建物を構築分解を繰り返し、

 ミロスをサポートしながらメロと闘い続ける。

「残り一最後の生体反応です!」ついに残り一体になる。

「そらるさん!」ミロスがわざわざ最後の一体をそらるに譲る。

「よっし! うおりゃあああ!」意味もなく野太い声を上げ

 乱れ撃ちをして仕留める。

「ナイス!」

「GG!」結局ミロスが十三killそらるが二killイーサンが3killの

 結果に終わった。

「ソラルサンサイゴグッジョブデス」

「任せといて!」優しいミロスに持ち上げられてソラルが図に乗る。

「あれは、やれて当たり前」

「完全に形だけでワロタ」配信を見ている視聴者から煽られる。

「ミロス! 無双! 500円」スーパーチャットがミロスに送られる。


「二人ともお疲れ様!」機体を指令所に収納し機体から降り

 三人は、中央指令室で顔合わせをする。

「おいおい! まじかよ! ミロス! 本物かよ!」

 顔をみてイーサンが驚く。人気ワルキリーワルツ(WW)の

 プロゲーマーミロスだった。

「初めまして。知ってますか私のこと」

「知ってるに決まってだろ…」片言の日本語にも合点がいった。

 彼は韓国人で日本語は片言しか喋れない。

 


 

「あなたサポート上手ですね。WWに入ってみませんか?」

 イーサンは、WW史上最強のプロゲーマーミロスからの思わぬ誘いに驚く。

「いや、さすがにあんなチームに入るのは自分はふさわしくないと思うんで

 あと、面白いこととか言えないんでコラボとかも無理だと思います」

「そんなことないです。大丈夫です」

「ご・ごめんなさい。仕事の報告しないといけなんで。カミラさん

 じゃあ僕はこれでクエストは完了したので失礼します」カミラが、

 魔術印を押した業務完了書をもってその場からそそくさと逃げ出す。

 冗談じゃないWWなんてたまったもんじゃない。WW現実世界では、

 イベントに一万人を集める巨大ストリーマ&プロゲーマーチームだった。

 そもそもコミュ障の俺に配信やコラボなんてできるわけないだろ。


 喫茶店に入り転生者狩りギルドの事務担当のカロリーネに会う。

「業務完了しました」

「お疲れ様です。だいぶ転生者狩りにも慣れてきましたか?」

「まあ」

「今後の目標などありますか?」

「目標? せっかく現実世界から逃げすことに成功したのですから

 働たらかず生きていければいいですね」いつもドライなカロリーネに

 こんなこと言えばどんな説教が飛んでくるだろうとおびえながらも

 正直に本音を話す。

 

 異世界に転生しても現実世界での仕事のストレスがフラッシュバックしてくる。

 職を転々をしているため

 仕事を辞める時トラブル

 始めるときトラブル

 あ? こっちだって働きたく働いているわけじゃねえんだよ! ボケ!

 文句あるなら金よこせや!

 そしたらこっちだって職場なんて願いさげなんだよボケ!

 なめてんじゃねーぞ! 文句あるなら直接こいや!

 

 

「そうですか? じゃあいっぱい稼がないといけないですね」

「え? ああ」なんか否定さると思ったらあっさり話が続いたのでイーサンは、

 拍子抜けする。

「いい仕事がありますよ」

「これは…」イーサンが、資料に目を通す。

「今までのクエストに比べれば格段に報酬が高いクエストです

 いかがですか?」

 金に目がくらんでしまった。イーサンは、クエストの書かれた

 書類をアイテムボックスに放り込んで。その場を去る。

 ほんと足元ばっか見てくるな…。


 ゲートをくぐり目的地にたどり着く。

 そぼくな、悪く言えばがらの悪い街並みを眺めなが目的地へと向かっていく。

「お兄さん一緒に遊ばない?」

 現実世界なら新大久保辺りにいそうな踊り子に話しかけられうる。

「いや、金ないんで」

「え~安いよ?」

「いや~すいません!」イーサンは、強引にその場を離れる。

「おい! 童貞!」イーサンが去った後に罵倒が返ってくる。

なんだよここクソ治安悪いじゃないか。

 イーサンは、だれにも絡まないように気をつけながら目的地へと

 急いでいく。

 

 目的地の居酒屋に入っていく。

 事前に渡されていた人相図を参考に合流する人を探す。

 しっかし、この人相図大丈夫か…。

 渡された人相図は、洋画でよく見る犯罪者が逮捕されたときに

 とられるような写真みたいただった。

 会いたくねぇ…。でも、金のためだし…。

 うわ…。あいつか…話しかけたくねぇえ。入れ墨を

 の入った露出の激しい赤い目に赤髪の気の強そうな

 筋肉質の女盗賊みたいな女が

 人相図の女だった。

「あのすいません」

「あ? なんだ?」

「傭兵募集されていると聞いたんですが?」

「あ? そうそうかよろしく」女盗賊みたいな女が至近距離から

 まじまじと顔からつま先まで見てくる。

 露出が激しいので谷間が目に入る。

「よし採用!」

「隊長いいのかよ!」そばにいたギルド? メンバーが苦言が呈する。

「じゃあロバンが誰か拾って来いよ」

「そりゃ無茶ってもんですよ。ギルドランクマイナスDのギルドに

 誰もはいりませんよ」

 マイナス? ギルドのランクにマイナスなんてあるのか?

 おいおい、大丈夫かこいつら。ただ、クエストと実行するには、

 このギルドに入らないといえけないらしい。

 マイナス…。嫌な予感がいした。

「じゃあよろしくな私は、ライこの傭兵部隊で隊長をしている

 よろしくな」

「ありがとうございます。よろしくお願いします」ライの周りにいる

 仲間らしき連中を見るが全員見た瞬間気の短さが伝わるような

 面構えだった。その割には装備品は、高価だった。


「いいか! ここで襲ういいな?」地面に簡略の図面を書き部下たちに

 ライは、支持を出す。十人ほどの部下がその話を聞く。

 イーサンは、ライについていき。森の中かまできた。さっそく

 今回がこの傭兵ギルドの最初の任務だった。

 いや、予感しかしない…。

「ひょっとして、強盗ですか?」

「あたりまえだろ。じゃあどうやって金稼ぐんだよ

 この辺りは、王宮が近くにあるから貴族や御用商人が

 良く通るんだよ」ギルドのマイナスランクは、犯罪行為によって

 ついたものだった。クエスト実行のためには、イーサンも

 強盗に参加せざる負えなかった。どのみちクエストの

 内容を実行するには傭兵しかなかった。

 戦争が終わると傭兵は、往々にして犯罪行為で生計を立てていた。

「姉貴!」強盗を実行する地点から離れた地点で見張っていた見張りが、

 急いで報告に来る。

「来たわね!」

「よっし」全員臨戦態勢をとる。

「大変だ。三百の騎兵がこっち迫っている」

「あ? 三百?! ほんとか?!」

「間違いない しかも正規の軍隊だ」

「めんどくさいの引き当ててたな…撤収だ」

「五名来ます!」別の傭兵から連絡が入る。

「五名?!」

「先遣隊か?」

「先遣隊にして少ない気が」

「ライ この際五名だけ襲って今日の飯にしましょうぜ」

「いや、ここでとこずったら残りの三百騎に俺たちがやられてしまうぞ」

「ここのまま手ぶらなんてまっぴらごめんだよ! ビビってるなら

 ととと帰るんだな! 手柄横取りするんじゃあねえぞ!」

「ビビってるだとじゃあこの場でやってやるよ!」

「望むところだかかってこいや!」気の荒い傭兵たちが勝手に喧嘩を始めてしまう。

 みなギルドでもほぼ個人事業主みたいないもんで、

 金に目がくらむと全く統率がとれなかった。協力しているのも

 特別帰属意識がるからでなく犯罪をやりやすいからという理由からだけだった。

「ライどうする?」

「少し襲ってみよう。しかし短時間で」

「短時間ですまなかったら?」

「その時は、逃げる。強要はしない降りてもらってもいいぞ」ライは、笑う。

 結局、ライの意見が決定だになり襲撃で決定となる。


「陛下!」五人の人間が通ると同時に側面から奇襲をしかける。

 こちらは、二十人通りすがりの人たちは、わずかに五人勝利は、

 間違いないもののように感じられた。

「おい! こいつ! 英霊の槍を持ってるぞ!」英霊の槍は、UR武器で

 貴族や、Sランクギルドしか装備していないような武器だった。

「たんまり稼げそうだな!」貴族は、ほとんど確定、強盗ガチャを成功

 させた傭兵たちは士気が上がるが、相手があまりにも強く倒すことができない。

「おい! もう! 追ってくるぞ!」

「引き上げるぞ!」

「ここで引き下がれるかよ!」

「なんなんだよこいつらなんでこんなに強いんだよ!」長いローブを着ているため

 相手が一体なにものなのかわからない。

「陛下!」傭兵の攻撃がかろうじて陛下と呼ばれている男をかすり

 ローブが外れ姿があらわになる。

「陛下!?」ライが驚き攻撃の手を止める。ライは、自分の顔を隠していた布をとる。

「まじかよ!」他の傭兵たちも驚き手を止める。

「ライか?」陛下と呼ばれていた男は、この辺り一帯を支配するゲルマグ公国の

 皇帝クロルだった。ライは、以前クロルの傭兵として働いていたことが、あり

 面識がった。

「皇帝! 大当たりじゃねえか! ささっと始末しようぜ!」

 別の傭兵が皇帝に斬りかかろうとするのをライが防ぎ受け止める。

「おい! 何すんだよ! どけよ! 女!」

「おい! あんま調子乗ってるとお前ごと処理するぞ!」他の傭兵たちも

 怒り始める。あくまでも、傭兵の寄せ集め全員が全員ライに忠誠を

 誓っているいるわけでなかった。

 ライの腹心の傭兵とそのほかの傭兵が対峙する形になる。

「どうでもいいから、早くしろよ! もう姿が見えるぞ!」見張りから

 三百騎が、肉眼で見えるところまで来ていることを知らされる。

「こままだと全員討ち死にするぞ」

「一つ提案んなんですが…」

「なんだ新入り黙ってろ!」イーサンは、おそるおそる提案する。

「あ、いや、もしよかったらみんなで皇帝を護衛しませんか?」

「は? お前何言ってるんだ? 馬鹿なのか? 俺たちが今なにやってるのか

 理解してないだろお前 強盗 強盗を俺たちはやってるの?」

 大ベテランの傭兵が、イーサンを馬鹿にしたように見下し言い放つ。

「じゃあこのままもめて全員死にます」

「おい、口の利き方知らないみたいだな教えてやるよ」怒ったベテランの傭兵が、

 魔法陣を展開し攻撃の矛先をイーサンに向ける。

「陛下、大変失礼な提案だろ思いますが、報酬をいただけないでしょうか?」

「貴様! 強盗しておいて報酬だと!」イーサンは、今度は陛下を

 護衛していた近衛騎士にまで殺意を向けられる。

「もう止めんか! ライお前はどうだ」皇帝が一喝する。

「陛下、ご無礼深くお詫び申し上げます」ライがその場で膝づき非礼を詫びる。

「決まりだな」その場誰もが、不満げだったがこのままだと全員討ち死に

 は免れなかった。イーサンたちは、皇帝を護衛しながら森脱出することなった。


「おい! このままだと追いつかれぞ!」すぐに追ってが追いつき

 魔力の攻撃の玉が後方から飛んでくる。

「陛下、提案なんですが」イーサンが、皇帝に策を授ける。

「何? そんなことできるか?」

「いや、理論上可能です」そばにた皇帝直属の魔術師がイーサンの案を支持する。

「分かったやろう。どのみち追いつかれる」

 

「セルネ様! まもなく追いつきます」皇帝クロルを追撃していたセルネ騎士団の元に

 待ち望んだ情報が入る。

「よっし! これで最後だ! 一気にけりをつける」勢いよく

 森の細道を抜け広い平原に出る。満月が広場を照らしだす。

「止まれ!」騎士団長のセルネンがすぐに進軍停止を指示して片腕を

 伸ばし部隊を止める。

 満月に照らされたのは、ゆうに三千を超える騎兵や魔術師たちだった。

 ゲリマグ公国の旗が数百ひらめいていた。

「待ち伏せ?!」

「セネル様、重装騎兵が相手前線で控えています 罠なです

 撤退を進言します。こんな狭いところで重装騎兵と当たれば

 我々は全滅します。退路は狭路で退却中に閣下のお命まで危うくなります」

 同行していた将軍が提案する。

「クソ…あと一歩のところだというのに…目と鼻の先に…」セルネが悔しがる。


「セネルか! ここで決着をつけよう!」静まった平原にクロルの声が

 響き渡る。

「セネル様、挑発に乗ってはいけません。我々の軍行がばれいたといことは、

 さっきの森の狩民のなかに内通者がいます。このままここにとどまれば

 最悪退路が断たれる可能性すらあります。くれぐれも我々が敵陣深くに攻め込んでいることを

 忘れてはなりませんぞ重装騎兵相手に退路が断たれれば

 最悪の事態になります」セネルの家臣がセネルをいさめる。

「どうした! 私は逃げも隠れもしないぞ!」ひたすら、クロルが煽り続ける。

「セネル様いけませんぞ」

「ああ、分かってる。クロル! 貴様の国など我が国からしたとるにたらぬ。

 すぐにひねりつぶしてやるわ!」セネルが騎兵隊を撤退させていく。


「ふっう…」セネルの騎兵隊が見えなくってからイーサンは、その場に崩れ落ちる。

 とともに、幻影の数千の騎士たちも姿を消す。

「すごいわね」クロルの部下がイーサンのことをほめる。

イーサンは、クロルの部下の幻影の魔法に自分の増殖の魔法を合成して

 大量の軍隊の幻影を作り出すことに成功していた。しかし、

 イーサンの合成魔法には、範囲も威力も時間も限られているため

 ほんとうにギリギリのとろだった。

「あと少し、幻影が解けるのがはやかった全員ここでガイコツだった」

「いや、助けになった」


「おい! ふざけるな! なんだこれ!」傭兵が怒りだす。

「これ以上ないといってるだろ」

「てめえ! 話が違うだろ!」

「ほら、だからこん奴らのことなんて信じるから!」その場で、

 クロルの部下から傭兵たちに報酬が渡されたのだが明らかに少なかった。

「こいつらここで始末してしまおう!」

「そうだ!」

「そうだ!」クロルの部下と傭兵たちが対峙してまた振り出しに戻ってしまう。

「あの…」イーサンが、おそるおそる切り出す。



 

「黙ってろ!」

「収入がたりないなら追加で仕事もらわないか?」

「たらない分は、王宮に到着し次第かならず支払う」金髪の長い髪がきれいな

 美人騎士ライストが弁解する。ライストは、非常にまじめそうな騎士で、

 見た目からは、なんとかなく気難しそうな感じだった。

 勝手にキャラ付けするならツンデレのキャラといったところだった。

「追加の仕事は、いくらでも約束しよう」クロルがイーサンを擁護する。

「強盗するぐらいなら正規の傭兵の仕事をもらった方がいいだろ」

 ライが決定をする。

「お前が言うならしゃーないな」イルマーがしぶしぶ応じる。

 イルマーは、どうやらライと長年の仲からしく、他の傭兵や

 俺には、とげとげしく当たり散らす癖になぜか、ライだけには

 すぐに従っていた。容姿は、ライと同じく女山賊のような見た目を

 していた。露出の激しい服から筋肉質な体が見えていた。

 他の傭兵たちも強盗を仕事としてやるぐらいには、お金に困っていたので

 皇帝直属の仕事断るのはもったいなかった。

 

「いい宿じゃねえか!」皇帝からは、今回の功績を認められ王宮内の

 正規軍に与えられるような部屋が与えられた。といっても

 現実世界のビジネスホテルの一室程度の質の部屋だったが、

 傭兵たちは、みなずいぶん喜んだ。普段よほどひどい生活を

 していたのだろう。

「ひやー」部屋を開けて傭兵たちは、ベットに飛び込んでいく。

「これで、野宿ともおさらばだ!」

「お前! よくやったな!」他の傭兵が、イーサンの頭を撫でまわり褒め

 てくれる。

「ああ、どうも…」


「二十三…」自分の部屋を探して廊下を歩いていく。

ここか…。ん? 鍵か? おかしいな…。

イーサンは、部屋番を再度照合するが、二十三番だった。

合成かけるか…。すべての部屋は、魔術式によりカギがされていたが、

案内される前に全て全開にされていた。事実、他の傭兵たちは、

鍵なしでみな部屋に入っていた。

しかし、この部屋だけは鍵がかかっていた。

なんであかなねぇんだよ。もらったカードをかざしても開かない。

イーサンは、解析+増幅の合成魔法でかったぱしから魔術式を照合して

強引にドアを開ける。

まあ、そりゃ開くわな。もう、疲れてるんだよ勘弁してくれよほんとに

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