第9話 データ収集 視点スチールゴーレム
[火球](使1残5)
すると、青のスライムは、そのまま前進。
赤のスライムは爆発を起こした。
熱波が流れてくる。
後、少し近づけていたら、皆巻き込む事に成功していただろう。
今回はルースに少し火傷を負わせた程度に終わった。
「な、あ、青スライムが……」
近づくスライムにルースが焦りを見せる。
「凍らせて。砕くから。火傷治療は後。」
どうやらフォニの方が肝が座っているらしい。
[凍結](使1残4)
素早い詠唱の後、ルースがブルースライムを指し示すとスライムが凍結し始める。
冒険者にして、正魔術師は伊達ではない。
そして叫び声と共にフォニが突進しメイスを叩きつける。
ブルースライムは割れ、露出した細胞核を更に粉砕する。
やはり清掃用魔獣では話にならない。
天井からの奇襲、通称スライムアタックが決まらないと簡単に排除されてしまう。
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「ボルドーさんは一体引き付けて!」
スケルトンウォリアーは連携して迎え討とうと構えるが、横合いから
ボルドーの一撃をチカカと同じ様な小盾で弾くとスケルトンウォリアーは逆襲に出る。
機械的に、だが正確に片手剣を振るうスケルトンウォリアーにボルドーは防戦一方。
時々切っ先が掠り血が滲む。
逆にチカカは巧みに片手剣と小盾を操りスケルトンウォリアーを追い詰める。
ときおり蹴りも絡めて、機械的対応のスケルトンウォリアーの間合いを崩し骨を削り取っている。
見た目ゴブリン相手の
「ㇰ、チカカ!援護してくれ!」
ボルドーの泣き言。
「僕が削りきるまで防戦に徹して耐えろ!」
激を飛ばすチカカ。
その様子は熟練冒険者の様だ。
もしかすると、親の片方もしくは両方が冒険者なのかも知れない。
データでは、人間は幼い頃より習得させる事で特殊技術を学ばせる事があるらしい。
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「メェェェ!ブベ」(使1残29)
高い位置にあるヤギが魔術で強酸を吐きかける。
「なんじゃこりゃ」
正面から命中したドワーフの鋼鉄の胸甲が煙を上げ、飛び散った酸がドワーフの肉を焼く。
「ディッツの旦那!こいつは正面からじゃ手に負えね!」
「メェェェ!ブベ」(使1残28)
「あぶねえ!」
距離を取ったラアナに酸が吐きかけられる。
ドワーフは下がり、強酸のかかった胸甲を急ぎ外している。
酸が肉を焼く煙がたなびき、ドワーフの苦痛の声がする。
「なんか弱点はねぇのかよ!」
出来損ないの相手とはいえ、体術を使い1人で翻弄するラアナは腕利きだ。
「タイプ2aはマンティコアと違い細かい魔術の使用は出来ません。」
ラアナの問い掛けにデータからの情報を元に自動で返答をした。
直ぐに死なれては、戦闘データの収集が出来ない。
「ありがたい返答に涙が出そうだ、ポンコツ」
牽制攻撃をしながら、ラアナが叫んだ。
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「ルースとフォニが、スライムを排除した逃げるぞ!」
穴の空いた胸甲を投げ捨てながら、ドワーフが叫ぶ。
スケルトンウォリアーも一体が倒され、タイプ2aは、残りのスケルトンウォリアーに攻撃を始めてしまった。
侵入者達は通路を走り始める。
追尾開始。
侵入者の追尾を始めた。
集めた戦闘データと位置データを発信。
一度は後方の隔壁を閉めたが、タイプ2aの誘導は行う。
侵入者が持つビーコンが故障しないとも限らないからだ。
「ポンコツが付いて来てるぜ!旦那」
「最悪、捕獲して持って帰れば金になる。攻撃して来ないなら気にするな。」
ドワーフが苦痛を押し殺し話す。
「休憩室があります。見学者の皆様。休憩なさいますか?」
中立のフリを演じ、なるべく情報を収集する。
許可なき見学者への対応プログラムに沿って音声を発した。
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