第10話

翌朝のテレビ番組で、俺のことについて扱っていた。

「冤罪は、難しいですね。」

「確かにその通りですね。本当か嘘かがわからないまま放送してしまうと、嘘の方を信じてしまう人もいますからね。」

「今回はいい例ですね。まあ、防ぎようのないことなので、叩くほうがひどいとは言えませんね」

うわ。保身に走ったな。

俺が雑誌に取り上げられたころ、テレビでは俺のことを「ルフィ」と呼んでいた。

いろんな情報番組で俺のことをこぞって叩いた。

なのに冤罪と分かったとたんこれだよ。

あの人に頼もう。

そう思い、俺は「朝霧雅人」に協力を要請した。


「はい、というわけでどうも暴露マスターでーす。

 今日はですね、あの件について取り上げたいと思いまーす」

俺は、弟からあることを頼まれたので配信をしている。

それは、、、


♦とあるDMにて

<塁斗>:おにい、ちょっといい?

<雅人@彼女ほしい>:なんだい?

<塁斗>:今日テレビでさ、急に俺たちは悪くないみたいなこと言いだしたんだよ。

<雅人@彼女ほしい>:それを晒してほしいんだな?

<塁斗>:お願い。

<雅人@彼女ほしい>:おk。ノアにも要請だしとくわ。


テレビで、今まで叩いていたのに無実だとわかると「俺は悪くない」的なことを言い出したから晒してほしいとのこと。

そりゃあむかつくよな。


「実は、、、」

俺は、弟に相談されたことをすべてリスナーに話した。


:つぶすか

:さすがにかわいそう

:って言ってるこの中にも叩いてたやつがいたのが怖いよな


「ちょっと、つぶやくから拡散してくれ」


:おk

:暴マスの弟を助けよう!!

:暴リスの力見せてやるおw


暴田暴男(暴露マスター) @bakumasuT

OOっていう情報番組、保身に走った付けは必ず回ってくるおw

暴リスも黙っていないよw


その後、そのテレビ番組が荒れて、保身に走ったコメンテーターとか評論家の人がめちゃくちゃ叩かれていた。


そして休日明け。

俺は学校に通った。

前と同じく、何とも言えない目線を無数に向けられながら俺は教室に入った。

「塁斗、大丈夫だった?」

「そういえば、あの情報番組が放送休止になったらしいよ。」

クラスのみんなは変わらず温かい目線を送ってくれる。

「みんな、ちょっとやりたいことがあるんだけど、、」

俺は、休日中に家で考えたことを話した。

「「「「「いいね、それ!」」」」」


そのあと、全校集会が急遽行われた。放送でやっただけだけど。

俺たちは、校長室に行って、全校集会でこのことを話してほしい。もし行わなければ、学校の教師の対応について暴露すると告げた。

校長は、へらへらしたままだった。すきにすれば、だってさ。

もちろん、会場である体育館も抑えられるとは思わない。

だから、担任と協力して放送室のカギを手に入れた。

4時間目が始まるころ、俺は放送を入れた。

「えー、みなさんこんにちは。朝霧塁斗です。

 僕がある事件の犯人と決めつけられ、のちに無罪だったということは知っているでしょうか。その件で、お知らせです。」

一呼吸して、また口を開いた。

「俺に対するいじめに対して、原因究明のため5日間の休耕期間を設けることにしました。これは教育委員会から正式に出たものです。」

もちろんこれは本当だ。でも、学校側はもともと隠ぺい体質だったので、いろいろ言い訳をつけて休校にしないと思った。だから、教育委員会の人と協力して、俺に学校代表の臨時決定権を与えるというていにした。

そして、無理やり休校に押し込んだ。


何故休校にしたかは、簡単だ。


証拠をそろえ、俺を中傷したやつらに「ざまぁ」するためだ。

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