2023年10月5日 04:00
エンドロールへの応援コメント
吹奏楽テーマの作品をあちこち読み漁っているうちにタイトルを拝見し、まとめて読ませていただきました。十話以降の「自分は辞める気満々なんだけど周りがなぜか誤解しまくりで辞めるに辞められない」展開がなかなかいい味のコメディにまとまっていて、そこからは次ページをクリックする手が止められませんでした。このまま双方ともに幸せな勘違いが続くのかと思いきや、後半はまさかのシリアス路線、でも流れに違和感はなく、涙と笑いが背中合わせになっている主人公の波乱万丈な青春譚として興味深く読み通せました。忌憚なく申し上げるなら、このプロットは素晴らしいです。「退部の意志を隠し続けている主人公の、嘘から出たまこと」というとっかかりから、よくもこれだけの物語を紡ぎ出せたものだと思います。キャラの扱いもいい。限りなくブラックな吹部で、でも部員たちはそれなりに一生懸命で、その上に立つ顧問も面白い味出してますし、何人かの部員たちの言動も主人公の家族も、短いながらリアリティに満ちた存在感があって、捨てキャラというのがまるで見当たらないのがすごいです。ただ、手放しで絶賛するには、この作品はあまりに「ウェブ小説っぽさ」が前に出すぎているとも感じました。つまり、丁寧な文章を敬遠するあまり、必要なはずの描写や説明までカットしすぎて、一読しだだけではセリフの主がわからなかったり、場面が飛んだのにしばらく気づけなかったり、もっとはっきり言うと何のことを書いているのかわからない記述になっていたりするケースが結構目につきました。ファスト動画のような小説作法、と私は呼んでいるんですが、この手の「イマドキ風のウェブ小説スタイル」は、総じて全話が大長編ドラマの総集編のような構造になっていて、確かにぎりぎり筋は追えるし、いわゆる「エモい見せ所」もいい感じのセリフも散りばめられているのですけれど、それだけなんですね。私自身は、そういうスタイルでも面白いものは面白いと思っていますけれど、実はその書き方で文句なく読みやすい文章にするのは結構難度が高く、一行一句にかなり神経を使って作文しなければならないものです。その点、本作はいささか書き飛ばしすぎた印象があります。今どきのミニマムな文体で評価を得たいのなら、とにかく読者に「え?」と思わせてはダメなんです。あくまで私感ですが、本来ならこの作品は、ラノベではなく文芸小説寄りのレーベルを意識したスタイルで、十万〜十五万字ぐらいの内容に仕上げるべき物語だと思います。それだけの内容の濃さはあるし、書き込めるはずのこともいっぱい詰まっています。が、それはひとまず置きましよう。少ない文字数で簡潔に書き進めるスタイルを良しとするのなら、それも結構だと思います。が、せめて「ここは削っちゃいかんところ」「ここは綿々と描写を延ばして正解なところ」という箇所の見極めに、今少しだけ意識を振り向けていただければと思います。それだけで、本作の文章価値はかなりのものになるはずですので。普段、初対面の方にここまで失礼な物言いはしないようにしているんですが、ストーリーに感銘を受けたことの裏返しで、ついつい訓話みたいなコメントになってしまいました。ここまで書いておいてなんですけれども、あくまで通りすがりの一個人の感想ですので、どうか使えそうなところのみ拾っていただければと思います。長々しい書き込み、平にご容赦ください。
作者からの返信
湾多珠巳様 まずは最後まで見ていただきありがとうございました。 たくさんの感想を書いていただいたので、こちらもたくさんお話をさせていただきます。 もし面倒であれば、少し見て閉じていただいても構いません。 プロットをお褒めいただきありがとうございます。ただ少しだけ内緒話をするのならば、私は作る時にプロットは書きません。ほとんどは頭で組み立てて、登場人物の名前だけメモをする程度です。プロットを書くとプロットで満足してしまうので。 湾多珠巳様がおっしゃる。丁寧な文章作りの足りなさであったり、描写や説明の足りなさは下書き無しで書き上げた弊害かもしれませんが、技量の問題は大きいとも思います。 内容の濃さや書き込めるだけの内容を評価してくださってありがとうございます。 この話はとても難しかったです。最後の解説をご覧いただけたでしょうから本来はここで述べることもないのですが、実話が入っています。 作品との距離感は掴みにくかったですが、これは最初に検討しておくべき課題でした。 もしかしたら、未来の私ならもっと上手く書けたのかもしれないですす。 湾多珠巳様がこの作品の出来を見て、弱点をちゃんと文字にしていただけたので、評価をしていただけるこの時間は私にとって大事なものです。 それだけでこのお話を書いたことは一つの大きな意味があったと思います。 お褒めの言葉、指摘して下さる親切な感想をありがとうございました。 長文すみません。 このやりとりを糧にして、昨日より良いものを作っていきたいと思って創作をしていきたいと思います。 またハナビシトモエを見つけてください。青春ものだけを書くタイプではないので食べる事が出来ないお話をあると思います。また湾多珠巳様とお会いできることを祈っております。 重ねてお礼を申し上げます。 本当にありがとうございました。 今日も湾多珠巳様にとって良き一日でありますように。 それでは。 ハナビシ
エンドロールへの応援コメント
吹奏楽テーマの作品をあちこち読み漁っているうちにタイトルを拝見し、まとめて読ませていただきました。
十話以降の「自分は辞める気満々なんだけど周りがなぜか誤解しまくりで辞めるに辞められない」展開がなかなかいい味のコメディにまとまっていて、そこからは次ページをクリックする手が止められませんでした。このまま双方ともに幸せな勘違いが続くのかと思いきや、後半はまさかのシリアス路線、でも流れに違和感はなく、涙と笑いが背中合わせになっている主人公の波乱万丈な青春譚として興味深く読み通せました。
忌憚なく申し上げるなら、このプロットは素晴らしいです。「退部の意志を隠し続けている主人公の、嘘から出たまこと」というとっかかりから、よくもこれだけの物語を紡ぎ出せたものだと思います。キャラの扱いもいい。限りなくブラックな吹部で、でも部員たちはそれなりに一生懸命で、その上に立つ顧問も面白い味出してますし、何人かの部員たちの言動も主人公の家族も、短いながらリアリティに満ちた存在感があって、捨てキャラというのがまるで見当たらないのがすごいです。
ただ、手放しで絶賛するには、この作品はあまりに「ウェブ小説っぽさ」が前に出すぎているとも感じました。つまり、丁寧な文章を敬遠するあまり、必要なはずの描写や説明までカットしすぎて、一読しだだけではセリフの主がわからなかったり、場面が飛んだのにしばらく気づけなかったり、もっとはっきり言うと何のことを書いているのかわからない記述になっていたりするケースが結構目につきました。
ファスト動画のような小説作法、と私は呼んでいるんですが、この手の「イマドキ風のウェブ小説スタイル」は、総じて全話が大長編ドラマの総集編のような構造になっていて、確かにぎりぎり筋は追えるし、いわゆる「エモい見せ所」もいい感じのセリフも散りばめられているのですけれど、それだけなんですね。私自身は、そういうスタイルでも面白いものは面白いと思っていますけれど、実はその書き方で文句なく読みやすい文章にするのは結構難度が高く、一行一句にかなり神経を使って作文しなければならないものです。その点、本作はいささか書き飛ばしすぎた印象があります。今どきのミニマムな文体で評価を得たいのなら、とにかく読者に「え?」と思わせてはダメなんです。
あくまで私感ですが、本来ならこの作品は、ラノベではなく文芸小説寄りのレーベルを意識したスタイルで、十万〜十五万字ぐらいの内容に仕上げるべき物語だと思います。それだけの内容の濃さはあるし、書き込めるはずのこともいっぱい詰まっています。が、それはひとまず置きましよう。
少ない文字数で簡潔に書き進めるスタイルを良しとするのなら、それも結構だと思います。が、せめて「ここは削っちゃいかんところ」「ここは綿々と描写を延ばして正解なところ」という箇所の見極めに、今少しだけ意識を振り向けていただければと思います。それだけで、本作の文章価値はかなりのものになるはずですので。
普段、初対面の方にここまで失礼な物言いはしないようにしているんですが、ストーリーに感銘を受けたことの裏返しで、ついつい訓話みたいなコメントになってしまいました。ここまで書いておいてなんですけれども、あくまで通りすがりの一個人の感想ですので、どうか使えそうなところのみ拾っていただければと思います。
長々しい書き込み、平にご容赦ください。
作者からの返信
湾多珠巳様
まずは最後まで見ていただきありがとうございました。
たくさんの感想を書いていただいたので、こちらもたくさんお話をさせていただきます。
もし面倒であれば、少し見て閉じていただいても構いません。
プロットをお褒めいただきありがとうございます。ただ少しだけ内緒話をするのならば、私は作る時にプロットは書きません。ほとんどは頭で組み立てて、登場人物の名前だけメモをする程度です。プロットを書くとプロットで満足してしまうので。
湾多珠巳様がおっしゃる。丁寧な文章作りの足りなさであったり、描写や説明の足りなさは下書き無しで書き上げた弊害かもしれませんが、技量の問題は大きいとも思います。
内容の濃さや書き込めるだけの内容を評価してくださってありがとうございます。
この話はとても難しかったです。最後の解説をご覧いただけたでしょうから本来はここで述べることもないのですが、実話が入っています。
作品との距離感は掴みにくかったですが、これは最初に検討しておくべき課題でした。
もしかしたら、未来の私ならもっと上手く書けたのかもしれないですす。
湾多珠巳様がこの作品の出来を見て、弱点をちゃんと文字にしていただけたので、評価をしていただけるこの時間は私にとって大事なものです。
それだけでこのお話を書いたことは一つの大きな意味があったと思います。
お褒めの言葉、指摘して下さる親切な感想をありがとうございました。
長文すみません。
このやりとりを糧にして、昨日より良いものを作っていきたいと思って創作をしていきたいと思います。
またハナビシトモエを見つけてください。青春ものだけを書くタイプではないので食べる事が出来ないお話をあると思います。また湾多珠巳様とお会いできることを祈っております。
重ねてお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
今日も湾多珠巳様にとって良き一日でありますように。
それでは。
ハナビシ