第50話 サービスです
晴れました。
ローズちゃんの日頃の行いが良いからですね。みなさん感謝してくださいよ。
ステージでは開会式の真っ最中
「それでは第256回『恋する仮面舞踏会』一日目を開催します」
スタッフさん 今日もおちゃめさんです。でもどうして256回なのですか
「ちょうどキリが良いからでしょ」
えっ アイラさん 意味が分からないです。
§
会場に入るにはみんな仮面をつけてからですよ。マスクは個人の判断ですが仮面は絶対です。
でも消毒はしてくださいね。ぷしゅっと
リズさん提供の換気装置と殺菌装置 元気に稼働中
「仮面をつけていない人は狙撃します」
スタッフさん 過激です。迷彩服のスタッフさん 手にはバズーカー・・・ それって狙撃って言わないですよね。吹き飛びますよ。
イベント初日は去年までと同じ形式で発表会 コスプレ大会は二日目の予定ですが・・・
コスプレな人 すでにいっぱいいます。あっちでロボットがあるいてましたよ。コスプレって・・・なにっ
早速ステージでは発表が始まりました。
和服姿のおばさま方が大正琴の演奏です。
発表中だけは仮面をつけなくても良いルール 顔を見せたい発表もありますからね。
でもおばさま方 全員仮面つけてますよ。和服に仮面って・・・なんだかカッコ良いです。
観客席のおばさま方も仮面姿 みんなちょっと嬉しそうですよ。
――――
――――
「『cafe不思議のアリス』オープンですよぉ」
アリス店長さんの宣言で私たちのお店もオープンです。アリス店長は今日からアリー店長さんでしたね。
店長さん可愛らしいコスチューム 水色に白のフリルが付いたドレス 白いタイツに髪にはリボン 不思議の国のアリスのコスプレです。せっかく名前考えましたけどアリーさんじゃなくてそのままアリスさんで良くないですか とっても似合ってます。
でもちょっとだけスカートが短すぎませんか
「サービスです」 ・・・店長のサービスだそうです。
同級生のようにお話ししてくれますが、もちろん年上ですよね。年齢がわからない人ばかりです。
「『じゅうななさい』の後輩ですよ ぴっちぴちのアリスちゃんです」
初の十七歳以下です ・・・ぜったいにウソです。ローズちゃんは騙されませんよ。
カウンターにはお兄さんとお姉さんがエプロン姿で待機です。バリスタさんだそうです。キリッとしたイケメンに美人さん 仮面をつけているとさらにグレードアップっ これは人気が出そうです。
『ましゅうお兄さん』『まみやお姉さん』だそうで・・・意外にも和名ですね。そしてこだわりの「ひらがな」 なぜっ
「いらっしゃいませ」
司書さん・・・ エリーさんもウエイトレスさんしてます。メイドさんドレスにウサ耳つけてとっても可愛らしいです。
後輩司書のたいやき・・・ エルシーさんもネコ耳メイドさん 可愛いです。
可愛らしいのですが・・・
§
今朝の全体スタッフミーティング
「任せてって言ってたのに聖女さま倒れたそうじゃない 何してるのっ」
とっても怒ってます。エリーさん本気で怒ってます。怖いです。
「アイラさんやアリスさんが入ってなかったら大騒ぎになるところでしょ」
エルシーさん 怒ってます。司書さん’s 怖いです。
「申し訳ありません」スタッフさん深々と・・・
「まあ まあ 私の体調管理が出来ていなかっただけです。スタッフさんは悪くないですから・・・かえってご迷惑をおかけしました」
聖女さまがなだめてますよ。本人よりも怒ってますからね。
「聖女さまにもしものことがあったらどうなるかわかってるのっ ・・・消されるわよ」「ひっ」
「変なうわさ流さないでくださいっ」
「今日はアリス店長さんにご指導いただきまして各種マジックポーションを用意しました。救護班も待機しています」
えっ マジックポーションあるのっ 本部を見るときれいな小瓶がずらりと並んでます。あのぉ マジックポーションって普通に言ってますけど・・・ 私が知らないだけなのっ
§
あんなこともありましたが今はにっこりエリーさんです。可愛いメイドさんですよ。怒らせるとめっちゃ怖いけど可愛いメイドさんですよ。いえ 何でもないです。 ウサ耳エリーさんは可愛いなぁ(大声)
ところでcafeのカウンターには例のきれいな小瓶が・・・ マジックポーションですよね。誰も質問しないのですが・・・ ねえ 普通なの ねぇ ねぇ
ローズちゃんとしましては色々思うところが多いcafeですが、一番の問題はですね・・・
――――
オープン前にcafeスタッフさんが揃いました。全員が揃うのは初めてです。
私たち聖女見習い以外のスタッフさんは去年も参加したベテランさん 一番年上なのがエリーさん
えっ 一番じゃない はい ウサ耳エリーさんは十七歳にしか見えません(大声)
なんと新人の私たち聖女見習いには専属警護の人がつくのです。これはお嬢さま待遇ではないでしょうか
「第三騎士団所属 『ナイト・ホーク』です。よろしくお願いします」
中世に騎士を思わせる凛々しい制服の腰には大きな剣 聖女見習いの警護には第三騎士団から派遣されたナイトさんが配属されました。アニメ設定から生まれた新キャラクターですね。 ホーク家って団長さんの弟さんですか
なかなかのイケメンですね。名前までイケメンですよ。美少女リリーちゃんがテレテレです。
こちらこそ 二日間お願いいたします。
って・・・騎士くん 何をしているのですか
「先輩に警備をするように頼まれて来たら、制服に着替えてってスタッフの人に・・・ 名前も聖女見習いに合わせなさいって言われてさ」
「ナイトくん 似合ってます。本物の騎士にしか見えません。素敵ですよ」
「り リリーもすごく似合ってる・・・と思う」
ダリアちゃん 私たちの警護はしてもらえるのかな リリーちゃん専属かな
「きっとエリーさんの仕業だから楽しく見学しましょう」
リリーちゃんの警護に第三騎士団のナイトくん となると聖女さまの警護は第三騎士団の団長さん・・・
「お嬢さまは私がお守りします。旦那様から強く強くお願いされていますので」
聖女さまの何だか強いメイドさん登場です。車の運転だけではないのですね。本物メイドさんがスタッフに入りましたよ。
「メイドさん・・・ ぷぷっ」アイラさん 楽しそうです。本物メイドさんと仲良しでしたからね。
§
昨日マジックポーションで回復した聖女さま お家に帰ろうとするとリリーちゃんが離しませんでした。心配ですからね。
大騒ぎの結果 リリーちゃんは聖女さまのお家にお泊りになりました。さらにアイラさんもお泊りです。
アイラお姉さんがお泊りなら私もって言ったのですが両親が許してくれませんでした。聖女さまのお家はダメだそうです。聖女さまをなにか怖がっているのですよ。特に父が・・・お泊り会のチャンスだったのにいじわるです。
大騒ぎしたので聖女さまのお父さまにも倒れたことがバレまして何だか強いメイドさんがついてきたのです。
「過保護すぎるのよ」 いえいえ 倒れたら誰でも心配するでしょ
「ローズちゃんの言う通りです。お嬢さまは大人しくアイラさんのおっぱいでも吸っていてください」
「赤ちゃんじゃないですっ アイラさん 出さなくていいですから みんな見てますから」
『cafe不思議のアリス』
大丈夫でしょうか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます