第39話 ふいうちはひきょうです

「いけないわね 夕焼けを見てたら色々思い出しちゃった」

ちょっと大人の顔してましたよ ドキドキしました。またひとつ違ったあかねさんを見てしまいました。

この夕日の色がバーミリオンって言う色なんですね。チームの名前と同じ色ってことはあかねさんがチームのリーダーさんですか


「リーダーはいないのよ 変なチームでしょ」

変じゃないですよ 私を助けてくれたチームです。立派なチームです。


「私よりも凄い人なんていっぱいいるからね チームの人たちは誰を見ても私よりも凄い所があるのよ」

あかねさんよりも凄い人が集まってるなんてどんなチームなんですか 天下取れますよ ちょんまげですよ


「ちょんまげ・・・かどうか分からないけど ローズちゃんも私より凄い所いっぱいあるよ」

私がですかっ あかねさんよりすごいところ・・・頭良くないしおっぱいちっちゃいし・・・ あっ 自慢のお姉さんが居るところは凄いです 自慢できます。


「可愛いなぁ もうっ そろそろ 夕食にしましょ」

今日の夕食は何にしますか お手伝いしますよ


「パスタにしようと思うんだけど 和風とクリームとトマト どれが好きかな」


えっとえっと クリームは最近食べました トマトってピンとこないなぁ それじゃあ 和風でお願いします。


「それでは『のりときのこの和風パスタ』で決定です」



――――



あかねさんがフライパンできのこ炒めてます。あざやかです。きのこいっぱいです。


そして私はパスタをゆでる係です。重要です。パスタの硬さもおまかせされました。

ちょっと硬めにするのが良いって聞いたことがあります。あるでんでんでしたっけ


「細いパスタだからすぐに茹で上がるから注意してね」


大きなお鍋にお湯がぐつぐつしてきました。お鍋にかごが入ってますよ。


「ゆでた後に取り出しやすいでしょ 鍋にくっつかないし便利よ」


なるほど そうやって使うのですね。



それではパスタ投入っ 入れ方は知ってますよ くるっと回しながら入れるんですよね


くるっ・・・失敗しました。ふぁさぁ って広がるはずなのになぁ


大丈夫です。全部入りましたから問題ありません。



わぁ 白くあわあわになってきましたよ わぁ


「ちょっと火力を上げすぎたね」 ぴっ ぴっ 「これでいいかな」


あわあわが静かになりました。

それでは一本取って硬さを確認です。 一本取って・・・ 一本・・・ 取れないよぉ


「箸じゃ無理でしょ はい トング」

これで無敵です。トングをかちかちしてから一本・・・ すぐ取れました。


もぐ ちょっと硬いかな もう少し待ちます。


・・・一本 もぐ ほんのり硬いけどきっとこれがあるでんでんです。

いまだぁ


かごを引き上げるだけで完了です。便利です。あとはあかねさんお願いします。


お湯を切ってフライパンに入れて きのこたちとぐるぐるぐる

醤油のにおいがとっても良いです。


「はいお皿に盛りますよ」


お皿用意してあります どぞっ


最後の仕上げは私です。細く切ったのりをふぁさぁ  完成です。


テーブルに運びましょう。



私がパスタと格闘している間に出来上がったと思われるサラダとカリッと焼いたフランスパン

カップに入ったオニオンスープ


うーん 私手伝ったのでしょうか



――――



細長いグラスにしゅわしゅわっと注ぎまして


「炭酸水だからね」


でも気分はシャンパンです。乾杯しましょう。



「私の可愛い妹に乾杯♪」


あぅうう ふいうちはひきょうです・・・ 嬉しいけど


私の大好きなお姉さんに乾杯です。


「もぅ」


あかねさん ちょっと照れました。やったぁ



窓の外はきれいな夜景 高級ホテルで食事をしている気分です。お優雅です。

目の前には優しい笑顔のあかねさん


一般の中学生が来て良いところなのでしょうか ここはおとなのせかいです。


きのこおいしゅうございます。


§



「今日はクッキーのお手伝い 嬉しかったわ 本当にありがとう」


私でお役に立ちましたか 聖女さまの方が活躍してましたよ


「妹とクッキーを作りたかったの」



デザートには手作りカスタードプリン 紅茶付きですよ。

いっしょに夜景を見ながらプリンです。


こんなに早くこの夜景を見られるようになるなんて夢のようです。

知っている街なのに上から見るとこんなにきれいでおしゃれに見えるんだね。

夜景で有名なところよりきっときれいです。だって隣を見ると大好きなあかねさん


近いです。

すっごく近いです。


「一緒に写真撮りましょうか」


撮りますっ 撮らせてください あっ スマホ カバンの中です。


「大丈夫 私が撮るからね はいもうちょっと近くにおいで」


あかねさんが手を伸ばして・・・ スマホでぱしゃ どうですか


「笑顔がちょっとかたいかな 緊張してるの」

緊張しますよ あかねさんとですよ アイドルとチェキですよ


「あはは アイドルじゃなくてお姉さんでしょ」

それではお姉さんの近くに・・・ ぴとっ ぱしゃ


「私の妹可愛い」

照れるじゃないですか そんなにほめて・・・ もっとほめてっ


「ここにおいで」ひざをぽんぽん えっ そんな・・・ では遠慮なく


あかねさんのひざ やわらかいです。


ふにゅん


背中に何かがおっきくてやわらかいです。


ぱしゃ ぱしゃ ぱしゃしゃしゃ


「可愛いっ 可愛いっ 可愛いっ」

あかねさん 壊れちゃいましたよ。可愛いってぷるぷるしてるあかねさんの方が可愛いです。このお顔を撮りたいのに私のスマホがぁ 残念

さっきの画像送ってくださいよ。待ち受けにしてみんなに自慢します。

あっ でも内緒だから待ち受けに出来ない・・・ でも自慢したい・・・

う~ん まずは『フェアリー』で聖女チームには自慢します。


「フェアリーならもうアップしちゃったよ 自慢の妹といちゃいちゃデートですって」


夜景を見ながら大好きなあかねさんの膝の上 ここは天国でしょうか 

それに今日は帰らなくても良いのです。お泊りです



お泊り・・・


「そろそろ お風呂に入ろうか 髪を洗ってあげたいな」


・・・はい よ よろしくおねがいいたます。

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