第28話 特別ないちゃいちゃ


聖女チーム結成です。


まだ会ったことのない謎のお姉さまも入っている聖女チーム

聖女チームということは何かが特別なお姉さんですよね。どきどきです。


乙女のないしょのひみつを守る連絡用アプリ『フェアリー』

妖精さんマークの不思議なアプリ・・・ アプリなのでしょうか・・・よくわかりません。


仕組みはわかりませんがこれがあれば謎のお姉さまともお話しできるようです。まだしませんけどね。突然メッセージしたら怒られちゃうかもしれないじゃないですか


でもあかねさんとはお話ししますよ。いっぱいメッセージ送っちゃいます。これでもっと仲良しになってしまいます。あこがれのあかねさんへの連絡手段 欲しかったんですよ。これでいつでもデートのお誘いなんて出来ちゃいます♪ 

出来ないけど・・・



リリーちゃんもダリアちゃんもないしょのひみつ通信しますよ。彼にも内緒ですからね。教えちゃだめですよ。教えたら聖女さまが「ふふふ」ですからね。


そして聖女さまとも仲良くします。リリーちゃんみたいにお祈り通信はできないけれどないしょのひみつ通信はできますからね。



――――



「聖女見習いの件もありますが、ローズさんとは仲良くならないといけないと感じております」

どうしたのですか聖女さま 私も仲良しになりたいですよ。



「あかねさんに恋するローズさんの気持ちは良くわかっています。あかねさんがローズさんを大切にしていることも知っています。

でも私も同じようにあかねさんを大切に思っています。これから私があかねさんと仲良くしているとローズさんが悲しくなってしまうかもしれません。ライバルになってしまいますからね」



私 なんとなくわかっていました。あかねさんがいつも遊びに行くお友達って聖女さまなんですよね。とっても仲良しの特別なお友達なんですよね。私も『特別』になりたくて羨ましいって思っていました。特別なお友達に勝たないとあかねさんの『特別』になれないって思ってました。


でも『特別な妹』になれたのは聖女さまのお手紙のおかげです。手伝ってくれたのですよ。私ライバルですよ。どうしてライバルを助けるのですか



「あかねさんがローズさんを大切にしていること ずっと見ていました。そんなローズさんは私にとっても大切な存在です。いつでも助けますよ」


聖女さまは優しいです。ライバルかもしれないけれど優しいお姉さんです。占いでも争ってはいけないって書いてありました。


「私もローズさんと争いたくはありませんよ。仲良くしてくれますか」

当たり前です。あかねさんのお友達ですよ。リリーちゃんのお姉さんですよ。もう仲良し決定じゃないですか

聖女さまとも仲良しですよ。いちゃいちゃです。


「ローズちゃん いちゃいちゃはだめです。私だけですからね」

ほっぺ膨らませてるリリーちゃん可愛いです。大丈夫ですよ。リリーちゃんは特別ですからね。特別いちゃいちゃですよ。



「特別いちゃいちゃ・・・ 特別いちゃいちゃ・・・」

わぁ 

リリーちゃん どこか異世界に行ってしまいました。 おぉい 戻ってきてよぉ



――――


『あかねさんとリリーちゃんがいちゃいちゃ・・・』 

ちょっとモヤっとします。でも許してしまうのかな

リリーちゃんには大切な聖女さまがいること知っているからですね。



『あかねさんと聖女さまがいちゃいちゃ・・・』 

『特別なお友達』ならいちゃいちゃしそうです。私もダリアちゃんとぎゅっとしたりなでなでしたりしますし普通かも

十七歳の大人ですし少しくらいのいちゃいちゃ・・・ 大人のいちゃいちゃ・・・


ぎゅはしますよね。私もします。聖女さまもぎゅってしましたよね。あかねさんがふわふわなの知っていますよね。

十七歳はもっとすごいことするのでしょうか キスしたりしちゃうのでしょうかどきどきします。


でもいやな気分ではないです。


聖女さまは私のことすっごく考えてくれてました。あかねさんともう一人のお姉さんができた気分です。ライバルじゃなくて私のお姉さん同士が仲良くしてくれるなら・・・良いかな。



『あかねさんと知らない男の人がいちゃいちゃ・・・』


ダメです。

絶対にダメです。

良くないです。

あかねさんをだまそうとしているに違いありません。

私のあかねさんを守らなくてはいけません。


あかねさんから助けてって言われたらすぐに駆け付けます。すぐに駆け付けて・・・ どうしよう。

聖女見習いの力でなんとかします。なんとかなりますよね。



『聖女さまと「特別な妹」のリリーちゃんがいちゃいちゃ・・・』

さっきはかなりいちゃいちゃでした。特別なんだなぁって

見ていてどきどきしたけれど いいなぁって思う方が強かったです。

そのままキスしても美人の姉妹だなぁって見ていたと思うよ・・・



『あかねさんと「特別な妹」の私がいちゃいちゃ・・・』

あかねさんのお部屋に泊まって一緒にお食事作っておいしく食べて

お風呂に一緒に入って、一緒のベッドで・・・

お風呂が一緒って・・・ わぁあああ


§


「おぉおい ローズちゃん ローズちゃんってばぁ どうしたの 顔真っ赤だよ」


――――



ちょっと考え事をしていました。

やっぱり聖女さまとリリーちゃんはお似合いだなって考えてたの・・・



あっ ダメです。



騎士くん


騎士くんがいるじゃないですか 婚約者って言ってましたよね。どういうことですかっ



「あれは・・・ その・・・ 母が勝手に・・・」

勝手に婚約者にしちゃったんですか


「騎士くんのお母さんと意気投合して勝手に婚約者って言ってるだけなの」

わぁ お母さんは騎士くんのこと認めてくれているんだね。いいなぁ

騎士くんのお母さんもリリーちゃんをお嫁さんって言ってくれてるんでしょ


「いや あの・・・ お嫁さんじゃなくて お婿さんに貰うって」



騎士くんお婿入りするんだね・・・すっごく具体的にお話進んでるじゃないですか

ダリアちゃんは知ってたの


「小学校の時からご両親同士では決めてたような話は私も聞いたことあるよ。噂じゃなかったんだね」


「でも でも まだお付き合いしているわけじゃなくて・・・」


「小学校の頃からずっとこんな感じなんだよ。何回もデートしてるのにお付き合いしてないなんて言うんだよ」


それじゃあ リリーちゃんはどうなったらお付き合いなの



「えっと キスとか・・・」

かなり進まないと『お付き合い』じゃないんだ 騎士くんより聖女さまとお付き合いの方が早そうだよ



「妹が困っているなら助けないといけませんね。ポチポチ ポチポチ」

聖女さま 何をしているのですか


「騎士くんのお母さまに『私の妹がキス待ちなのにしてくれないって泣いてます』って連絡しました」


どうして聖女さまが騎士くんのお母さんと連絡しているのですか お友達なのですか


「大切な妹の為なら何でもしますよ。騎士くんが済ませてくれないと私が出来ませんからね。 ふふっ」



聖女さまってからかっているのか本気なのかわからないです。

リリーちゃんあわあわして可愛いです。可愛いですよねダリアちゃん


「さっそく写真に撮って『フェアリー』で公開のチャンスです です」


ダリアちゃん もう『フェアリー』使いこなしてます。


負けません。私もリリーちゃんの可愛いところを撮影です。




「いやぁあ 許してぇ」

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