第25話 きゃああああ

聖女さまのお茶会 楽しくなってきました。

最初は緊張していましたがもう大丈夫です。


リリーちゃんもダリアちゃんも楽しそう 

気持ち良いお部屋でおいしい物いっぱいで楽しくおしゃべりして・・・


なんだかずるいです。わたしだけ初めてです。もっと早く参加したかったです。



「あら いらっしゃい あなたがローズさんね」



・・・誰ですか


部屋に入ってきたのは初めましてのお姉さん

まとめた髪に銀色のバレッタ 薄い緑色のワンピース なんだかリリーちゃんに似ていますね。

いえ 聖女さまにそっくりです。身長もほとんど同じです。


聖女さまのお姉さんですか



「そうよ にじゅうろくさいの聖女ですよ」


やっぱりそうでしたか お姉さんも聖女さまなんですね。でも二十六歳ってちょっと離れていますね。



「お母さま ローズさんに嘘を教えないでください。なんですかその『にじゅうろくさい』って」



えぇぇ お母さんですかっ 本当ですか お姉さんにしか見えませんよ。



「ごきげんよう お母さま お邪魔しています」「ごきげんよう 今日はリリーさんだったわね 可愛らしい名前ね」


『ごきげんよう』って急にお嬢さまのリリーちゃん お母さまって呼んでるの もしかしてお義母さまっ



「リリーさんはお嫁さんに来てくれないのよ。もう婚約者がいらっしゃるみたいですし残念ね」


えぇぇ リリーちゃん婚約者がいるのっ 騎士くんとはお付き合いしていないって言ってたけど別に婚約者がいたのっ



「こ 婚約者なんて えっと騎士くんとは まだ婚約はしていませんし」



『まだお付き合いしていない』が『まだ婚約していない』になってますよ。ダリアちゃん知ってましたか



「リリーちゃんのお母さんからなんとなくそんな話は聞いたけど・・・まだ婚約していないと思う」


わぁ 婚約寸前なんだ・・・ リリーちゃんすごいよぉ 中学生で婚約だよぉ



「お母さま ローズさんが困ってますよ。リリーさんの婚約は冗談ですよ。両家が決めただけですからね」


「セイ姉さま そのお話は あの まだ いろいろと・・・母が勝手に・・・」

 


リリーちゃん 真っ赤ですよ。これは重大なひみつを知ってしまいました。リリーちゃん最大の『ないしょのひみつ』です。



「まだお付き合いしていませんからね・・・」



――――



「お母さま そろそろ本題に・・・」


そうでした。聖女さまのお母さんがどうしてここにいるのですか



「そういえば今日はアイラさんの顔が見えませんね。衣装のお話なら一緒に来るかと思っていたのに残念だわ」


アイラさんって誰ですか 聖女さまのお話に出てきたのアイラ・ミソノさんですか



「そうよ アイラさん うちの娘のお嫁さん候補よ」


えぇぇ 聖女さまお嫁さん貰うんですか



「お母さま そろそろ本題に・・・」



――――



驚きすぎて疲れました。からかい上手のお母さんです。

リリーちゃんは真っ赤になって溶けてます。あれは冗談ではなさそうです。あとで追及しましょう。



「お母さま そろそろ本題に・・・ 衣装を決めるのですよね」


「そうそう ローズさんのドレスを用意しましたから好きなものを選んでくださいな 私は手伝いに来たのよ」


そうでした。今日のお茶会はドレスを選ぶためのお約束でした。

お母さんがお手伝いしてくれるのですね。よろしくお願いします。



§



聖女さまのお部屋を出て、渡り廊下の先は急に和風になりました。最初の角を右に曲がって二つ目のお部屋・・・ リリーちゃん迷わないのですね。さすが聖女さまの妹です。

私は元の部屋に戻れる自信がなくなってきました。離れないでくださいね。置いていっちゃだめですよ。泣きますよ。


部屋に入ると沢山の服が並んでいます。あかねさんのお部屋みたい


「さあ どれにしましょうか 私はこの辺りがお勧めね」


「あかねさんから『可愛いドレス』と頼まれましたから可愛いドレスだけを選んで前に出しておきましたからね」


可愛いドレス『だけ』ですよね。とっても可愛いです。可愛いですけど・・・ いいっっぱいありますよ。

私一着だけしか着ませんよ。



「ローズちゃんは赤のフリフリが良いと思う」

すでにダリアちゃん選んでくれてます。慣れてませんか


「三人である程度揃えるべきでしょうか」


「個性があった方が良いと思います」


「ほら これも可愛いわぁ まずは試着 試着」



気が付いたら鏡の前で下着だけに・・・ 聖女さまのお母さんに一瞬で脱がされてしまいました。抵抗もできない早業です。


スルスルとドレスに変わって・・・ 魔法で変身してるみたい



「黄色もいいわね でももう少しフリルが・・・」


「聖女見習いのケープを合わせてみないと分からないですよ」



どうも私の意思は関係ないようです。



――――



何回着替えたでしょうか いったいどれだけあるのですかっ


途中からお母さんに薦められてリリーちゃんもダリアちゃんもお着換えを始めました。

着替えるたびに写真を撮って確認していたので写真集が出来そうです。ふたりとも可愛いです。


ダリアちゃん さっき面白がって私のおぱんつ姿撮りましたよね。見せちゃダメですからね。

私もダリアちゃんとリリーちゃんの写真撮ってますからね。彼に大公開しますよ。


「やっぱり赤のドレスね。薔薇といえば赤よ」


でも薔薇といえば紫って・・・



「ローズさん それは忘れて良いですからね」


そうですか でもちょっと気になります。



「あかねさんもこのドレスが良いと言ってくれましたよ」


あかねさんも見てくれたのですか あかねさんが選んでくれたのなら私この赤いドレスにします。

明るい赤の上に薄い白のフリルが重なって可愛いのに大人です。



「あかねさんには撮影したデータを全部見て決めてもらいましたからね。可愛いって喜んでいましすよ」


あかねさんも一緒に選んでくれたなんて・・・えへへ 嬉しいです。


あれ 撮影したデータ全部って・・・ おぱんつ・・・


「全部見てもらいましたよ。とっても可愛いって」


きゃあああ あかねさんに見られてしまいましたぁ  聖女さまを止めてませんでしたぁ


まあ・・・ あかねさんになら見られても・・・ ちょっと恥ずかしいですけど


見られてしまいましたから今度は私があかねさんのおぱんつ姿を・・・ きゃあああ



「どうしたの ローズちゃん」「顔もドレスも真っ赤で可愛いです」



「やっぱり女の子はいいわねぇ」


「目の前にあなたの娘がいますよ。お忘れですか 可愛い女の子ですよ。じゅうななさいの美少女ですよ」


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