第24話 女同士って変ですよね

聖女さまのお部屋でお優雅にお茶会おランチでございます。

おほほほでございます。


おケーキはどのように食べればよいのでしょうか

おフォークとおスプーンを使ってお優雅にお皿に・・・


うわぁぁ どうしたら良いのかわからないよぉ



「サンドイッチ美味しいよ」


美味しそうに頬張るダリアちゃん 普通に手で取って食べればよかったのね。


「スコーンはクリームを付けて食べるとおいしいですよ」


リリーちゃんお勧めのクリームを付けると甘さ控えめだけど甘い香りがします。素敵です。



「よくわかりましたね。ローズさんに合わせて薔薇の香りをつけてみました。いかがですか」


お嬢さまのお茶会ってこんなに細かいところまで気を遣うんだぁ

よく見るとテーブルクロスにお花の刺繡がしてあります。何のお花ですか


「ライラックというお花をモチーフにしたクロスを使ってみました。少しは聖女らしいでしょうか」


「ライラックの花言葉には『初恋』という意味もあるそうですよ。さあ ローズさんの初恋を聞かせていただけませんか」



聖女セイさま にっこりとしてこちらを見つめてきます。目がキラキラしていますよ。

きっとこのお話をするためにライラックのテーブルクロスにしたんですよね。

これは恋バナしないと帰してもらえないのでしょうか


どうしたら良いのぉ リリーちゃん・・・ リリーちゃんもキラキラして待ってました。

ダリアちゃんなんて小さく拍手して待ってますよ。


聖女さまはあかねさんのお友達ですよね。お話しても大丈夫ですよね。



――――



まずはお礼を言わなければいけません。


『不思議なお手紙』を書いてくれてありがとうございました。占いも嬉しかったです。とっても嬉しかったです。

お手紙がきっかけであかねさんと仲良くなれました。『特別な妹』になれたんです。

みんな聖女セイさまのおかげです。とっても感謝しているんだけどどうやって恩返ししたら良いかわからないんです。みんなみたいにお嬢様じゃないからおこずかいも少なくて聖女さまが喜ぶようなプレゼントも難しいです。

何でもしますから言ってください。恩返ししたいです。



「ローズちゃん 私たちはお嬢さまじゃないですよ。セイ姉さまだけです」「そうだよ。私 お嬢さまじゃないよ」


でもでも ふたりともスカートつまんでちょんってお嬢さま挨拶出来てたよ。私ケーキの食べ方も知らなかったしお嬢さましか知らないことばかりだよ。



「セイ姉さまに教えていただいたからですよ。私もセイ姉さまにあこがれて覚えたのです」「私もリリーちゃんみたいにお淑やかになってお付き合いしても恥ずかしくないような・・・なんでもないです」


ダリアちゃん 彼のために頑張ってたんだね。いいなぁ 可愛いなぁ なでなでさせてください。



「みんな急にどうしたんですかぁ いっせいに頭なでないでくださいよ。はずかしいですぅ」



――――



「ローズさん 恩返しなんていりませんよ。私も多くの方に助けられてきました。みなさんから頂いた優しい思いをローズさんに渡しているだけです。ローズさんの嬉しそうな笑顔がなによりのご褒美ですよ。

恩返しがしたいのでしたら・・・ 恋バナをしましょうね」



やっぱりそれは決まっているんですね。でも聖女さまにお話ししたかったです。あかねさんのこと



私ね あかねさんが好きなんです。あかねさんに恋しています。

優しくて美人さんで頭もすごく良いんです。スタイル良くておっぱい大きいし着ている服もおしゃれで完璧なんです。あかねさんみたいな大人になりたいんです。あかねさんとお付き合いしていますって言った時にあかねさんが恥ずかしくないような大人になりたいです。

でも女同士って変ですよね。わかっているんです。それでも大好きなんです。何年も前からずっと大好きなんです。


「少しも変ではないですよ。私の学校は女子ばかりの所でした。友人にも女性同士でお付き合いしている方は珍しくありませんでした。何も変ではありませんでしたよ。恋する心が大切です。もっと胸を張って良いのですよ」



聖女さまに言われると嬉しくなります。隠れていなくても良いのですか


「何か言われたくらいであきらめる恋心なのですか そんなに弱い想いなのですか」



そんなことはありません。きっと初めて会った時から恋していました。私の言うことをきちんと全部聞いてくれるんです。大人なのに私のこときちんと考えてくれるんですよ。助けてくれたんですよ。

あかねさんのことあきらめないといけないなんて言われたら・・・ 涙が出て・・・


「あかねさんはね ローズさんに会った後、みんなの前で宣言したの『私はあの澄んだ目を信じたい。泣かせたくない。守り切るからね』名演説でした。あかねさんに反対する人はいませんでしたよ。むしろ全員が参加しようとして収拾付かなくなりましたからね」



私のお願いを聞いてくれたんです。かっこよかったんですよ。今も守ってもらってばかりです。


「あの時からローズさんはあかねさんにとって『特別』になっていたのですよ」


そんなに前から特別だったなんてちょっと恥ずかしいです。 あかねさんもっと好きになっちゃいます。



「良い笑顔です。ローズさんが笑顔になればあかねさんも喜びますよ」


ありがとうございます。あかねさんが喜んでくれたら嬉しいです。

・・・でも聖女さま どうしてあかねさんの言ったことまで知っているんですか もう何年も前の話ですよ 会社の人しか知らない話ですよ。


「あら どうしてでしょうね」


そういえば母も父も『聖女さまにはあかねさんとおなじくらいお世話になっているのだから失礼のないように』って言われました。聖女さまもあかねさんと同じ会社の人ですか


「私は同じ会社の人ではありませんよ。じゅうななさいですからね。お仕事はしていませんよ」


あかねさんも十七歳って言ってました。でも何だか変ですよ。聖女さまは何をしている人なのですか



「それはないしょのひみつです」


きっとひみつだと思いました。あかねさんも教えてくれないです。リリーちゃんは知ってますか 妹だから何か知ってますよね。


「多少は知っていますが・・・ 困った人たちを助けていると


 『くしゅん』


セイ姉さまどうされましたか 風邪でしょうか」



「何かうわさをされたような気がしました。きっと気のせいですね」



困った人たちを助けているってあかねさんもそうですよ。困っているときに助けてくれたんです。



「あかねさんもセイ姉さまのように特別な術を使われるのでしょうか」



あかねさん 特別な術を使えるんですか 魔法使いなんですか


「そうね あかねさんなら術を使えるはずです。 今度会った時に使ってもらいましょう」




――――



 『くしゅん』

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