第21話 アダルトアリス


『cafe不思議なアリス』準備委員会 in 図書準備室



私たちだけじゃなくてイベント全体で仮面舞踏会するんだよね。

他の人たちの意見を聞かなくても良いのですか


「実行委員会本部にはもう伝えたみたいとしてね」


うゎ そんな権力持った人がいるんですか



「こういう時は声が大きい方が勝ちなの どうせみんな手探りで迷っているんだから大きなテーマがあった方がまとまると思うよ」


司書さん 異様に慣れていますね。


「今までいろいろとあったからね いろいろと・・・ふっ(遠い目)」


これは聞いちゃいけないやつですね。



――――


司書さんもコスプレするんですよね。何にするんですか。

たいやきさんはたいやきの被り物で決まりですから良いですけど


「たいやき被りません。しおんちゃんって私に厳しくないかな」


いえいえ そんなことありませんよ。なんだかおもしろいなって


「中学生に遊ばれる私って・・・」


「たいやきさんは優しい人だからしおんちゃんが甘えているんですよ」「たいやきさんは優しいです」


「まあそう言われると・・・」



――――



「不思議の国関係なら時計ウサギかチェシャネコが定番かな それともハンプティダンプティ」


不思議の国のアリスさんはやらないのですか


「それは店長がするからね」


「私たちも三人そろって聖女見習いですから、三人そろってアリスさんはどうですか」


「司書さんはうさぎ耳つけて、たいやきさんはネコ耳つけましょう きっと可愛いです」


司書さんはバニーガールでも良いですよ。あかねさんが服を持ってましたから貸してもらいましょう。



「あかねさん 何やってるの・・・ でもウサ耳アリスは良さそうね。たいやきちゃんはネコ耳ね」


可愛いです。絶対可愛いです。



「すぐに手配するね」 速っ



――――



「それぞれ名前も考えないとね。仮面舞踏会だから本名は使わないんだよ」


それなら聖女ちゃんとトテちゃんはそのままでも使えるね。たいやきさんもそのまま使えます。

私と司書さんだけですね。



「仮面付けてたいやきなんて嫌です」「私もいつもと違う名前が良いな」「そうですね 違った自分になれそうでわくわくしますね」


「役の名前があればそのまま使えるけど全員ないからね」


えっと 私が決めますっ 


聖女ちゃんがリリーちゃん トテちゃんはポルカドットちゃん 司書さんはマリアさん たいやきさんはナンシーさん


「リリーって可愛らしいですね」「私の名前意味が分からないよ。それに長くて言いにくいし」

「マリアって聖女さまっぽいかな」「なんでナンシーなの」


何となく勢いで決めました。


「「良いと思うけど」」「「良くないです」」


ちぇっ


私の名前は何が良いかな 聖女見習いだから可愛いのが良いよね 



「たこやきちゃん」 何でですかぁ 「何となく」


「名前にあるから紫が良いかな・・・ 紫式部」 豪華すぎませんか それに私だけ和名なの


「それでは英語でバイオレット・・・ バイオレット・エヴァーガーデンちゃん」 名作ですけどっ 美人さんですけどっ 長いですよぉ



――――


「まとまりそうもありませんので私たち三人の名前は司書さんにお任せします」


「それじゃあ 聖女ちゃんはそのままリリー トテちゃんはダリア しおんちゃんはローズでどうかな。 花の名前で統一してみたよ」



「私は気に入りました。リリーでお願いします」「私もダリアは好きな花です。花言葉『気品』ですよね」


私がローズなんてかっこいいです。お嬢様です。おほほほです。でもどうしてローズなのですか



「昔から紫といえば薔薇って決まってるのよ。『紫の薔薇の人』ってね」


紫の・・・ 誰ですか



「うわぁぁん ネタが通じないよぉ たいやきちゃんはわかるよね」


「私も知識では知っていますが、しおんちゃんは無理でしょ」


「しおんちゃん なんて恐ろしい子・・・」


「だから先輩 通じないって言ってるじゃないですか 世代が違いすぎます」


よくわかりませんが紫のバラってかっこいいですよね。気に入っちゃいました。私はローズちゃんです♪



――――



「三人のアリスさんはどうしましょう。店長さんは役名がありますからそのままアリスさんでも良いですよね」


「でもうさ耳アリスさんとねこ耳アリスさんは役名ないよ。統一しようよ」



「それなら ラン スー ミキ」


どうしてですか


「先輩 懲りませんね 先輩はアダルトアリスにしましょう」


なんだかえっちです。



「仕方ないなぁ アリー エリー エルシーにしましょう。全部アリスの愛称だよ」


「先輩やればできる子ですね」


「私は愛しのエリーね」


「先輩・・・」



――――



「それでは慣れるためにも今日からイベントが終わるまで名前を変えます」



「ローズちゃんはお茶会の日程を決めましょう。お姉さまの都合もあると思いますので早めにお話しましょうね」


いよいよお茶会ですね。ローズちゃんがお茶会です。名前もお嬢様です。おほほほ

私はいつでも良いですよ。明日でも大丈夫です。



「あっ お姉さまから連絡です。明日の日程で良ければお茶会しませんかって」


聖女さま どこかで見ていませんか 話が早すぎます。ちょっと怖いですよ。



「お姉さまはなんでもわかっていますよ。怖くなんてないですからね」


何でも分かっている時点で怖いんです。 聖女ちゃ・・・ リリーちゃんのお姉さまだから信頼できますけどね。



「それでは明日のお昼 広場に集合ですね」


お昼って食事してから集合だよね。 でも広場ってどこ



「お姉さまのお茶会はランチだと思います。ローズちゃんは広場のこと知らなかったんですね。私の家に集合しましょう」 


リリーちゃんの家ならわかります。でも聖女さまと一緒にランチなんて緊張します。



「楽しんでおいで 聖女さまも『仮面舞踏会』参加してくれるって連絡があったよ」


「司書さんとお姉さまは連絡を取っているのですか もしかしてお友達ですか」


「いろいろとあってね。聖女さまは『聖女セイ・タカナシ』になってくれるそうだよ。『セイさま』だね」


聖女さまはセイさまになるんだね。それってコスプレになるのかな 聖女さまが聖女さまのコスプレって・・・


セイさま どんな人だろう


お茶会楽しみです。 おほほほ

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