第17話 カ・イ・カ・ン♪


「しおんちゃん みんなに質問攻めにされますよ」


大丈夫です。いざとなったら図書準備室に逃げますっ



「それは大丈夫って言わないと思うよ」


でも自慢したいんだもん おうちデートだよ

トテちゃんも聖女ちゃんもおうちデートしたことあるよね。絶対あるよね。



「私 まだおうちデートはしたことないです」


んっ トテちゃんおうちデート「は」したことないのですか

やっぱりデートしているのですね。お付き合いしていないのは信じますけどデートはするんだぁ いいなぁ


とっても仲良しなのにどうしておうちデートはしないのかな

お部屋で読書デートなんてトテちゃん似あいそうだよ。



「親には話をしていないので・・・」


そっかぁ お付き合いを家族に話すのはなんだか照れくさいよね。



「聖女ちゃんはご両親公認なんだよ。小学校の時から家族でのお付き合いだからね」


小学校の時から公認なんて聖女ちゃんどんなお付き合いしてるのっ



「お付き合いはしていませんよ。おうちにはお邪魔したことはありますが・・・ デートではないですよ」


聖女ちゃん お付き合いしていないってかなり無理があるよ。



「お姉さまのおうちならお泊り会もしましたよ。あかねさんのお部屋にお泊りできると良いですね」


・・・聖女ちゃん 露骨に話題変えましたね。かなり下手ですよ。


でもお泊りできるといいなぁ きっとイチャイチャできるよねぇ



「しおんちゃん ちょっと声大きいよ。 みんなすごいこと考えてるよ。どうなっても知らないよ」


「先生がいらっしゃいましたよ。席に戻りましょうね」


次は・・・ 英語だぁ・・・ はぁぁ



――――



「ねぇ しおんちゃんデートしたの」


「いつから付き合ってたのよっ 全然聞いてないよ」



授業が終わったとたんに友達に囲まれました。トテちゃんの予想通りです。

でもこんなに熱く迫られるのは予想外でした。



昨日デートしてきたんだよ。おうちに行って一緒にクッキー作ったりして楽しかったぁ

でもまだお付き合いはしてないよ。「まだ」お付き合いはしてないからね。



「しおんちゃんまで『まだお付き合いしていない組』に入っちゃったよ」


「聖女ちゃんのまわりって内緒でお付き合いするよね」


「いやいや 全然内緒じゃないっしょ ちょー有名人ばっかっしょ」



そっか 私もお付き合いしていないけどデートしたんだ。聖女ちゃんたちもこんな感覚なのかな。



「相手は誰なの 私の知ってる人じゃないよね」


「聖女ちゃんに紹介してもらったとか」


「もしかしてこのクラスっ」



えっとね 多分知らない人だよ。だって年上だもん



「年上なの 大人のお付き合いってやつなの」


「この学校の先輩でしょ 三年生の」



あのね この学校じゃないよ 十七歳だって



「高校生かぁ しおんちゃん大人だ・・・」


「どこで知り合ったの ナンパじゃないよね」



私の家によく来てくれてたから仲良くなったんだよ



「わっ 両親公認だ 聖女ちゃんのまわりって恋愛つよつよだよね」


「やっぱり聖女ちゃんは不思議な力があるんだよ」


「それ聞いたことある 占いもすごく当たるって」



私も聖女ちゃんに相談したよ



「私も相談したらデートできるかな」


「あっ 先生来ちゃった」


急いで席へと戻るクラスメイト



惚気てしまいました。これですよ。こんな恋バナ自慢したかったのですよ。


カ・イ・カ・ン♪



聖女ちゃんとトテちゃんはずっと離れてたけど・・・  そんな目で見ないでくださいよぉ



――――

――――



「聞いたよ。おうちデートしたんだって」



図書準備室


司書さんにもご報告・・・ と思ってきたのですが噂の方が早く到着していました。 



「十七歳のお相手と大人の恋 クッキングデートなんて新婚かっ・・・ ってところまでは聞いたわよ」


あははは ほとんど聞いていますね。



「憧れのあかねさんは十七歳だったんだね。意外と歳近いじゃない」


それがですね。十七歳であって十七歳ではないと言いますか・・・



「それが聖女さまのご友人だったそうです。ちょうど同い年で十七歳と教えていただきました。でもお姉さまもあかねさんも十七歳とは思えないのです」


聖女ちゃんもそう思うよね。



「なるほどね。聖女さまのお友達なら十七歳に間違いないよ」


えっ 司書さんはあかねさんが十七歳だと思うのですか

あかねさん お仕事していますよ。英語もプログラムもできておっぱい大きいですよ。



「うん 間違いなく十七歳だよ のあかねさん」


んっ 何か発音に違和感が・・・



「そこは乙女の事情ってやつだよ。しかし聖女さまのお友達とはすごい人に恋しちゃったね」


司書さんから見てもあかねさんはすごいと思いますか



「聖女さまのお友達ってことは『あっち側の人』だろうしおっぱい大きいらしいからね」


あっち側ってどこですか

えっと聖女さまの側って、勇者さまとか魔術師さんですか



「あはは まあ 当たりかな」


聖女ちゃぁん わかんないよぉ



「私は何となくわかる気がします。聞いただけでも気品を感じますしおっぱい大きいそうですからね」



聖女ちゃんはなにか知っていそうですね。気品ある十七歳はおっぱい大きいようです。



「でも聖女さまはあまり大きくないよ」


トテちゃん 絶対に怒られますよ。



――――



「そんな幸せいっぱいの君たちにお願いがあります」


司書さんにはいつもお世話になっていますからね。何でしょうか



「イベントの手伝いをしてくれないかな」



お手伝いしたいですけど私でもできますか



「君たちなら大丈夫 むしろ適役かな イベントでcafeを開くからウエイトレスをして欲しいの」



ウエイトレスさんですか 注文とか間違えそうです。



「注文はカウンターでしてもらうから君たちはテーブルまで運ぶだけだよ」


それならなんとかできそうです。



「私もお手伝いさせてください」


「私も参加します」


聖女ちゃんとトテちゃん 美少女がいれば売り上げもアップですよ。



「それはありがたいね ぜひお願いするよ」


任せてください。頑張りますっ



「そうそう 衣装はこっちで用意するからね」


衣装まであるのですか 衣装・・・ 制服ではなくて衣装・・・



「しおんちゃんはメイド服ね」



えっ メイドさんなのぉぉ

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