第11話 おまえに娘はやらん

明日はお休み 週末は学校帰りからすでに浮かれてしまうのです。


あかねさんに会いたいなぁ



聖女ちゃんの聖女さまが作ってくれた不思議な手紙


これをあかねさんに渡すだけで仲良くなれるという不思議な手紙


疑うわけではありませんが大丈夫でしょうか


謎過ぎますよね 手紙を見てすぐに仲良くなるわけないですよね。



聖女さまの力で『仲良くしなさい』と命令すると仲良くしなければいけなくなってしまうのでしょうか


・・・それはなんだか嫌だなぁ


でも聖女ちゃんがお勧めするのだから間違いないよね。悪い人ではなさそうだし



まずは渡してみましょう。


あかねさん いつ来てくれるかなぁ



――――



玄関を入るとおしゃれな靴  あかねさんだっ



「今日はシュークリーム持ってきたよ 自信作だからね」


あかねさん お祈り通じました。 お祈りして次の日に来てくれました。


聖女ちゃんの聖女さまみたいに便利機能搭載のあかねさんです。



「お祈りってなにしたの」


あかねさんに会いたいって思っていたんです。


でね でね 渡したいものがあるの 待ってて



急いで手紙を持ってきます。


どうか仲良くなれますように



あかねさん これを・・・



「どうしたの この手紙・・・ えっ どうして しおんちゃんが・・・」


手紙のスタンプを見ただけで驚くあかねさん

スタンプが特別だったみたいです。


あのね あのね お友達の聖女ちゃんって子にお願いしたの



「そうだったの お友達だったんだね 聖女ちゃん」


そうなの 自慢のお友達なの


あかねさん 聖女ちゃんのこと知っているの 



「あの有名な聖女さまの妹さんでしょ 噂には聞いてるわ」


そんなに有名なのですか でも本当の妹じゃないよ



「わかってるわよ さて聖女さまが私にどんな用事かしらね」


聖女ちゃんまで有名なようです。完璧美少女だから有名人かも



あかねさん カバンから何かを取り出して封筒の端をスッと・・・ あれ 封が開いてる。


手紙を取り出すとふわっと良い香り 聖女さまの特別な香りでしょうか



読み終えたあかねさん とっても優しい笑顔



「しおんちゃん 明日予定空いてるかな」


空いてます。ずうっと一日空いてます。



「それじゃあ 一緒にクッキー作ろうか 私の家で」

 


あかねさんのクッキー 大好きです。 作ります。一緒に作りたいです。



あかねさんのお家で・・・  え えええええっ あかねさんのお家っ



――――



手紙に何が書いてあったのか 結局教えてもらえませんでした。残念


でもあかねさんのお家にお邪魔することになりました。


しかも一緒にクッキーを作ります。夢のようです。



トテちゃんもお姉さんと一緒にお菓子を作ったって言ってました。


これで私もあかねさんと仲良しと言っても良いのではないでしょうかっ




あの後 あかねさんが母とお話をしてお出かけの許可が出ました。反対されても行きますけどねっ


当日は母にあかねさんのお家まで送ってもらう予定


服も選んで明日を待つばかりです。



ベッドに転がってまずは聖女ちゃんにお礼と報告です。


あかねさんから誘われてお家にお邪魔することになりました。クッキーを一緒に作るんです。

あの不思議なお手紙 本当に効果があったよ


聖女ちゃん ありがとおぉ



「心配しなくても大丈夫でしたね。やはりお姉さまの力はすごいです」


うん 何かわからないけど急に誘ってもらえたよ。今でも夢みたい 不思議だよ


それにね あかねさん 聖女さまのこと知ってたよ。有名だって



「お姉さまはとても有名ですよ。優しいですからね」


凄い人なんだね。でもね 聖女ちゃんのことも知ってたみたい。


聖女ちゃんも有名みたいだよ。



「あまり目立つつもりはないのですが、きっとお姉さまの影響ですね。私だけでは噂にもなりませんよ」


いやいや 完璧美少女が何を言うのですか



「明日が楽しみですね。思い切り甘えてきてくださいね」


そうだね アドバイスもらったからね。 甘えてきます。



――――



トテちゃん あかねさんのお家にご招待だよ。

相談に乗ってくれてありがとうね。仲良くなれそうだよ。すっごく仲良くなれそうだよ。



「やりましたね。やっぱりお姉さまの力は万能です」


封筒を見ただけで聖女さまの手紙だってわかったんだよ。あかねさんもすごいと思う。



「手紙は何が書いてあったの」


それが教えてもらえなかったんだよ。あかねさん いじわるです。



「気になるね。やっぱりお姉さんはみんな謎ばっかりだよ」


トテちゃんも謎が多いよ 聖女ちゃんもね モテる女は謎が多いんだよ


そうだ 聖女さまのことも聖女ちゃんのこともあかねさんは知ってたよ。有名だって



「お姉さまは有名だよ。聖女ちゃんも有名だよね。

 あちこちで人助けしてる美少女だよ。当然うわさになるよ」


人助けは学校だけではなかったんだね。聖女ちゃんらしいなぁ



「あかねさんの家はどこにあるの」


私の所から車で15分くらいだって、地図で見たらトテちゃんの家の方が近いみたい



「どんな家かな。お休みだからきっとご両親いるよね。挨拶しなきゃダメだよ」


ご両親いるよね。どうしよう。緊張してきたよ。

『お前には娘はやらん』って言われたらどうしよう。



「しーちゃん 何の挨拶するつもりなのかな。まだ早いでしょ」


そうだね。まずはお付き合いしているしおんです。だよね。



「それも早いと思うよ」



――――




あかねさんのお家 どうして誘ってくれたのかな


笑っていたから大丈夫だよね。聖女さまに命令されてないよね。


もしかしてあかねさんも私のこと好きなのかな



あぁぁ 眠れないよぉ


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