第9話 不思議な手紙

英語苦手です。和訳するためにどれだけ時間をかけるのでしょうか


もうAIでパパっと済ませた方が良いですよね。

英語を勉強する時代は終わったのです。

英語の授業は廃止しましょう。 


さあ 立ち上がれ我が同志たちよ



「しーちゃん そんなこと言っても宿題は無くならないよ」


そこはアイちゃんにお願いしてですね



「アイちゃんは優秀だけど頼っちゃだめでしょ アイちゃんも書き取りは手伝ってくれないよ」


そうなんですよね。アイちゃん代わりに書いてはくれないんですよね。



「アイちゃんってAIのことですか 可愛い名前ですね」


でしょ でしょ 可愛いでしょ



「でもお勉強しないとあかねさんみたいになれませんよ」



聖女ちゃんがお母さんになってるぅ 正論でいじめないでください。


あかねさんは優秀すぎるのです。英語以外にも外国語わかるみたいです。しかも複数

絶対に十七歳じゃないですよね。


私が頑張っても追いつけそうにありませんよ。



「宿題終わったらご褒美がありますからね。楽しみにしてください」


さあ 宿題やっつけちゃいましょう。



――――



終わったぁ 終わったよぉ 聖女ちゃん ご褒美ちょうだい



今日はいつもの三人で勉強会 in 私のお部屋


勉強会と言いながらも私が二人から教えてもらう会です。

いつもありがとうございます。



お礼にとっておきのクッキーをお出ししましょう。

なんとあかねさんの手作りですよ。美味しいですよ。



「ほんとだ 美味しい」


「優しい甘さですね。いくつでも食べられそうであぶないです」



あかねさん特製クッキー最高です。


食べるとあかねさんみたいになれるのです。


おっぱい大きくなって英語もできるようになるのです。



「それは無理だと思う」


トテちゃん 冷静なのですね。 泣きますよ。 夢ぐらい見させてくださいよ。



「きちんと宿題を終えたので、しおんちゃんにご褒美ですよ」


聖女ちゃんがカバンからていねいに取り出したのは一通のお手紙でした。

お姉さんからのお手紙ですか さっそく読んでみましょう。



「しおんちゃん 開けてはだめですよ」


えっ 私へのお手紙じゃないの



「お姉さまに相談したら お手紙を書いてくれました。

 これをあかねさんに渡すと仲良くなれるそうですよ」


仲良くなれる手紙・・・

もしかしてラブレターを代筆してくれたのですか 恥ずかしいですよ。

それにラブレターは自分で書きたいです。



「お姉さまはそんなことしませんよ。このお手紙は封筒に特別な術が使ってあるんです」



そう言われて改めて手元の封筒を確かめます。


きちんと宛名が書いてありました。


『あかねさんへ』


万年筆でしょうか 少し青さを感じる黒のインク 細くやわらかな文字です。



白い四角い封筒 立派な封筒で紙の厚さを感じます。

少しざらっとした感触 よく見ると薄く植物の模様が入っています。豪華ですね。


そして封筒の綴じ目に蝋のスタンプが押してあります。


シールじゃないです。

蝋燭を溶かして上からぎゅっとしたスタンプですよ。


パステルカラーの水色にほんのちょっぴり白が混じっている蝋燭

どうやって混ぜたのかわかりません。綺麗な色です。


ぎゅっとしたスタンプは雪の結晶を手で包み込んでいる模様 何のマークでしょうか


こんなにきちんとしたお手紙もらったことが無いです。


光にすかしてみても何も見えません。残念


どうやって開けるのでしょうか

ぺりっと開けたらせっかくのスタンプが割れてしまいそうです。もったいないですよね。



「しおんちゃん 開けてはだめですからね。効果が無くなってしまいますよ」



いけません 思わず開けたくなってしまいました。


今のうちに机にしまっておきましょう。


不思議な封筒です。渡すだけで仲良くなれるなんて信じられません。

聖女ちゃんを疑っている訳じゃないですよ。



「お姉さまが作ってくれたものなら大丈夫だよ。きっと上手くいくからね」


トテちゃんも信頼しているのですね。

そういえばトテちゃんも彼を捕まえたのはお姉さんのおかげでした。



「捕まえてません。・・・えっと ・・・隣にいるだけです」


トテちゃん可愛いです。なでなでしてあげます。



「占いもしていただきましたよ。私ではなくてお姉さまの占いですからね。参考になると思いますよ」



水色の大きな封筒 聖女ちゃんが曲がらないように大切に持ってきてくれました。

こちらも封をしたところに蝋をぎゅっとするスタンプが押してあります。


きちんと「しおんさんへ」と書いてあります。私宛ですね。開けても良いですよね。


・・・どうやって開けましょう。ぎゅっとしたスタンプ崩したくないよ



「ペーパーナイフを使うときれいですよ」


可愛いペーパーナイフを貸してくれる聖女ちゃん

えっ これって持ち歩くものなの



「きっと使うと思って持ってきました。役に立ってよかったです」


さすが完璧美少女です。



「はやく開けよっ 開けよっ」


トテちゃん急かさないでください


私もドキドキなんですよ

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