第7話 二匹目

 草原を歩く。


 ここら辺はモンスターがいないな……と思いきや、気配を感じてタクトは立ち止まる。


『ぴぃ!』

『ぴ、ぴ、い』


 サスケが鳴くと、それに応えるように声が返ってきた。

 スライムが草むらから現れ、仲間になりたそうにタクトを見ている!


「あれ? おまえ……」

 それはタクトが仲間にするのを断ったあのスライムだった。

 どうしても仲間になりたくて追いかけてきたようだ。

 本来、同一種族のモンスターの二匹目は仲間にできる確率がかなり低くなるもの。それはスライムであっても同様と思っていたのだが……。

 タクトは少し悩んだものの、このスライムも連れていくことにした。


「わかった、わかったよ。今日からおまえも僕の“ともだち”だ。よろしくな! ええと……名前はどうしようかな……うん……今日からおまえはリロイだ!」

『ぴぃ!』

 スライムのリロイは飛び跳ねて喜んだ。


『ぴぃ、ぴぃ!』

「って、あ、あれ? どこ行くんだよ?」

 リロイはぴょんぴょんと飛び跳ねて行ってしまう。

『ぴーい!』

 どうやら、こっちに来て、と言っているようだ。タクトには何となくそれがわかった。


 リロイはぴょんぴょんと跳ねて進んでいく。タクトは案内に従い、早足で歩いていく。一体どこに連れて行こうとしているのか。

 黙々と歩くこと半刻。彼らはある場所へとたどり着く。


 そこは──。

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