第229話 そうだね。私の依怙贔屓の塊だね
恭介と麗華が格納庫に戻ったところで、それぞれのゴーレムのコックピットにバトルスコアが表示される。
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バトルスコア(VSクトゥルフ神話)
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出動時間:2時間1分47秒
撃破数:クティーラ1体
ディープワン108体
忌まわしき狩人64体
ヤマンソ26体
グール35体
ビヤーキー59体
マガ鳥47体
ショゴス164体
ダーク・ワン2体
ルリム・シャイコース1体
ダオロス1体
クトゥルフ1体
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総合評価:S
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報酬:資源カード(食料)100×20枚
資源カード(素材)100×20枚
200万ゴールド
ファーストキルボーナス:ルーナの導き
???の設計図
ノーダメージボーナス:魔石4種セット×200
ギフト:
コメント:ルルイエ侵攻作戦成功おめでとう!
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(色々とツッコミどころの多い戦果だな)
ルーナの導きという胡散臭い名前のアイテムに加え、どんなゴーレムの設計図かわからない???の設計図、出撃前よりも3つ上がったギフトレベルと来れば恭介がそう思うのも当然だ。
「ルーナ、説明してくれるんだろうな?」
『勿論だよ。簡単なことから説明するね。ギフトレベルが3つ上がったのは、クトゥルフと戦った時にギフトを使った恭介君と麗華ちゃん、沙耶ちゃん、晶君の4人だ。そのおかげで、沙耶ちゃんと晶君もこれからは私のことをフォルフォルじゃなくてルーナだって認識できるようになった。後は、ギフトに派生能力が解禁されたね』
クトゥルフはかなりしぶとい敵だったから、ギフトレベルが3つ上がった理由として納得できた。
沙耶と晶も恭介と麗華に操縦の腕で劣るとはいえ、実戦経験はかなり豊富だからギフトを使ってなお被弾させられたクトゥルフが強過ぎたのだ。
「それは今後に役立つから良いことだ。???の設計図ってなんだ? GBOにはなかっただろ」
『???の設計図はね、使用者の願望を取り入れたゴーレムを作成できる設計図だよ。ただし、ドラキオンはギフトレベルの上昇によって強くなる機体だから、ドラキオンと同等のゴーレムは設計できないけどね。ドラグレンとドラクール、ドラストムぐらいのゴーレムならギリギリ設計できるよ』
「ありがたい設計図なのはわかったが、今のところ使う予定がないな」
『ところがどっこい。恭介君は使うことになるんだよね』
「どういうことだ?」
自分に使う気がないのに???の設計図を使うことになると言われれば、ルーナに詳しく話せと言うのも当然だろう。
『フッフッフ。ルーナの導きというアイテムがあるでしょ? それを使うことで、
「え? どゆこと? ギフトが変化すんの?」
『恭介君はもっとドラキオンを強化したいと思ったことはないかい?』
「そりゃないと言えば嘘になるけど」
恭介の反応を見てルーナはニヤリと笑みを浮かべる。
ここでないと強く否定されたら話は終わりだから、余裕そうに見えて実は半分以上ホッとしているのだが今は置いておこう。
『ルーナの導きは文字通り私の導きだよ。これを使って恭介君の
「合成か。つまり、ギフトを発動すればドラキオンがドラグレンやドラクール、ドラストムの力を使えるようになると?」
『その通り。それで、ドラグレンとドラクール、ドラストムの設計図を使ったら恭介君が持つベースゴーレムだけが3つ残っちゃうでしょ? だから、???の設計図を使うことになるんだ』
「そういうことか。早速、ルーナの導きを使おう」
『よし来た!』
状況が理解できたら恭介の決断は早い。
ルーナの導きを使うことで、ドラキオンとドラグレン、ドラクール、ドラストムが光に包み込まれる。
光の中で4体のゴーレムが合成され、光が収まった時に恭介はドラキオンよりもグレードアップしたシートに座っていた。
『おめでとう!
「コックピットにいるとわからないんだが、どんな外見になってるんだ?」
『恭介君はしょうがないなぁ。特別に正面や後ろ、横から見た画像をモニターに映し出してあげよう』
ルーナの口ぶりにイラっとした恭介だったが、映し出されたドライザーの画像を見てルーナの口ぶりなんてすぐに忘れた。
ベースはドラキオンだが、コックピット下にドラグレンの
三対の翼は形こそ異なるが
そして、ドラストムの要素として嵐の鎧を自在に纏えるようになったから、トップスピードに到達せずとも嵐がドライザーへの攻撃を阻む。
武器としてラストリゾートと竜鎮魂砲も残っているものの、カラーリングが属性に囚われない黒い竜人型ゴーレムになっているから、恭介の他の誰にも乗ることのできない唯一無二の機体と言えよう。
「ルーナ、ドライザーの属性はどうなってる?」
『気づいちゃったね。実は、コックピットに四色のボタンが増えてるんだ。このボタンを押すまでは無属性で、ボタンを押すことで属性とカラーリングが変化するんだ』
「GBOの制約が取っ払われてるじゃん」
『そうだね。私の依怙贔屓の塊だね』
その通りではあるものの、ルーナの言い方には悪意しか感じられないから恭介は苦笑した。
依怙贔屓されている自覚はあるけれど、それをルーナ自身が言ってしまうのはどうなんだろうと思うのは当然である。
「ところで、ファルスピースとウェイルスカイ、アンヒールドスカーはそれぞれのベースゴーレムが装備したままなんだよな?」
『うん。そのせいで、今は
これにも恭介は苦笑してしまった。
だが、ベースゴーレムという初期のゴーレムにファルスピースとウェイルスカイ、アンヒールドスカーはアンマッチな武器だから、ルーナの言う通りで誰もが違和感を覚える状態なのだ。
「その辺は早急にどうにかしないとな。手始めに、普段使いするゴーレムを考えよう。???の設計図を使って新しいゴーレムを決めなくては」
恭介は???の設計図を使ったことで、モニターに現れた白紙の設計図に自分が求める要素を打ち込んでいった。
ドラシリーズがドライザーに統合されたため、恭介は普段使いする他の機体に竜人型ゴーレムを使うのは止めた。
ドラシリーズを超える竜人型ゴーレムはないという自信があってのことである。
入力作業が終わったところで、ルーナがそれを見て顔を引きつらせる。
『欲張り過ぎじゃない?』
「普段使いしてるゴーレムからドライザーに乗り換えるんだから、それぐらいのスペックは必要だろ」
『それはまぁ、そうだね…。うん、じゃあ要望を形にするよ』
ルーナが恭介に押し切られ、モニターと???の設計図が光に包み込まれる。
光が収まったところで、モニターの表示が消えて設計図が変化していた。
『はい、完成したよ。マーヴェリックの設計図だ』
「ありがとう」
恭介はすぐに
それからすぐにマーヴェリックの設計図を挿入することで、ベースゴーレムがマーヴェリックに変わる。
マーヴェリックはGBOに存在しないゴーレムで、Xを模る二対の翼を持つ翼人型の機体だ。
二対の翼には銃が仕込まれているだけでなく、着脱自在なビットにもなっている。
武器はドラグレンからファルスピースを引き継いでいるから、専用兵装がなくても普段使いするには十分と言えよう。
その後、マーヴェリックのコックピットから出て来た恭介を見て、麗華達がドライザーとマーヴェリックについて質問攻めしたのは言うまでもない。
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