第3話

なんやかんや、母の手伝いや雑談などしていると時間が過ぎ、お昼近くなり、広場に向かう2人。

広場に着くと、大きなテントが設置されており、その付近では神官と村長が式の進行について、話し合っているようだ。


式の参加者は、マモルを含め、3名のようで各自の母親と集まり、会話している。

全員が集まったことを確認した村長が皆に聞こえるように話し始めた。


「では、これよりスキル判定式を行う。こちらは神官様のコウヘイ・ナンジョウ様である。今日のスキル判定式を執り行ってもらうので、失礼はないように」

「ご紹介いただいた、コウヘイ・ナンジョウです。ここより南に位置する都市で神官の地位をいただいております。皆様、よろしくお願いします」


村長が神官を紹介し、スキル判定式の流れを説明していく。


「式の流れとしては、スキルを判定する子供は神官様に呼ばれたら、子供だけテントに入り、個別でスキルを判定いただく。その後は、一旦この場は解散となり、実際にスキルが発現している子供がいた場合、神官様が夕方にスキル持ちの子供の家に行き、スキルの詳細を教えていただけることになる。全家庭の母親たちは今日のご飯は念のため、神官様の分も用意しておくように」


何か質問があるかと、村長は言い、皆を見回す。


「何もないようなので、これより式を始める。では、神官様よろしくお願いします。」

「はい。では、ヤオヤ君、ヒカル君、マモル君の順番にスキルを判定していくので、ヤオヤ君はテントに入ってください。」


緊張している様子で、テントに入っていくヤオヤと神官。

マモルは、母にこっそりと声をかける。


「これって、どのくらいかかるの?」

「まあ、一人10分くらいだから、すぐに終わるわよ」


そうなんだと返すマモル。その後、確かに、10分ほどでヤオヤがテントから出てきて、神官はヒカルをテントに呼んでいる。

ヒカルもテントから出てきて、次が呼ばれる。


「マモル君はテントに入ってください。」

「じゃあ、母さん行ってくるね」

「頑張るんだよ」


テントに入っていくマモル。

テントの中には、机と椅子2つが置いてあり、対面に座れるようになっている。


「椅子に座ってください」

「はい、よろしくお願いします。」


椅子に座り、背筋を伸ばしている。さすがのマモルも緊張しているようだ。


「これより、スキル判定を行いますが、いくつか注意点があります。注意点を無視した場合、スキル判定が失敗しますので、気を付けてください。」

「はい、わかりました」


そんな怖いことを言われ、さらに緊張していくマモル。


「1つ目は、スキル判定には長い呪文が必要になりますので、私の集中を乱さないこと。2つ目は、スキル判定中は、机の目印のところに手のひらを乗せてもらいますが、机の上に現れる魔法陣は気にせず、そのまま手を乗せておくこと。なので、椅子から立ち上がったりするなど、大きく動かないようにお願いします。大丈夫ですか、守れそうですか」

「はい、大丈夫です。」

「痛みとかもないですし、動かなければ問題ないので、目を瞑っていても大丈夫ですからね。では、マモル君が問題なければ始めますが、いいですか」


はいと頷くマモルを確認し、手のひらを机の目印に乗せるように指示を出す。

問題ないことを確認し、神官であるコウヘイは、呪文の詠唱を始めるのだった。


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