#11


「はぁ、、疲れた、、、」

私は働いていた。何故かここ、天国と地上の間で。

「おつかれさまだねぇ」

そう言ってキツネさんたちは労ってくれる。

ここのキツネさんたちはあったかい。

キツネさんたちから聞いた情報によると、ここは地上で死んじゃった人が天国に行く前、必ず来る場所らしい。

何も未練がなければ真っ直ぐ天国に行くし、心残りのある人はここでしばらく過ごす。

そういう場所なんだって。

ここでの私のお仕事は迷っている人を見つけ、その人が快く天国に迎えるようにお手伝いすること。

そして私にさっき話しかけてきた人はここのオーナーさんで、私のようなここじゃ解決出来ない理由で迷っているこに声をかけて、心残りなく、天国に送り出せるように手伝ってるらしい。

つまり、普通にいい人。

「それでソラちゃんはなんでここきたの?」

キツネさんが優しく話しかけてくる。

私は、今まで会ったことを話した。

幼馴染と遊びに行ったら電車にひかれて、ここへ来てしまったこと。

自分が死んだことがとても受け入れられなくて、受け入れたとて、幼馴染が心配すぎて。

どうしても天国へ行く決断ができなかったこと。

キツネさんたちは「うんうん」と優しく話を聞いてくれて、とても安心した。

そうしたらキツネさんの1人が言ったんだ。

「じゃあソラちゃんは地上に戻りたいの?」

私は「もちろん」と、答えた。だってカイが心配だもん。

じゃあ、アレ持ってこなきゃだね。うん、そうだね。そう言いながらキツネさんがザワザワしだす。そしてキツネさんたちは、木の箱と巻物を持って来て私の前に置いた。

すると、キツネ耳の横ぐらいに、赤と白のお花の髪飾りをつけた、キツネさん達のリーダーみたいな人が出てきた。

その人はこう言った。

「この箱を開ければ私たちの仲間です。あなたは地上に戻りたいと言った。

 それならば、この箱を開け、私たちと共に働きなさい。

 神様は必ず私たちのことを見てくださってる。」

言葉がちょっと難しいけど、近くのキツネさんによると、ここでたくさんの人を助ければ、「良いことをした」と神様に認められれば、地上に戻れるらしい。なら最初からやることは決まってる。


私はその箱を受け取って、開けた。



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