#4
ある日の昼休み、彼女と湊と3人で話しているときに、湊がいきなり言ってきた。
「なぁ、またスイーツ食べに行かん?」
普段から2人とも甘いの食べてんで誘ったんやけど、、、と湊は続ける。
最近知ったこと、湊は甘いものが好き。
「いいね!それ!私も行きたい!」
まだ決まって無いのに、彼女はとても嬉しそうに目を輝かせている。
「カイくん、どうや?」
こんなのもう質問じゃない。誘導尋問だ。
どうやら俺に回答権は無いらしい。
「しゃーねーなぁ。てかどうせ無理矢理にでも連れてくつもりだったろ。」
「まぁな?案内係は外せへんやろ。」
「おい!まだ案内係なのかよ!」
2人は声を上げて笑っていた。俺もそれにつられて笑う。
人と関わるってこんなに楽しかったんだ。
あ、そういや___。と俺は切り出して湊に問う。
「なぁ、メンツはこの3人?」
「あぁ、それなんやけどさ、」
すっかり忘れていた、というように湊は口をひらく。
「俺の友達、連れてきてもええか?」
「別にいいけど、」
「あぁ、まぁ、、、別に、、」
男子3人女子1人、という状況を想像したのか、少し不安そうに了承した彼女。
「レイちゃん、安心しい。女の子やで。」
そんな不安を打ち壊す湊の発言に
「本当!?」
と、ばっと顔を明るくして笑う。
「ホンマやで」
と答える湊の発言に、彼女は輝いてる目を更に輝かせて自身の手をぎゅっと握りしめている。
こうして、俺、彼女、湊、湊の友達の4人でのスイーツ会が決定した。
「____、誰もいねぇ。」
初夏の香り漂う、心地よい晴れの日。
待ち合わせの場所に1番にきたのは俺だった。
少しずつ暑くなってきているこの時期。俺は半袖ハーフパンツだ。
バックには限定品のキーホルダーが付いている。
友達と出かけるとか、何年振りかも分かんないし、服がなくて困ったから、最悪遅れることも考えたけど、どうやら杞憂だったみたいだ。
そこからしばらくスマホをいじって過ごしていた。
が、「お待たせ〜!!!」
と元気な声が響く。
彼女が来た。ラフな姿の彼女は初めてで、少し緊張する。
「あ、湊くんたちまだ来てないねぇ」
「アイツ友達が迷子になってるらしい。だから遅れるかもって。」
「それは…仕方ないね。」
それで会話が終わってしまう。
頼む、頼む湊。ジュースでもお菓子でも奢るから!早くきてくれ、、、!
そう願っていると少し遠くから関西弁同士の口喧嘩が聞こえてきた。
「はよ歩いてや?遅刻すんで!」
「しゃーないやん!いったことない場所やから迷子になる!って
言うたくせにギリギリの時間を約束にしたんそっちなんやからさあ!」
「はいはい、ごめんて!あとちょっとやから歩いてや!」
彼らは周囲の注目を浴びているのに全く気にしてないようで。
「お前らなぁ、、、」
俺の額に青筋が浮かぶ。
「あ!カイくん!」
そう叫ぶ湊に、
「多少は人の視線というものを考えろよ!!!」と一喝。
そうすると、右耳の後ろらへんに赤と白の花の髪飾りをつけた、チャーミングな関西弁女子が湊の横から顔を覗かせた。
「この子が今日一緒に行く子なん?」
「そやで。こっちの男の子がカイくん。
女の子はレイちゃんや!」
「うちは心葉。今日はよろしゅうな!」
湊の友達、心葉さんは気さくそうに俺たちに話しかけた。
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