#2



彼女と数日過ごすようになってわかったこと。

彼女は圧倒的に人との付き合い方が上手い。

案内係の俺は先生に言われて、基本一緒に行動している。

でも、男女別の体育の授業や、選択科目のときはそうはいかない。

だけど彼女は基本誰かと一緒に行動していた。

新学期だし、転校生だし、みんな気を遣って、ということもあるだろうが、決してそれだけじゃなくて、明るい性格で、絶対に嫌なところには触れてこない、そんな彼女だから。

だからみんなと仲良くなれるんだろうな。

まぁ、明らか浮いてる俺には彼女も対応に困ってるようだった。

先生はなんで俺にしたんだよ。

ぜってーもっと適役いるだろ。

そんなことを考えてしまうこんな俺にも、彼女は声をかけてくれた。

最初は「おはよー」とか、軽い挨拶で、しばらくしてお互いの距離感が掴めてくると、授業中に教えてくれたり、逆に教えたりもした。

いつの間にか好きな食べ物とか、お気に入りの曲とか挨拶や業務連絡以外も

話すようになっていた。

いつもはだれとも話さない俺なのに、だれにも話しかけられない俺なのに。

彼女との会話は何処か楽しくて。

俺は彼女となら普通に話せるようになっていた。





 

そして、彼女は俺にきっかけをくれた。

たまたま彼女といるときに、クラスメイトたちが俺たちをゲーム大会に誘ってくれた。

クラスの親睦を深めるとかなんとか。

わざわざ誘ってくれたクラスメイトには悪いが、行く気はない。俺は不参加だ。

一方彼女は目をキラキラさせてこっちを見ている。多分、男子数名に俺たち「2人」が誘われている状況で、転校生の女子一人が飛び込みにくいんだろう。

はぁ、溜息をついてクラスメイトに2人で行く旨を伝える。

「分かった。二人とも参加するよ。」

こうして俺はゲーム大会への出場が決まってしまった。

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