赤ずきん

プルルルル……


「はい、こちら、童話お悩み相談室です」


「オオカミに騙されました! 助けてください!」


「どうなさいましたか?」


「はい、食べられちゃいました……」


「え? 大丈夫なんですか?」


「はい……丸呑みだったので、今、オオカミの胃袋の中から携帯で電話してます……」


「なんでまた、オオカミに食べられたのですか?」


「いやね、私もおかしいな~とは思っていたの。おばあちゃんを見てみたら、耳は大きいし、目はらんらんとしているし……」


「おかしいと思ったのなら、なぜ逃げなかったのですか?」


「耳が大きいのは、おまえの声をよく聞くためだ、目が大きいのは、かわいいお前をよく見るためだって……」


「……で、信じたんですか?」


「はい……最後、おばあちゃんの口はどうしてそんなに大きいのって聞いたら、おまえを食べるためだって……」


「で、ガブリ、というわけですね……世の中、不審者が多いですから気をつけないと」


「はい……で、私はどうしたらいいんでしょう?」


「今、そちらに猟師さんを向かわせますので安心してください。お腹を開いて助けてくれますよ」


「そうですか、分かりました」


「世の中、騙そうとする人ばかりですから、気をつけてくださいね!」


「はい。気をつけます……」



これはファンタジーに限った話ではありません。


皆さんも、騙されないように気をつけましょうね。



< おしまい >

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はいこちら童話お悩み相談室 神楽堂 @haiho_

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