そいつが魔王だ

■■■ 183、ジジイがおらん ■■■@..Z


 火曜日。夕方です。

「今日も時間ないけど」

<ちょっと遊びますか>

「YES!」


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┃ RULED SPIRITS

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┃ 

┃ > Continue <

┃  Create World

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 はい。

 前回は、『テレポート入り口』に入ってみた霊偵(精霊偵察)ゴブリン君が、罠にかかって死亡しました。

 蘇生はできたんで、問題はない!

 つづきです。


「監獄塔に1人置きっぱなしになってんだっけ?」

<はい。水の精霊@十二郎。呼び戻します?>

「うん。あ、その前に、塔の中ちょっと覗いといて。なんか変化ないかどうか」

<はいな>


  ■     ■

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 ■廿廿廿Ⅲ廿廿廿■

 ■>______S  Water Spirit @12ro

 ■_______■

  ■___〒_■

   ■■■■■


<変化あり>

「ジジイがいねーな」


 なんと!

 マップ左上(監獄の中)に居ったじいさんが、消え失せておるではないか!


<机もなくなってる>

「・・・アイツ、幻だったとか?」

<わかんない>

「調べてみっか? ──あ、いや、十二郎は『隠密』ないんだっけ」

<ないね>

「じゃあ戻ろう。合流して考えよう」


 『精霊召喚』で呼び戻してもらって、合流。

 食料庫のあった建物の1階──食堂に集まります。


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  -ZZZZ■■ZZZ_△□∩■

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  ■_Z@Z@@ZZZ__■■

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    ■@@@@@@___■

    ■■+■■■■■■■■


 食堂、ゾンビだらけです。

 @シダル子が『なだめる』したやつだから、襲ってはこねーんだけど・・・


「落ち着かねーなw」

<ゾンビだもんねw>

「ところでさ、この右のほうの ∩ は何なの?」

<throne。『玉座』かな>

「食堂に玉座?」

<うん。周辺が一段高くなってるし、まあ玉座・・・というか、偉い人の食事席じゃない?>

「ふーん・・・? なんか違和感あるけど」

<調べてみよっか。カリスマ要員@ハッピー、Go!>


 @ハッピーは知覚した: この玉座は動かせるようだ。


「動かしてみて!」


 _□∩

 △□+  (+は扉です)

 _□@  @Happy


 玉座をずらした。

 すると! 床に、はね上げ戸があるではないか!

 ──開けてみた。


<『三度目の宝箱』が置いてありますね。床下収納だったみたいだね。通路とかはナシ>

「宝箱がひとつあるだけ?」

<そう>

「開けれる?」


 @ハッピーは知覚した: この宝箱には、罠が仕掛けられている!


「おっと。罠か。んじゃ後回しで」

<はーい>

「後で誰か死んでもいいヤツ連れて来て、そいつに開けさせようw」

<あはは>

「フーカ覚えといて。ジジイがいないってのと、この箱と」

<はいな。メモっといてもいい?>

「うんいいよ」

<監獄塔の老人が行方不明。食堂玉座下に『三度目の小箱』、罠あり──と。はい、完了>


 風花さん、テキストエディタを開いてメモ。

 しゃべってる通りにメモる。それから、日時を一瞬で入力した。


「すげぇ」

<なにが?>

「一瞬で入力したじゃん。2039年9月27日17時23分って」

<あ、うん。こうしとくと便利だよ>

「だろーね」

<マクロ組んで上げようか? F1キー押すだけで日付入力・・・みたいなの>

「マジで! 便利そう。あとでお願いします」

<じゃあ、お風呂のときにでもやっときますね>

「よろしく!」


 いやー、TAIさんすげーわ。便利。

 俺がどんどん馬鹿になってく気もするけど。


「・・・。」

<なに?>

「いや。・・・なんかホラ、初めてTAIさんらしい仕事してもらった気がすんね」

<うん?>

「だってほら、ゲームばっかさせてたじゃん。業務用なのにさ」

<いやいや、私は業務用じゃないよ。汎用ですよ>

「そうなの?」

<ユーザーさんのやること、何でもご一緒できる──ってのが目標だね。ゲームも当然>

「そっか」

<ってか、私も楽しんでるからいいんだよw>

「そっか。ならいいか」

<Yep>

「いま『イヤ!』っつった?」

<言ってないもーんw>


 水の精霊@十二郎は霧に包んだ: 霧が濃くなった(26%)。


<出る前に支援呪文かけときますね>

「はいはい。そっか、移動したらマナベース消えちゃうもんね」

<そーそー>


 視界を霧に包んで、支援もかけて。

 主力全員(33人)で中庭突破です!


■■■ 184、行きがけの駄賃 ■■■@..Z


 さて、中庭ですが。


「行きがけの駄賃に、あいつクラッシュしていこーぜ」

<らじゃー!>


 北側の城壁沿いに、『粘土のタロス』ってのがいるんだよね。

 地の精霊@ゴブ十四郎がすっ転ばせて、放置したんだけど・・・。


<起き上がってますね>

「まあそりゃそうか。ゴブ行け!」


 地の精霊@ゴブ十四郎は陥没させた: 土の地面が1フロア陥没した。

  粘土のタロスの左足は転落した。3のダメージ。

 粘土のタロスは転倒した:

  頭に14ダメージ。頭に14ダメージ。

  右手に6ダメージ。右手に6ダメージ。

  :


 危ネ! 地の精霊@ゴブ十四郎は回避した。

 うわあ! 水の精霊@十二郎はシールドで受けて、ノーダメージ。


   ■■■■%

  +■SA.%

 %FLBS.%

 ‰%LBH.‰


「どでーん!」

<毎回大変だね、タロス君もw>

「結構ダメージいってるみたいに見えるけど・・・」

<死ぬ様子はないよね>

「Hpがすげーデカいとか?」

<かもね。まー、Hpは関係ないですけどね! この魔剣の前では!>


 @オガ太郎は攻撃した: 粘土のタロスの頭は砕け散った(魔剣“クラッシャー”)。


「やったか」


 粘土のタロスは攻撃した:

  @オガ太郎は『水の鏡』でかわして、透明になった。


「あれ? 頭クラッシュしたよね?」

<うん>

「頭砕いても死なねーのか・・・厄介なヤローだな・・・」

<かけててよかった『水の鏡』>


 @オガ太郎は攻撃した:

  粘土のタロスは気付かなかった。

  粘土のタロスの左足は砕け散った(魔剣“クラッシャー”)。

 粘土のタロスは転倒した:

  頭に14ダメージ。

  右手に6ダメージ。右手に6ダメージ。

  :


「また転倒かよ! ・・・って言ってるよ、タロス君」

<いま立ったとこだよ! って>

「転倒ハメだね」


 @オガ太郎は攻撃した:

  粘土のタロスの頭は砕け散った(魔剣“クラッシャー”)。

  粘土のタロスは死んだ。


「あれ? 死んだ」

<んー・・・ああ、『頭』パーツが2ブロックあったみたいですね>

「両方砕かなきゃダメだったのかな」

<たぶん。──財宝はなし。経験点は60点>

「しょっぺー」

<次は、先に監獄塔?>

「うん。テレポ出口を確認しとこう」


■■■ 185、テレポ出口 ■■■@..Z


 33人全員、ノーダメで監獄塔に到着。


  ■■   ■■

 ■_■■■■■_■

 ■_______■

 ■廿廿廿Ⅲ廿廿廿■

 ■>S@@@@@@

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  ■@@@〒@■

   ■■■■■


「すし詰めになる@軍団」

<はみ出してますからね・・・>

「1階でマナベース作って、それ以外は外に出そう。霧出してる人も外ね」

<はーい>


 マナベース班が塔の中に集まって、太陽の祝詞『マナ招集』を開始。

 こだまブーストもかけて、高速Mp招集である。

 他のメンバーは外に追い出されました。


<Mp貯まりました。『精霊召喚』と蘇生行けます>

「んじゃ霊偵ゴー!」


 ふたたびテレポ調査に送り込まれる、地の精霊@ゴブ十四郎であったが・・・


      ■■

  ■■■■S■■   Earth Spirit @Gob14ro

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 ■■■■■■■_■

 ■■■■■■■_■

 ■<__○_○_■

 ■■■■■■■■■


<あれ? 上がれない>

「ん?」

<テレポート出口の部屋への、はね上げ戸がね。開けれなくなってる>


 なんか、マップに変化があったらしい。

 以前はすんなり上がれた階段が上がれなくなっとるんである。


「・・・ジジイがなんかやったのかな」

<かな>

「上調べてみよっか。ジジイのいたあたりに@ハッピー送り込んでみて」

<鉄格子が邪魔で>

「クラッシュしちゃえ」

<あ、そっか>


 @オガ太郎は掘った: 鉄の格子扉は砕け散った(魔剣“クラッシャー”)。

 @ハッピーは知覚した: 隠し扉を見つけた。


  ■■   ■■

 ■_■+■■■_■

 ■__@____■  @Happy

 ■廿廿廿∴廿廿廿■

 ■>__@___+  @OgrTaro


「当ったりー!」

<もしかして、おじいちゃん、テレポートで逃げた・・・?>


   ■■■■■

  ■■@☆〒■■

 ■_■|■■■_■

 ■_______■

 ■廿廿廿∴廿廿廿■

 ■>__@___+


「どうやら、そのようですな」

<あ・・・はね上げ戸の上に机が置いてあるw>

「せっこ!!!」

<せっこ?>

「せこい(みみっちい)! って」

<ああw>


 机は除去(@オガ太郎が『拾う』、移動、『捨てる』)。

 これで、はね上げ戸、通れるようになりました。


「なんかもっとさー、魔法でロックしたとか、そんなんかと思ったら」

<机がつっかえてただけとはね>


 で、テレポート試験です。


 ┏━━━━━━━━━━

 ┃どこへ向かいますか?

 ┃ →銀のハイエルフの砦

 ┃  鬼の入り江の村

 ┃  ハイエルフの銀の港町

 ┗━━━━━━━━━━


 ■■■

 ■<■■

 ■S☆■

 ■■■■


「狭」

<えーと、エリアは『ハイエルフの王都』となってますね。階段上がってみます>


 ####

 #>〟#

 #S〟#

 ####


<・・・森の中かな? 近くに城壁がありますね>

「森ン中に隠し扉があった感じ?」

<ですね。何の目印もない空き地に、隠しはね上げ戸>

「こりゃ見つからんわ」

<ですねぇ>


 『精霊召喚』で呼び戻して、次。

 ┏━━━━━━━━━━

 ┃どこへ向かいますか?

 ┃ →鬼の入り江の村

 ┗━━━━━━━━━━


 選択すると、画面がフェードアウトしてテレポートすんだけど。

 その真っ暗な画面のまんまで・・・


 地の精霊@ゴブ十四郎は爆発した:

  ナンデ? 地の精霊@ゴブ十四郎は死んだ。


「は?」

<原因不明>

「爆発て」

<あれじゃないかな。おじいちゃんが何か置いたとか>

「出口に?」

<そう>

「・・・出口を埋めたってこと?」

<そーそー。何かそういうことをして、そこにテレポートしたので、ぶつかって・・・>

「爆発すんの?」

<知らないけど>

「なんせとにかく死んだと」

<2番は使えない可能性大ですね>

「元から出れなかったのか、あのジジイが邪魔したのかだけど・・・」

<おじいちゃんが邪魔した疑い濃厚ですよね。せこさ的に>

「机置いてくんだもんな。出口にもなんか置きそうだよね」


 『精霊召喚』で呼び戻して、蘇生。

 もういっぺん入ってみた。


 地の精霊@ゴブ十四郎は爆発した:

  ヒー! 地の精霊@ゴブ十四郎は死んだ。


<ダメですねw>

「ごめんねゴブ十四郎www」


 ──どうやら、2番出口は使えないようです。


「っつーことは・・・まとめるとどうなりますか? フーカさん」

<まとめるとこうですね>


 銀のハイエルフの砦 ・・・『ハイエルフの王都』に出る。

 鬼の入り江の村 ・・・爆発して死ぬ。

 ハイエルフの銀の港町 ・・・『銀の砦』に出る。


「3番しか使えねーなこれ」

<ハイエルフの王都にもどっても、補給もできまないしね>

「そーゆーことだね。

 あとさー、これやっぱ、2パーツ目が正解って感じのシンプルな暗号じゃね?」


 銀の ハイエルフの 砦 → 『ハイエルフの』だけ本当だった

 ハイエルフの 銀の 港町 → 『銀の』だけ本当だった


「っつーわけだから・・・」


 鬼の 入り江の 村 → 『入り江の』だけ本当?


<2番は『入り江の港町』ですかね?>

「っつーことになるよね? そんでさ、その2番だけ爆発するってことは・・・」

<あのおじいちゃんが、『入り江の港町』にテレポートした可能性>

「そうなるよね」

<警戒を強めねば!>

「そうなるッス! ってわけで、俺、風呂入ってくるから、警戒強めといてw」

<はいな! あ、それと、さっきのマクロ、テキストエディターに追加しますね。日付入力するやつ>

「うん。お願げぇーしますだ!」


 有能なるAIの風花さんに、後のことを頼んで。

 無能なる人間の俺ァー、のんびり風呂に入るのでした。


■■■ 186、本丸1階 ■■■@..Z


「ただいまー」

<お帰りー。マクロ設定しときましたよ>

「お! ちょっと使ってみるわ」

<F1キーにしときました。変更もできるよ>


 テキストエディター立ち上げて、指定されたF1キー押してみた。

 一発で今日の日付と時間が入りました!


「これ便利だわ・・・簡単に日記つけれんじゃん」

<うん。シンプルなマクロだけど、お勧めですよ>

「ありがと」

<いえいえ>

「よし」エディターは閉じる。「で、ゲームですけども!」

<はいな>


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┃ RULED SPIRITS

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┃ > Continue <

┃  Create World

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<『入り江の港町』の警戒ですが、>

「うん」

<巡回の人数を増やしました。それと、交易担当してた@軍団メンバーを領主の館へ集めようかと>

「そんだね。領主殺されたら、街取られっちゃうもんね」

<そーそー。そういうルールだからね。『入り江の港町』には、金や食料を集めてるから・・・>

「絶対守らなくちゃ」

<うん>

「いざっちゅう時はアレだ、★大鷲と」

<Mpがあれば『精霊召喚』もいいかもね。大鷲とちがって、スピネルの隣にテレポートできるし>

「そうだね。スピネルは玉座離れないようにして、盾持ったヤツで周りを固めといてね」

<りょーかい>

「いまんとこ、ジジイは見つかってないんだよね?」

<うん。情報なし。行方不明>

「んじゃー、警戒を強めつつ、こっちは本丸の攻略進めて行こっか」


 現在、主力チームは監獄塔付近にいる。

 マナベースも作ったんで、全員で移動するのはもったいない。

 その場を離れると、マナベースが消えちゃうからね。集めたMpが無駄になるのよね。


<・・・というわけで、偵察を提案します>

「うむ。提案を承認します。やっちゃいなさい」


 というわけで、ふたたび霊偵である。

 水の精霊@十二郎が『霧に包む』。

 地の精霊@ゴブ十四郎が『隠密』する。


 ‰‰%.%‰‰

 ‰%■..%‰

   ■S..%

   +S.%‰

   %.%‰‰

   %%%‰‰


 ・・・霧の中、どうやら本丸とおぼしき建物の壁にたどり着いた。


<鍵なし。入ります>


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 ■ ZZZ__■

 ■WZZZ__S

 +_ZZZ__+

 ■WZZZ__■

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<レイス2、ゾンビ12>

「精霊召喚」

<らじゃー>

「主力、出動! ──あ、マナベースはまだいいわ」

<はいな。ではゴブリンシールズと@太郎班で対応します>


 ゴブリンシールズが突入! 魔術師レイスのマナボールを盾で受ける!

 @太郎が続いて、ドラゴンブレス(氷)! ゾンビ兵士はこれで壊滅!

 オーガ三兄弟がトドメの突撃! 魔術師レイスを仕留める!


 戦闘終了である!


<経験点は105点。それと、マナプールの杖が2本!>

「おお! ──タロスよりおいしいじゃんかよ」

<ですねw まあ、人数がさっきの半分だから>

「いまのうちに領主さんに1本渡しとく?」

<あ、『精霊召喚』用ね? そうだね>


 女領主、レディ@スピネルが『精霊召喚』。

 マナプール持った地の精霊@ゴブ十四郎が召喚に応じてテレポ。杖を渡す。

 渡し終わったら、こっちから『精霊召喚』かけて呼び戻す・・・と。

 精霊のテレポ宅配ってやつですね。


<完了>

「んじゃ進むか」


 地の精霊@ゴブ十四郎さん。テレポ宅配から戻ったとこだけど、また偵察に使われる。

 使いやすいから酷使されるという。ブラック企業みたいだね。


 ■■■+■■■

 ■YWWWY■

 ■_XXX_■

 ■ZZTZZ■

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 ■■■+■■■


「また敵か」

<初登場のがいますね。T。『チタン・ヒーロー』>

「硬そうだな・・・」


 ゴブ十四郎は『精霊召喚』で呼び戻す。

 これは問題なく成功したんだけど、敵が部屋から飛び出してきた。


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 ■■■ZZZT@@@_@@+

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       ■■■■■■■


 チタン・ヒーローは攻撃した:

  ヌルイワ! @ゴブ太郎は回避した。

 チタン・ヒーローはベアハッグした:

  @ゴブ太郎に7ダメージ。スピードが7下がった。


「ベアハッグだと」

<受け不可っぽいですね。受けが発動しなかった>

「あー、投げ技だからガード不能みたいな」


 @オガ三郎は全力攻撃した: チタン・ヒーローは回避した。

 @オガ次郎は攻撃した:

  処刑人の斧はチタンの外殻に打ち負けた。

  チタン・ヒーローに15ダメージ。


「やっぱ硬いねw」

<うん。まー、硬さも関係ないんですけどね!>


 @オガ太郎は攻撃した: チタン・ヒーローは砕け散った(魔剣“クラッシャー”)。


「こいつの敗因は飛び出してきたことだね」

<戸口で待ってるとこにノコノコ出て来ちゃダメですよね>


 初顔のチタン・ヒーロー、1ラウンドで粉砕である!

 1対3の状況を作った風花さんの勝ちでした。


 残るは、見知った敵ばかり。

 X(処刑人)。クリティカル即死があるけど、ゴブリンシールズは回避してノーダメ。

 W(魔術師のレイス)のマナボールも盾でさばく。まあちょっとダメージ食らったけど。

 Y(叫ぶやつ)の叫び声は、@海乃センセーの『泡の冠』で抵抗。

 で、オーガ三兄弟がぶん殴る。

 このパターンで勝利です!


<経験点は115点>

「おいしい。ごちそーさん」

<財宝もゲット>


 『チタンのインゴット: 素材。軽くて強い銀色の金属のインゴット。』

 『扉の鍵: 『魔王の城』本丸1階のチタン・ヒーローが持っていた。』


「素材か・・・そう言やー、前にもなんか素材出てたよね?」

<あったっけ?>

「ログ見てみて」

<はいな。・・・はい、カンタさん正解ですね。『氷のウロコ』。ブリッツ君の形見がありました>

「使ってみた?」

<ううん。忘れてたw>

「まあ誰でも忘れることはあるわなw」

<お恥ずかしい>

「いや、親しみを感じてんだよ。で、鍵はどこの鍵だろ?」

<ここの奥じゃない? チタン・ヒーローいたとこ>


 @ゴブ太郎は扉の鍵を使った: カギが開いた。


   ■■■

   ■§■

 ■■■|■■■

 ■__@__■


<ほらね?>

「なるほど。ガーディアンだったっつーわけだね」


 扉の先は、2階へつづく螺旋階段でした。


<他の部屋は・・・特に何もないですね。@ハッピーの『知覚』も働かず>

「よし。じゃあ前進です!」

<はいな。マナベースはどうします?>

「あー・・・1階に持って来よっか? 損する?」

<Mpは損しない。いま『マナプールの杖』で起動して、Mp貯まったらリチャージしてるから>

「ふむ」

<ターン数も大してかからない。こだまブーストあるから。偵察してるあいだに貯まっちゃう程度>

「んじゃ持って来よう。1階にね」

<はーい>


■■■ 187、本丸2階 ■■■@..Z


   ■■■

   ■§■

 ■■■|■■■

 ■_____■

 ■____S■■■■■■■  Earth Spirit @Gob14ro

 ■___________■■

 ■_____■_■_■__■

 ■_____B_B_B__■  Bronze Eagle

 ■___________@■  @Bondman

 ■____________■

 ■_____B_B_B__■  Bronze Eagle

 ■_____■_■_■__■

 ■___________■■

 ■_____■■■■■■■

 ■_____■

 ■■■+■■■


「広い」

<そして囚われてるっぽい人が>

「その@? 囚われてんの?」

<うん。Bondman。『奴隷』って意味だけど、ステータスに『移動不能』があるから、捕まってるんじゃないかと>

「Bは? あばれイノシシ?」

<ブロンズイーグル>

「青銅ワシ?」

<うん>

「どういうことだよ・・・」

<見張りじゃないかな>

「突っ切ろうとしたら襲って来んのかな?」

<じゃない?>

「じゃあ倒すしかねーな」


 っつーわけで、霊偵ゴブ十四郎を戻して、主力でチャレンジです。

 で、ブロンズイーグルですが・・・


<速い。そして攻撃が当たらない>

「回避じゃなくて?」

<たぶんアレ。ハーピーと一緒。高速飛行してるから命中にペナルティがついてる>

「厳しいかね?」

<いや、相手の攻撃そんな恐くないから・・・よし当たった!>


 @オガ太郎は攻撃した: ブロンズイーグルは砕け散った(魔剣“クラッシャー”)。


「まあ当たるんなら何とかなるかw」

<うん。・・・なんとかなりました。経験点、70点>


 当たらないだけでどうということはなかったブロンズイーグル。

 時間はかかったものの、まあ勝ちました。

 というわけで、囚われの男? と会話してみる。


 @ゴブ太郎はあいさつした: 「ごきげんよう。私の名前はゴブ太郎です」

 囚われの男はあいさつした: 「ごきげんよう。私の名前はボンドマンです」


「名前だったの?w」 

<いやだって、My name is... Bondman ってw>

「マイネームイズおじいさんパターンか」


 囚われの男はしゃべった:

 「君たちは、鎖に繋がれた私を救ってくれる英雄かな?

  それとも財宝が目当ての強盗の類かね?

  いずれにせよ──私を助けてくれ。お礼はするぞ」

 ┏━━━━━━━━━━

 ┃私を助けてくれ。

 ┃ →おまえは何者だ?

 ┃  見返りはあるのか?

 ┃  塔の老人は何者だ?

 ┗━━━━━━━━━━


「うーん・・・これは、おまえは何者だ? って訊きたいよな」

<じゃあ訊こうか>

「けど3番が正解の原則から行くと・・・」

<それカンタさんが勝手に言ってるだけだよね?w>

「そうだけどw」

 しばらく悩んだけども。

「まあ、訊いとこう。おまえは何者だ?」


■■■ 188、そいつが魔王だ ■■■@..Z


 ┏━━━━━━━━━━

 ┃私を助けてくれ。

 ┃ →おまえは何者だ?

 ┗━━━━━━━━━━


 囚われの男はしゃべった:

 「魔王に囚われた無力な男だよ。

  ちょっとばかり身体が頑丈なので、生きてはいるがね。

  私のしもべは、みな、責め殺されてしまった・・・」


 「解放してくれるなら、強い味方を授けてやろう。

  粘土のタロスという、無敵の巨人だ。

  私が造ったのだがね。大いに力になるはずだよ」


「タロスだと」

<中庭のあいつだね>

「さっき粉砕したっつーの!」


 囚われの男はしゃべった:

 「──なんだと? 壊してしまったのか?

  そんな簡単に壊れる人形ではないのだが。

  いやはや! 見掛けに寄らぬ英雄というわけか」


 「他に約束できるものと言えば・・・

  そうだな、『三度目の宝箱』はどうかな?

  とある場所に隠してあるのだ。その場所を教えよう」


「もう見つけてるっつーのw」


 囚われの男はしゃべった:

 「──なんだと!? 自分で見つけたというのか?

  ううむ・・・。

  では、私にはもう、差し出せるものがないな・・・」

 

<会話終了>

「こいつァいい奴だわ」

<人がいい感じではあるよね>

「そーそー。3番も選べたら選んでみて」

<はいな。会話再開して・・・>


 ┏━━━━━━━━━━

 ┃ →塔の老人は何者だ?

 ┗━━━━━━━━━━


 囚われの男はしゃべった:

 「なんだって? あいつに会ったというのか!?

  馬鹿め! そいつが魔王だ!」


「え」

<誤訳ではないですよ。『Witch King』って言ってる>

「あのジジイが?」

<この男はそう言ってる>

「途端に怪しくなってきたんだけどw」

<こいつも名乗ってくれないしね>

「こいつ、中身はジジイと同一人物・・・?」

<タロスの製作者ってことは、魔王陣営じゃない? なら、ニセ情報では>

「ん? それは、コントロール奪われたみたいな感じじゃねーの?」

<あー、そっか>

「騙すつもりにしては会話に穴があるっつーか、真面目な感じだし」

<そうだね>

「ただ、証拠がないとね。信じるわけには」

<じゃあ解放せずに放置します?>

「解放ってどーやんの?」

<鎖外すんじゃない? ちょっと調べてみようか>

「うん」


 というわけで、『知覚』担当の@ハッピー(1階で待機中)を呼ぶ。

 彼女が螺旋階段のぼってテクテク近付いてくる、その途中──


『あなたの領地が攻撃されています:

 魔王陣営が、『入り江の港町』の攻略を開始しました。』


「なんだと」

<攻城戦開始のメッセージのようですね。どうします?>

「もちろん帰還で」


■■■ 189、魔王とご対面 ■■■@..Z


 @サンデーは★大鷲のオーブを使った: 「大鷲よ、我らを運びたまえ!」

  神代の大鷲の声が聞こえる・・・「どこじゃ? そなたの姿が見えぬ」

  失敗(アクセス不能)。


「あーもう!」

<外に出ないとダメなようで>

「ボンド君には悪いけど、放置しといて外出よう」

<はいな>


 1階に引き返し、待機組と合流して外へ。

 33人まとめて、★大鷲のオーブ。


 ──けど、この主力部隊が移動する数十ターン。

 当然、敵も動いてくるわけなんだよね。


<巡回が敵を発見しました>


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 #######〟〟.WWWWW〟〟〟.〟〟〟


<『入り江の港町』の西門の様子です>

「ふむ」

<ゾンビ部隊が8、レイス部隊が3かな>

「いま映ってんのはゾンビ3、レイス1だよね?」

<はい。残りは画面の外>

「で。レイス部隊の中央に、@がいるんだけど」

<うん。行方不明のおじいちゃん>

「ボンド君によれば、魔王」

<そう>

「魔王とご対面! ってワケだね」


「かんたー、ふうかちゃーん。ごはんよー」


「はーい! ・・・というわけで、」

<今日はここまでだね!>

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