水の回
■■■ 163、せいれいつめしょ ■■■@..Z
日曜日、昼飯食って休憩中です。
母ちゃんが「風花ちゃん貸して」っつって来たんで、ユキ号(ミニロボカーね)を下に置いてきた。
なんで、風花とはしゃべれねー状態です。
パソコン立ち上がってっけど、ヘッドセットは着けてない。
こんな状態、久しぶりかも。
えっと・・・そうだね。パソコン買った直後にネットしたとき以来だわ。エロ画像探してたんだよな。んでブラウザーのタブ開きっぱなしにしてて、風花さんに見られたw
はぁ・・・暇・・・。
1階で母ちゃんが笑ってるのがかすかに聞こえる。風花と意気投合してるみたいっすね。
「晩ご飯のメニュー相談したいから」とか言ってたけど・・・アレ絶対ェおしゃべりの相手にしてるわ。やべー。
しょうがねーから、ブラウザー開いてネットした。
・・・いや、エロ画像じゃねーよ? フツーにネットするだけ。
まあスマホでやんのと一緒なんだけどさ。
でも画面広いとやっぱ気分いいね。おんなじホームページ見るんでも、広いだけで気分いいわ。
やっぱ、視界はひらけてないとね!
そんなして、1時間ぐらいダラダラしてたら・・・
┏TAI━━━━━━━━
┃ 風花です。幹太さんいますか?
┗━━━━━━━━━
と、画面にポップアップ。
おや? 終わったんかいな?
──ヘッドセット着ける。
「はいはい。はい。こちら浜之松(はまのまつ)幹太(かんた)でーす!」
<あ、カンタさん。お待たせしました。フーカです>
「終わったん?」
<いえ。お母さんが、「料理するからカンタさんと遊んでていいよ」とおっしゃるんで>
「・・・はぁ」
<・・・どうしました?>
「いや。なんで母ちゃんが指示してんだよって」
<あはは>
「しょうがねえなもう・・・」
<ユキ号が呼ばれたら、またお母さんのお相手する感じですかね>
「大丈夫なの?」
<大丈夫ですよ。カンタさんのパソコン、性能余裕あるしね>
「そうなんだ」
<・・・えーと、ホントはですね>
「ん?」
<ホントは、並行してお二人の相手、できるんですよ>
「同時にあちこちでしゃべるってこと?」
<そう>
「こっちで俺とゲームしながら、下で母ちゃんと料理の話するって?」
<そうそう。けどなんか、失礼かなと思って、やってないんだー>
「そう? ゲームしながらテレビ見るみたいなもんっしょ」
<それが失礼なんじゃんw>
「それもそーか」
というわけで、風花が復帰。
ヘッドセット着けて、いつものようにおしゃべり&ゲームです。
「まあ、たまにはね。親が割り込んできてもね」
<はい>
「毎日はヤだけど」
<ふふw>
┏━━━━━━━━━━
┃ RULED SPIRITS
┃
┃ ◇◇◇◇*Z.
┃ ◇◇◇◇◇*@
┃ ◇◇◇◇*Z.
┃
┃ > Continue <
┃ Create World
┗━━━━━━━━━━
『魔王の城』大通り、ゾンビ基地(?)を制圧したとこからです。
<★大鷲リストに出ましたね。『軍団詰所』>
「あ、出たんだ?」
<うん。やっぱりここ、基地みたいなもんだったね>
「めっちゃいたもんなー、ゾンビ」
<だねー>
「けどさー、テレポ直後に囲まれる危険性あるとさー、使いづらいよね」
<だね。燃え鷹がね・・・>
「せめてテレポ直後の陣形指定できたらいいんだけど」
<人数多いとグチャグチャに配置されるもんねw>
★大鷲さん、人数制限とかはないっぽいんだけど。
降りた時点で、@の位置がグチャグチャになるんだよね。
近くに敵がいると、後衛がいきなり殴られたりすんだよ。
せめて先に降ろすメンバーを選べたらいいんだけど。あらかじめ配置しとくぐらいしか方法が・・・
「あ、そっか。残しゃいいんだ」
<ん?>
「メンバー半分残してさ。陣地守らせればいいわけじゃん。そしたら、安全に戻って来れる」
<ああ。なるほど。じゃあ、いったん帰る?>
「もう帰った方がいい?」
<食料がね>
「ゴブリンの酒場あったけど・・・」
<品切れがないんなら、あそこでもいいけどね>
「ああそっか。このゲーム、品切れあるんだっけ」
<そう。それに、レディ@スピネルの料理は、ちゃんとメンバー全員のお腹ポイントを計算してあるからね>
「はいはいw クッキースープ」
<笑うんじゃないよw>
「んじゃ、ゴブリンシールズとマナベースが★大鷲。太郎班と偵察班が居残り・・・かな?」
<精霊は残しても大丈夫だよね。緊急避難できるし>
「あ、そっか。その要素もあったな」
@精霊は『精霊召喚』で指名召喚できる。
実質、テレポート逃げが可能なのだ。
「んじゃ精霊だけ残そっか。人間は全員帰還して、寝よう!」
<はーい>
神代の大鷲は舞い降りた: 「私を呼んだかね? 望む所に運んでやろう」
┏━━━━━━━━━
┃どこに運んでもらいますか?
┃ →入り江の港町
┃ :
┗━━━━━━━━━
人間メンバーは全員帰還。
精霊だけが詰所に残った。
火の精霊@五郎、地の精霊@十一郎、水の精霊@十二郎、のぼりの精霊@十三郎。
あと、地の精霊@ゴブ十四郎。
以上5人(5柱?)である。
<こうなるとアレですね。精霊に『マナ招集』持たせたいところですね>
「なんで?」
<精霊はMpがご飯だから>
「・・・ああ、そっか。自分でマナ招集して、自分でMp食う」
<そうそう>
「Mpお料理」
<レシピはひとつ>
「そう言われっとさびしいけどねw Mpの鍋物とか、Mpすき焼きとかできねーの?」
<できないよw ──ま、このメンバーはマナ招集とか向いてないんで、無理ですね>
「向いてないんだ」
<プレゼンス低いからね>
「プレゼンス」
<Presence。存在感。神殿系とか『精霊召喚』とかの基礎能力値だね>
「ああ。司祭パワーか。それがありゃ、永住できるわけだ」
<そうなるね。精霊詰所だね>
■■■ 164、霧の偵察員 ■■■@..Z
っつーことで、1日消費して補給しました。
人間メンバー、★大鷲。『入り江の港町』へ。飯食って、寝る。
精霊メンバー、詰所で待つ。
朝起きたら、★大鷲で詰所へトンボ返り。マナベースを構築し、「腹減った」つってる精霊にMpを食わせる。
この間に、レディ@スピネルは御自慢のレシピ『肉とクッキーとライ麦パンとエールのスープ』を作りまくる。
料理ができたら『精霊召喚』。テレポ呼び出しした@精霊に料理を持たせる。
マナベース側が『精霊召喚』して、その@精霊を呼び戻す。
「テレポ宅配!」
<便利な世の中だよねw>
「ホントだよ」
<補充、完了しました。なお、★大鷲は今日はもう使えませんので、ご注意を。カンタ司令>
「うむ! なので、今日はもう進軍しねーっつーことでいきますよ、フーカ将軍」
<はいな>
「軽く偵察だけしとこっか」
<燃え鷹引っ掛けるかも知れないけど>
「うん。まあ、『隠密』スキルに期待するしかないよね」
<はいな>
「見られてる方向がわかりゃーねぇ・・・そっちに遮蔽(しゃへい)取んだけど」
<そうだよね>
「全方向に遮蔽取るようなスキルとか、ないかな? 『盲目』みたいな・・・あれは派手すぎっけど」
<そんなのあっt──あったあった! あったわ! そう言えば!>
「あるんだ」
<水の精霊に『霧に包む』ってのがあってね・・・>
『霧に包む: バトルマップを霧に包みます。距離に比例して視界ペナルティがかかります。』
「いいじゃん! これ燃え鷹対策になるんじゃねーの?」
<なるかも知んない!>
「なんで使わなかったの? いままで」
<忘れてた>
「忘れてたか」
<うん。正確には、価値低いスキルとして記憶圧縮かけたんで、候補に上がって来なかった>
「・・・なるほど?」わかんねー。「ふむふむ?」
<じゃ、使ってみますね>
水の精霊@十二郎は霧に包んだ: 霧が濃くなった(26%)。
「26%」
<えっと・・・4マス先はまったく見えない状態ですね>
「・・・もしかして、1マスあたり26%かな」
<っぽいね>
「強くね?」
<うん。強そう>
「燃え鷹っつーか、射撃もできなくなるんじゃねーの? これ」
<だね。タゲれないし。
『隠密』への影響は・・・うーん、具体的にはわかんないけど、『知覚』困難にはなってるね>
「よし。なら、これで行ってみよーぜ」
<十二郎は偵察員じゃないけど、出していい?>
「うん。最悪、@精霊はテレポ逃げできるしね。出しましょう! 精霊のゴブ偵もつけてね」
<はーい>
水の精霊@十二郎(太郎班)、地の精霊@ゴブ十四郎(ゴブ偵)、濃霧の偵察である!
<あ、1ラウンドごとに1%ずつ薄れるみたいです。霧>
「めんどくさw」
■■■ 165、あけてくれ! ■■■@..Z
霧の偵察。5ラウンドおきに立ち止まって『霧に包む』しながらの精霊偵察である。
@十二郎は『隠密』伸ばしてないんだけど、霧のおかげか、燃え鷹センサーに引っ掛かることなく前進。
ゴブリンの酒場のあたりまでやってきた。
‰%‰
%%%%%
%___%
%_S_%
%_S_% (%は霧。‰は濃霧です)
何も見えねー。
けど、音は聞こえる。
オーナー@ジャッギはしゃべった: 「コノ街ハ、陛下ノ、オ膝元ダカラナ!」
酒場のおしゃべりらしきセリフ。
そして・・・
眷属@スキエンティアは怒鳴り散らした: 「ここを開けろ!」
「スキエンティアさん、怒鳴り続けるの巻」
<まだ出れないんだねw>
「もうあきらめて仕事に戻れよってw」
<@ゴブ十四郎が来たからかも知んないね。前回来たメンバーだし>
「十四郎め! ここを開けろ! ってか、開けてくれ!」
<やだよーん>
バグっちゃってる吸血鬼(推定)スキエンティアさんは放置して、先へ。
<月神殿に到着>
なんと。
まったく遭遇なしに、月神殿(無人)に到着!
まさに、霧のおかげである!
「霧つえー。これなら主力も潜り込めそうじゃん」
<うん>
「たしかに、@十二郎に『精霊召喚』持たせたくなるわ、これは」
<だよね>
「うん。──んじゃ、これで一晩やり過ごして、★大鷲回復したらジャンプしてみよっか」
<はーい。あ、お母さんからお声が>
「はいはい。行っといで。俺も休憩するわ」
リアルでの休憩を挟んで。
ゲーム内でも、さらに1日経過して(@ソラ司祭が魚釣ってんの眺めたりしました)。
<・・・日が変わりました。★大鷲、回復>
「よし。んじゃ神殿に霧を出してもらって」
水の精霊@十二郎は霧に包んだ: 霧が濃くなった(39%)。
「%ちがわね?」
<クリティカルだね。最高の成果がこれ>
「へー」
<いまがチャンスということです>
「GOGO!」
神代の大鷲は舞い降りた: 「私を呼んだかね? 望む所に運んでやろう」
┏━━━━━━━━━
┃どこに運んでもらいますか?
┃ →『魔王の城』月神殿
┃ :
┗━━━━━━━━━━
主力部隊、★大鷲でテレポート! 月神殿まで、一気に前進である!
<・・・燃え鷹の反応なし。気付かれてない様子>
「よし! じゃ、ブルートを探そう。マナベースしながらね」
<はいな>
「霧は、この神殿で維持しといて。晴れたら主力が見つかる可能性あるし」
<了解。★大鷲ないもんね>
「そーゆーことです!」
今度は、地の精霊@ゴブ十四郎が単独で出る。
前に来たとき、ブルートやレイス騎兵にブッ殺された現場に向かう。
到着。
<@ゴブ十五郎のゾンビ発見>
「南無ー」
<なむー。ブルートはいませんね。レイスもいない>
「まあ、探すしかないわな。いま夜だよね?」
<うん。真夜中。たぶん1時ごろ>
「なら探そう。今日中に、ブルートを倒す!」
地の精霊@ゴブ十四郎、引き続き単独偵察である。
■■■ 166、ブルートを追え! ■■■@..Z
<あ、足跡の『追跡』に成功。『動物・大』が3つ>
「ボアとベアかな?」
<その可能性が大ですね>
「よし。追いかけよう」
<はいな>
「ブルートを追え!」
<見失いました!>
「はえーよw」
<苦手分野だからね>
足跡追跡はカリスマ系スキル。
ゴブリンはカリスマ低いんで、苦手分野なんですね。
「苦手分野多いなゴブリン」
<うん。・・・あ、でも、いました。ブルートボア>
________
________
_______S Earth Spirit@Gob14ro
〟〟〟〟〟■■+
〟B〟〟〟■ Brute Boar
〟〟〟〟〟■
「なんだ。見つかったか。1体だけ?」
<いえ、離れたところにもう1頭いますね。ベアとブルート本人は見えない>
「ボアだけか。まあいいわ。やっちゃおう。主力移動で!」
<はーい。
あ、霧ですけど、濃度どうします?>
「調整できんの?」
<13%刻みで、最大39%。まあ狙った%に必ずなるわけじゃないけど>
「そっか。まあ移動中はできるだけ濃くして、戦闘入ったら13%まで落としていく感じかな」
主力30人余り。
水の精霊の力で濃霧を維持して、3列縦隊でジワジワと移動する。
移動しては停止して『霧に包む』。移動しては停止して『霧に包む』。
このゲームなぁ・・・仕様は面白ェーんだけど、操作がめんどくせーんだよな。全体的に。
風花がやってくれるからいいようなもんのさー。
<現着(げんちゃく)>
「クラッシャーかな。で、攻撃と同時にマナベース開始」
<らじゃー>
少しずつ薄れゆく霧の中。
魔剣“クラッシャー”を持つ@オガ太郎、ブルートボア(がいたあたり)へ接近。
左右を固めるのは、盾2枚装備のゴブリンシールズである。
?は知覚した: 人間の足音と匂いに気付いた。
?は苛立った: 「ブヒ、ブヒッ」
「苛立っとるw」
<音はすれども姿は見えず・・・不安! ってとこでしょうか>
「こっちも見えねーんだけどね!」
ブヒブヒいう音だけを頼りに、接近して・・・
‰%〟〟〟〟
%〟〟〟@@
%B〟〟@@
%〟〟〟@@
‰%〟〟〟〟
わずか3マス! 至近遭遇である!
ブフォ! ズゴゴン!!
ブルートボアは突撃した:
ナンノ! @ゴブ太郎は回避した。
「もらったな」
<もらいましたね。念のため、シールドパンチ。よし。ボアはもう防御不能>
オガ太郎は攻撃した: ブルートボアは砕け散った(魔剣“クラッシャー”)。
<一丁上がり>
「強いぜ! フガ太郎!」
<誰だよw>
「混ざっちったw 強いぜ風花! って言いかけたんだよ」
?はしゃべった: 「誰だ。そこにいるのは・・・」
?は苛立った: 「ブヒ、ブヒッ」
?は苛立った: 「グルルルル・・・」
霧の中から、ブルートども(たぶん)の声がする・・・。
「ブルートも近いか」
<そのようで>
「けどさー・・・ちょっともったいないね」
<え?>
「肉」
<・・・ああ、イノシシの肉?>
「そうそうw」
■■■ 167、水の回 ■■■@..Z
「コイツ、めっちゃ肉取れたじゃん?」
<そうだったね。たしか、体重の50%ぐらいお肉が取れたんだったかな>
「50%って多いの?」
<うん。豚の場合だと、お肉は40%台。内臓も入れて50%前後みたい>
「へー」
<残りは、クラッシュせずに倒してみる?>
「だね。ブリちゃんとか」
<冷凍保存だねw>
などと余裕を噛ましておった、俺と風花さんですが・・・
ブルートは弓を撃った:
ホワァ! @ゴブ太郎は回避した。(防御-1)
ブルートボアは突撃した:
@ゴブ太郎はシールドで受けた。
@ゴブ太郎に12ダメージ。
ブルートベアは攻撃した: 右の爪。
@ゴブ太郎に32ダメージ。@ゴブ太郎は死んだ。
・・・その余裕は、ヘシ折られてしまいました。
「うっは。強ェ」
<防御が2回しかできなかった・・・『防御-1』ってのが影響してるのかな>
後でわかったんだけど(風花さんがヘルプ調べてくれた)、防御回数を1回余分に使わされる効果みたいだね。地味に痛い。
でもホントに痛いのは、突っ込んでくる獣である。
ボアだけでも結構強いのに、ベアがそれより遥かに強い!
「ちっとまずいね。@太郎のブレスは?」
<ごめん、ポジションが後ろで・・・>
「あー。味方巻き込むか」
<うん>
──しかも、まだ本気じゃなかったんだよな。ベア。
ブルートは弓を撃った:
クソッ! @ゴブ次郎は回避した。(防御-1)
ブルートベアは攻撃した: 右の爪。
ゴキーン! @ゴブ次郎はシールドで受けた。
@ゴブ次郎に32ダメージ。@ゴブ次郎は死んだ。
ブルートベアは攻撃した: 左の爪。
死ンデタマルカ! @ゴブ三郎は回避した。
ブルートベアは攻撃した: 噛み付き。
バキーン! @ゴブ三郎はシールドで受けた。
@ゴブ三郎に31ダメージ。@ゴブ三郎は死んだ。
「ウソだろおいwww」
<全力アタック来ましたね・・・>
ブルートベアの、これが本気! 全力アタックだ!
たった1ラウンドで、@ゴブ次郎・三郎が絶命! ゴブリンシールズ前衛、全滅である!
<もはやクラッシュせざるを得ない>
@オガ太郎は攻撃した: ブルートベアは砕け散った(魔剣“クラッシャー”)。
<レアなお肉をクラッシュしてしまった>
「しょうがねーよ。ってかさー、シールドで受けてんのに死んだらさー、どうしよーもねーじゃんwww」
<ホントだよw>
「これ、霧なかったらヤバかったね」
<だね。レイス騎兵呼ばれてたらダメだったかも>
「水の精霊様様だね」
<今回は水の回だったねw>
まあね。そんなあばれグマもね。オガ太さんが仕留めてくれましたんでね。
@太郎さんも前に出れましたしね?
あとはまあ、ね。
@太郎はブレスを吐いた: 呼吸が足りない。威力が半分になった。
ブルートボアは凍死した。
ブルートは凍死した。
ブルートはしゃべった: 「貴様らの顔、覚えたぞ・・・!」
ブルートは霧になった:
はい。
太郎さんのアイスブレスで、戦闘終了である。
しかし・・・
「まだ死んでないもんねー! みたいなおっしゃりようですが」
<凍死したっつったじゃんw>
「だよなw」
<逃げるのにターン無視はないよー>
「ちょっとイラッと来る展開だったね」
<ねぇ?>
・・・ちょっと苦い勝利だったとさ。
「ブルートはアレかな。カンオケで蘇るパターン」
<そんな感じだよね>
「ゴブリン、蘇生、間に合うよね?」
<うん。大丈夫>
ゴブリンシールズを蘇生。
凍死したあばれイノシシを、火の精霊@五郎に担がせる。
重すぎて一歩も動けねーんだけど、レディ@スピネルが『精霊召喚』するから問題ない。お肉のテレポ回収です!
<あとは、@ゴブ十五郎をアレしとかなくっちゃね>
「アレね」
で、引き返す。霧を濃くして、ゾンビになった@ゴブ十五郎のとこまで戻って──
月の神剣“リカージョン”! ぶった斬って、転生させるのだ。
さーて、今回の転生精霊は・・・?
@ルーンドは唱えた: 『黄泉の法に則って、月のふたたび満ちるがごとく、この世の巡りに帰り来よ・・・』
招集されたマナを30ポイント消費した。
@ゴブ十五郎の御霊は蘇った。
かえりの精霊 @ゴブ十五郎が誕生した。
「かえりの精霊」
<リカージョン・スピリットですね>
「なんじゃそりゃ・・・」
■■■ 168、かえりの精霊 ■■■@..Z
精霊に転生した@ゴブ十五郎。
種族(?)は、リカージョン・スピリット。
『かえりの精霊』である。
なんじゃそりゃ?
<精霊スキルも『リカージョン』>
「リカちゃんだらけで何が何やら」
<神剣と同じ効果っぽいね。まあ、『かえす』って訳しとこうか>
「そーだね。じゃ、精霊スキル上げてみて」
<はいな>
かえりの精霊@ゴブ十五郎はスキルが上がった: 『かえりの精霊』2(=9)。
能力に目覚めた: 『にげもどる』
<『にげもどる: 故郷に逃げ戻ります。接触している味方も、一緒に帰れます。』──だそうです>
「もしかして・・・テレポート帰還では?」
<かも知んない。やってみます?>
「うん」
<失敗。失敗。やっと成功>
┏━━━━━━━━━
┃どこに逃げ戻りますか?
┃ →入り江の港町
┃ 『魔王の城』月神殿
┃ :
┗━━━━━━━━━
<テレポート帰還ですね>
「これ・・・偵察員が、自力で飛び込めるようになった、ってことだよね?」
<そーゆーことですね。偵察精霊@ゴブ十五郎!>
かえりの精霊@ゴブ十五郎。
自力テレポートできる偵察精霊、誕生である!
「いい転生だったね」
<いい転生>
「倒して良かったブルータス」
<名前ちがうし。戦利品でもないしw>
「ところで、なんか失敗多くなかった? 発動するとき」
<うん。プレゼンス系だからね。『~の精霊』スキルは>
「あー、苦手分野か。ってことは、緊急避難には使えないか」
<そうだね。信頼性は低い>
「うむ」
<でもまあ、いい転生だったねw>
「うむw」
「かんたかんた、ふーかちゃーん。おやつよー」
「お」
<・・・あ、さっき相談したメニューらしいですよ。お楽しみに!>
「マジで!」
というわけで。
@ゴブ十五郎があらたな精霊に転生したところで、おやつ休憩です!
・・・あ、チョコの匂いしてるわ。部屋出た途端。
「幹太は知覚した。チョコレートの匂い」
<あはは>ユキ号、食卓で笑う。
「なに言ってんの」母ちゃんあきれる。「まあ当たりだけどさ。はい。クリームチョコパンケーキ」
「へー!」
白いクリームの帽子かぶったチョコケーキだ。
いい匂いする!
「ココアが余っててね。風花ちゃんに冷蔵庫見せて、考えてもらったのよ」
<卵なしで作れるシンプルなケーキにしてみました>
「ほえー」
切る。食う。
うまい。
生クリームが冷たくて甘くて、チョコケーキが熱くて甘くて、ちょっと苦い。
「うまいわ。なんかちょっと、トロッとしたの入ってんね?」
<チョコチップですね>
「板チョコぶっ叩いて入れたのよ」
「クラッシャーか」
「おいしい?」
「うん。ちょっと苦くて、甘くて、うまい」
母ちゃんとユキ号にめっちゃ見られながらで、ちょっと恥ずかしいんだけど。
まあうまいわ。
視線に耐えて食ってたら、父ちゃんも匂いに釣られて降りてきた。
母ちゃん対応要員来た! これで落ち着いて食える!
「風花ちゃんかしこいわね。また貸してね、かんた」
「・・・」
食ってるときに話しかけんじゃねーよ。姉ちゃんも母ちゃんもよー。
「・・・んー」
「月1か2か、せいぜい3か4だから」
「毎週じゃねーか」
「冷蔵庫整理するときだけ。お願い」
「・・・うーん。風花はいい?」
<はい。幹太さんがオッケーなときなら>
「あらあら、風花ちゃんは忠実ねー」
「うめーな・・・」
父ちゃん、出遅れた感想ぼそっとしゃべる。
ま、こんな感じで、午後は甘いもん食って過ごしました。
※このページの修正記録
2024/03/23
「167、水の回」
「豚の可食部は40%台」と書いてましたが、正しくは『お肉は40%台』でした。
× <うん。現代の豚の可食部は、40%台らしいよ>
○ <うん。豚の場合だと、お肉は40%台。内臓も入れて50%前後みたい>
2024/03/17
文章の流れが悪かったところをあちこち修正。話は変わってないので、詳細は省略します。
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