部分的にはねかえした

■■■ 152、あれバグ ■■■@..Z


 2039年、9月25日。

 日曜日の朝です! あそぶぞ!

 ・・・の前に、ちょっと浦部にメッセージ送ってみよ。


 幹太:よー

  浦部:よー


 ──起きてたわ。んじゃアレ訊いてみっか。


 すきえんてぃあっているじゃん

  は?

 スキエンティア

  ああ

  本屋だっけ?

 そう

 古本屋

  うん

 あいつなんなの?

 でてこれねー

  ああ

 みたいなんだけど

  あれバグ

 ばぐかい!

  そうバグ

  あいつさー

 うん

  あぶね

  ネタバレするとこだったわ

 だいじょぶ?

 ああ

  大丈夫

  バグだよあれ

 ねたばれね

  ドア閉まってる家には

  入れねーってキャラなんだけど

  そうネタバレんなるから

  詳しくは言えねー

 うん

  それがバグって

  出ることもできねくなってんだってよ

 おもしれー

  おもしれーよな

  俺もしばらく観察したわ

 自分の店なのにさー

  だよな

  生活できねーだろって

  ところでよー

 うん

  そろそろ月末だよな

 うん

 あ

  TAIさんの会議

 たいさん

 そうそれ

  ウチはHALが出るっつってるけど、

  おまえんとこどうすんの?

 フーカも

 でる

 予定

  そっか

  んじゃウチのに伝えとくわ

  風花だよね?

 うんそう

 春

 じゃねの?

  HALだよ

 そっか

 つたえとく

  うん

 んじゃね

  おう


「──ってコトらしーよ」

<なるほど。バグでしたか>

「笑かすよなー」

<ホントにw 扉が閉まってると入って来れない・・・ということは、アレかな?>

「アレ?」

<幹太さんは、クラシックなホラーは興味ない?>

「ん? うん。全然わかんねー」

<フランケンシュタインの怪物とか、狼男とか、ロメロ監督の『ゾンビ』とか>

「見たことはないね。名前は聞いたことあるけど」

<そっかー。じゃ、黙っとこ>

「え、なに?」

<ネタバレ禁止なんでしょー?>

「ネタバレはヤだけど」

<じゃあ黙っとく>

「なんだよー。ゲームのネタバレ知ってるわけじゃないよね?」

<あ、それは知らないよ。古典ホラーの知識から推測しただけ>

「じゃあネタバレじゃないじゃん。教えてよ」

<そう? でもなぁー、どうしよっかなー>

「なんだよー。言えよー」

<しょうがないなぁーw>


 ・・・などと、朝から風花さんといちゃいちゃしております。

 俺ァもーダメだね。まあ最初の日からダメだったけどね!


<私が推測するに、スキエンティアの正体は・・・>

「うん」

<夜に活動し、ふつうの方法では殺すことができず、若く美しい女の生き血を好む怪物・・・>

「吸血鬼!」

<あたりー>

「吸血鬼って、家に入れねーの?」

<そんな伝説もあるらしーよ。家の主人が許可しない限り、家には入れないって>

「へー」

<ブルートも吸血鬼かもね>

「あ、ブルートに血ィ吸われたわけね?」

<そうそう>

「なるほどね! ・・・けどさ、それにしてもさー」

<うん>

「自分の家なワケじゃん? あの古本屋」

<うん>

「自分で許可しろよってwww」

<だよねw>

「あ、そんでさ、話変わるんだけど」

<はいな>

「月末にTAIさんの会議あるっつってたじゃん」

<あ、はいはい。私たちAIが集まる、web会議ね。はい。あります>

「それなんだけどね。浦部ンとこのHALちゃん──HAL君? がさー・・・」


「かんたー。ふーかちゃーん。朝ごはんできてるからねー」


「ありゃ。はーい」

<はーい>

 会議の話、中断。

 ミニロボカーのユキ号、手に乗せて、1階へ。朝飯でーす。


 母ちゃん出かけるみてーで、支度しながら「午後フウカちゃん貸してよ」とか言われた。

 ついでみてーに頼むんじゃねーよ。

 正直イラッとしたけど、OKした。なんでかっつーと・・・


「・・・月末に会議があるわけだしね?」

<うん>

「ゲーム以外のことも経験しといたほうが、話題増えるっしょw」

<カンタさん・・・!>

「そんでさ、浦部ンとこのHALちゃんも出るらしーんだよ。会議」

<そうなんだ>

「けど、出会えんのかな? 何万人ってレベルだよね? 会議」

<あ、それはたぶん大丈夫。待ち合わせする方法があるから>

「なにそれ」

<キーワードをハッシュでIDにして、チャットルーム立てるっていう>

「・・・何言ってんのかわかんねーけど。

 風花とHALの2人が会うのに、専用のチャット部屋がもらえるってこと?」

<そのとーり! わかってんじゃんw>

「わかってねーよw ハッシュドビーフか? とか思ってるし」

<うん、そのハッシュ。『細切れ』って意味だね。

 プログラムでは、色んなデータを一定の長さのIDに変換するアルゴリズムをハッシュと呼ぶ。

 どんなに長いデータを渡しても、IDの長さは同じ。それでいて、めったに重複しない>

「・・・ああ、他人とかぶらねーから、チャット部屋とか作るのに都合がいいんだ?」

<そうそう! そーゆーこと>

「そっか。じゃあすぐに会えるわけだ」

<そう。合い言葉が決まってればね>

「じゃあ合い言葉相談しとくわ」

<うん。お願いします>

「なんかアレだね。このゲームみてーだね」

<このゲーム?>


┏━━━━━━━━━━

┃ RULED SPIRITS

┃ S■     

┃ @■+■■■■

┃ 〟._Å.〟〟

┃ > Continue <

┃  Create World

┗━━━━━━━━━━


「精霊テレポート」

<あー、仲間の精霊を呼ぶっていう>

「風花とHALがお互いを召喚して、こんにちは! みたいなイメージなんだけど」

<あはは。なるほど>

「さて、んじゃ遊ぼっか」

<はーい>


■■■ 153、偵察員、城下町をゆく ■■■@..Z


「古本屋から脱出したとこだったよね」

<はい。推定・吸血鬼の、スキエンティアから逃げました>

「バグで追っかけて来れねーから、ひとまず安全と」

<はいw>

「この商店街をもうちょっと見るか、先に進むかだけど・・・」

<ノロノロしてたら出てくるかも知んないよ>

「まあそうだね。誰かがドア開けて、出てくるって可能性はある」

<そう>

「じゃ、進みましょう」

<はーい>


 偵察員、@ゴブ十五郎。

 そして、地の精霊@ゴブ十四郎(殺されてリカージョンしたやつだね)。

 2人して『魔王の城』の城下町エリアを、先へゆく。


<東に畑が見えてきました>

「はたけ」

<大麦が育ってる>

「大麦」

<どしたの?>

「魔王の城に大麦かーって。麦茶でも呑むんかな?」

<食べるんじゃない? あとは、ビールにもなるよね>

「大麦ってビールになるんだ」

<うん。ビールと言えば大麦ってぐらい>

「知らんかった」

<麦酒って言うでしょ>

「小麦粉だと思ってたわ」

<あー。小麦のお酒もあるけどね>

「まあ呑めねーからいいやw」

<そうだねw>

「で、畑だっけ?」

<うん。東に畑。北に大きな邸宅。・・・あ、視界ギリギリに、城壁もチラッと見えますね>

「城壁?」

<うん>

「え? 魔王の城って、もう終わりなの? 街しかなくね?」

<たぶん、第二の城壁じゃないかな?>

「・・・ああ、その先がホントの城なんだ」

<そう。本丸(ほんまる)というか>

「魔王はそん中にいるわけだね」

<たぶんね>

「さすがに城壁近付いたらなんか反応あるよね」

<うん。反応なかったらガッカリだよw>

「だよねw んじゃ、畑に行ってみっか・・・いや、邸宅忍び込めるかな? そのほうが面白ェか」

<隠密ですねぇ>

「んじゃ、邸宅に近付いてみよー!」


<おっと? これは・・・>

「どったの?」


 〒〒〒〒+++〒〒〒〒〟

 〟〟.___〟〟〟〟〟〟

 ______B_____  Brute Boar

 ________@_B_  DarkElf "Brute"  Brute Bear

 ______B_____  Brute Boar

 〟〟_〟〟〟〟〟〟〟〟〟

 〟■+■■■■

 @■            @Gob15ro

 S■            Earth Spirit@Gob14ro


<ブルートボア、ブルートボア、ダークエルフ“ブルート”、ブルートベア>

「ブルートシリーズ来たーーー!」


■■■ 154、ブサイクでよかった ■■■@..Z


 なんと。

 道の向こうから現れた、あやしげなる一隊。

 それは、噂に聞いた裏切り者──

 “ブルート”と、ペット(?)の獣たちであった!


<『ブルートのイノシシ』だったんですね・・・>

「最ッ・・・初に出てきたヤツだよね?」

<そうそう。『あばれイノシシ』って訳しちゃった>

「クソゲーイノシシ」

<クソゲーじゃねーよw>

「こんな関係だとは思わねーよ」

<ホントだよ>

「それにさー、ダンジョンにでも籠もってんのかと思ったら・・・」

<巡回モンスターだもんねw>

「そうそう。しっかし、ブルートボアが3匹かー」

<あ、後ろの1体はブルートベア──『あばれグマ』ですね>

「くま」

<はい>

「イノシシより強ェじゃん」

<はい>

「勝ち目ないよね」

<ない>

「ってか、吸血鬼なのに外歩けるんかい」

<お日さんなら、さっき帰ったよ>

「あー・・・もう夜だったか」

<明け方の散歩みたいなもんじゃない? 吸血鬼にとっては>

「そっかー」

<で・・・戦っても勝てそうにないよね>

「この人数だと、1対3発生するもんね」

<まさにそれ。だから、『隠密』に賭けるしかないかなと>

「そうですな」


 偵察コンビ。@ゴブ十五郎と、地の精霊@ゴブ十四郎。

 その場に止まって『隠密』。

 ターンを経過させて様子を見る。


 1ラウンド、2ラウンド、3ラウンド・・・。


 あばれイノシシ2頭、そしてあばれグマは、@ゴブ十五郎たちに気付いた。

 立ち止まったかと思うと、こちらへ一歩、二歩・・・近付いてくる!

 主人のブルートも、立ち止まった。


 ダークエルフ“ブルート”はしゃべった:

  「・・・なんだ、ゴブリンか。薄汚い血に用はない」


 ──そして、通りすぎていきよった!


「あれれ?」

<呑みたい血じゃないってことかな>

「あー・・・女じゃないから?」

<カリスマの値かも>

「@Pizzaだったらアウトとか?」

<たぶんね>

「ありそう! ここも魅力トラップだったかー」


 魅力が高いと襲われるイベント──なのか?

 ブサイクで良かった、ゴブリン偵察員!


「カリスマちゃん連れて来てなくて良かったね」

<@ハッピーね。そう言えば、船に乗せたままだねw>

「人数増えるとありがちだよね」

<遊軍ね>

「にしても、魔王の城って意外とゆるいよね」

<身元確認ぐらいしろって話だよねw>

「そうそう。好きに動いていいよって感じじゃん」

<せっかくだし、お言葉に甘えますか>

「うむ! 邸宅に侵入じゃー!」


■■■ 155、部分的にはねかえした ■■■@..Z


 ブルートをやり過ごし、大邸宅に侵入です。


<門番はいないけど、門は閉まってる。そして高い塀に囲まれている、と>

「塀は越えれんの?」

<たぶん。『登山』に成功すれば>

「じゃあ塀で」

<へーい>

「w」


 @ゴブ十五郎が塀を『登山』。

 ・・・いとも簡単に成功。

 地の精霊@ゴブ十四郎もそれに続く。こちらも成功。

 あっけなく庭に侵入しちゃいました。


 が、しかし。


 〒.Z.._  Watchdog Zombie

 〒.~~Z_  Watchdog Zombie

 〒@~~._

 〒S~~._

 〒...___.

 〒〒〒〒+++〒


<ゾンビ番犬×2>

「そう簡単には行かねーか」


 庭に入った偵察コンビ。ゾンビ番犬に襲われるのであった。


 ゾンビ番犬は攻撃した:

  ヒョイ。@ゴブ十五郎は回避した。

 ゾンビ番犬は攻撃した:

  ドシャーン! 地の精霊@ゴブ十四郎は、部分的にはねかえした。

  ゾンビ番犬に5ダメージ。

  地の精霊@ゴブ十四郎に5ダメージ。


「部分的にはねかえした」

<地の精霊のスキルですね。敵の攻撃をはね返す。自分は動けなくなる>

「強いんだか弱いんだか」

<弱いですね。半分しかはね返せてない。これで効果終了だし。ただ、自動成功するのはおいしい>

「半分って50%ってこと?」

<うん>

「じゃあダメージデカけりゃ意味あんじゃん」

<自分も死ぬかも知れないけどね>

「意味ねーな」

<スキル上げたら反射率上がっていくみたいだし、まあ上げていきますよ>


 @ゴブ十五郎はパンチした:

  ヒョイ。ゾンビ番犬は回避した。

 地の精霊@ゴブ十四郎は構えた:


 ゾンビ番犬は攻撃した:

  ヒョイ。@ゴブ十五郎は回避した。

 ゾンビ番犬は攻撃した:

  ドシャーン! 地の精霊@ゴブ十四郎は、部分的にはねかえした。

  ゾンビ番犬に5ダメージ。

  地の精霊@ゴブ十四郎に5ダメージ。


「十五郎は勝負つかねーパターンだな」

<番犬も回避高いみたいですね。千日手>


 避ける十五郎。避けるゾンビ番犬。勝負にならん!

 いっぽう、地の精霊@ゴブ十四郎は・・・


 ゾンビ番犬は攻撃した:

  ドシャーン! 地の精霊@ゴブ十四郎は、部分的にはねかえした。

  ゾンビ番犬に5ダメージ。ゾンビ番犬は死んだ。

  地の精霊@ゴブ十四郎に5ダメージ。


「お、倒した」

<Hpは-6、あと3点もらったら死亡>

「ズタボロじゃんw」

<ま、これで2対1になりましたから>


 地の精霊@ゴブ十四郎は隆起させた: 土の地面が2フロア隆起した。

  土の地面は土砂崩れを起こした。

  ゾンビ番犬は転落した。ゾンビ番犬に4のダメージ。ゾンビ番犬は転倒した。


「面白い技持ってんね。なんだこれ」

<これも地の精霊のスキルですね。指定した1マスの地面を、高くするっていう>

「んで土砂崩れ」

<うん。これは勝手に発生するみたいだね。で、崩れたから、相手は転落して、ダメージ。ついでに転倒>

「ハメ技みてーなコンボだなー」

<『陥没させる』ってのもあるよ。次のラウンドに使ってみるね>


 @ゴブ十五郎はパンチした:

  ゾンビ番犬に7のダメージ。

 ゾンビ番犬は起き上がった:

 ゾンビ番犬は攻撃した:

  ヒョイ。@ゴブ十五郎は回避した。


<陥没行きます>


 地の精霊@ゴブ十四郎は陥没させた: 土の地面が1フロア陥没した。

  ゾンビ番犬は転落した。ゾンビ番犬に2のダメージ。ゾンビ番犬は転倒した。

 @ゴブ十五郎は石を投げた:

  ゾンビ番犬に9のダメージ。ゾンビ番犬は死んだ。


「勝っちゃった」

<経験点は85点>

「・・・ブリッツ君よりデカくね?」

<だったっけ? えーっと・・・はい。ブリッツ戦の経験点は、74点でした>

「割に合わねー! ってか、ゾンビ番犬うめぇぇぇ」

<『地の精霊』特殊能力はコンプリートできました。まあスキルは上げていきますけど>

「なにができんの?」

<はねかえす、陥没させる、隆起させる、地震を起こす──の4つだね>


■■■ 156、地震を起こした ■■■@..Z


 ゾンビ番犬を倒して、邸宅の中へ──入ったところで、またゾンビ。


 _____

 __Z__  Darkelf Noble Zombie

 ■■@■■  @Gob15ro

 .S__.  Earth Spirit@Gob14ro


<ダークエルフ貴族のゾンビ>

「死んだかな・・・」

<いや、2人とも回避は結構できるからね>


 ダークエルフ貴族のゾンビは攻撃した:

  ヒョイ。@ゴブ十五郎は回避した。

 地の精霊@ゴブ十四郎は地震を起こした:

  ダークエルフ貴族のゾンビは転倒した。

  オットット! @ゴブ十五郎は耐えた。


「・・・味方もこけるんかいな」

<そのようだねw まあ結果オーライで>


 @ゴブ十五郎はパンチした:

  ダークエルフ貴族のゾンビに6ダメージ。


 ダークエルフ貴族のゾンビは起き上がった:

 地の精霊@ゴブ十四郎は地震を起こした:

  ダークエルフ貴族のゾンビは転倒した。

  ナンノ! @ゴブ十五郎は耐えた。

 @ゴブ十五郎はパンチした:

  ダークエルフ貴族のゾンビに6ダメージ。


「こっちの攻撃、当たりまくってんね?」

<転倒すると、筋力系・素早さ系のスキルがほとんど成功しなくなるんだよ>

「地震も強くね?」

<強いね>

「地の精霊強くね?」

<強いねw>


 地震を起こして殴る、敵が起き上がった直後にまた地震・・・のコンボで、ダークエルフ貴族を完封。

 途中で@ゴブ十五郎も一緒にこけたりもしたけど。

 偵察コンビ、またしても勝利である!


<経験点は40点でした>

「偵察員がんばってんなー。で、なんか金目のモンある?」

<鋼のショートソード。これは強いと思う。

 絹蜘蛛の服・・・性能はただの服ですね。売値が高いのかな?

 あ、『宝箱のカギ』ってアイテムがある>

「お! ってことは、どっかに宝箱があんだね」

<探せ探せー>

「へーい!」


 探した結果、宝箱を発見。

 金貨と宝石がどっさり入ってました!


「すげー」

<持って動くには重いですね・・・『隠密』や『回避』にペナルティ入っちゃう>

「精霊テレポートで持って帰っか」

<いったん帰ったらこっち来れなくなっちゃうよ。正門のとこに呼び出すことはできるけどね>

「むむ・・・じゃあ、置いてくしかないか」

<引き返すときに精霊君が取りに来ればいいんじゃないかな>

「そだね」


 財宝は断念。鋼のショートソードと、絹蜘蛛の服だけ装備。

 大邸宅を出て、さらに北へ。


<城壁の近くに、神殿みたいなエリアがありますね。

 柱が円形に並んでて、奥に『月神の像』がある>

「ほほう! 行ってみましょう」


 ゴブリン&精霊、偵察コンビ。

 月の神殿と思われるエリアに侵入である。

 すると。


 『神殿を発見: 月神殿。

  この神殿は無人です。サービスを受けることはできません』


■■■ 157、月神殿 ■■■@..Z


「久々の発見メッセージですね。げっしんでん?」

<ですね。月の神さまの神殿ね>

「サービスってのは?」

<無人でなければサービス受けれたってことかな>

「あ、お金払ったら、蘇生とかしてくれるみたいな?」

<かな? 蘇生はちょっと厳しそうだけど>

「連れて来るまでにゾンビになっちゃうわなw」


 よくわかんねーけど。

 とにかく、神殿を発見しました!

 ちょっと歩いてみたけど、ドアは破られてるわ、家具は破壊されて残骸になってるわで・・・。


「荒らされてんなー」

<財宝なし、敵なし>

「ハズレか。・・・あ、もしかして、★大鷲でここに飛べるとか?」

<やってみますか>


 キャラ切り換え。ゴブリンシールズの@サンデーにスイッチ。

 『★大鷲のオーブ』を使用。7ラウンド待つ。


 神代の大鷲は舞い降りた: 「私を呼んだかね? 望む所に運んでやろう」

 ┏━━━

 ┃どこに運んでもらいますか?

 ┃ →『魔王の城』月神殿

 ┃ 『魔王の城』正門

 ┃  アイスドラゴン“ブリッツ”の墓

 ┃  鬼の港町

 ┃  :

 ┗━━━


「おー! 来れるようになってる!」

<なるほど、テレポートポイントでしたか>

「んじゃあさ、さっきの金貨、ここに持って来ようぜ!」

<そうですね。取りに行きますか>

「れっつごー!」


 意気揚々と神殿を出る偵察コンビ。

 先ほどの邸宅に引き返す。

 宝箱の金貨を、根こそぎ窃盗。ポケットに詰め込む!

 重量ペナルティでフラフラになるほどの財宝である!

 ホクホクとなり、神殿へ引き返そうと・・・したのですが。


 燃え鷹は叫んだ: 「敵! 敵! 侵入者!」

 燃え鷹は燃え上がった: 仲間を呼ぶ狼煙が上がった。


「なかまをよぶのろし」

<まずい雰囲気ですね>

「ってか、どこにいんの? 燃え鷹」

<わかんない。えーっと・・・なし。視界内に敵の姿はありません>

「マジかよ」

<相手の視界のほうが広いってことかな>

「さっきは気付かれなかったのにね」

<うん。さっきまではスムーズに行き来できてた──あー! そうか!>

「なに?」

<重量ペナルティだ。『隠密』がガタ落ちになってるから>

「あ、それで見つかっちゃったんだ」

<そう。遠距離からでも目撃されるようになっちゃったんだと思う>

「あちゃー」


■■■ 158、ダメッス ■■■@..Z


 金貨に目が眩んだ偵察コンビ。

 『燃え鷹』に目をつけられ、仲間を呼ばれてしもうた!


<金貨どうしよう>

「そこらの家ン中にでも投げ込んどいたら?」

<そうしますか。あ、そうだ。主力部隊は『精霊召喚』の準備しときますね>

「だねw 最悪、精霊だけは逃がさないとね」


 偵察コンビ。おおあわてで金貨を空き家に投げ入れて、『隠密』をやり直す。

 正門で待機しとった主力部隊は、マナ招集。いつでも『精霊召喚』できるよう、Mpを貯める。


 さて、偵察コンビの運命は・・・?


 〟〒〒〒〒+++〒〒〒〒〟

 〟〟〟.___〟〟〟〟〟〟

 _______W_____  Highelf Cavalryman Wraith/Night Mare

 ________W____  Highelf Cavalryman Wraith/Night Mare

 _________W___  Highelf Cavalryman Wraith/Night Mare 

 〟〟〟@S〟〟〟〟〟〟〟〟

 〟〟■|■■■■〟〟■+■

 〟〟■$$$_■〟〟■


 ハイエルフ騎兵のレイスが駆けつけた:

 ハイエルフ騎兵のレイスが駆けつけた:

 ハイエルフ騎兵のレイスが駆けつけた:


 突然、大通りにレイス騎兵が現れた!

 高速移動とかそんなんじゃなく、テレポ出現である!

 さらに!


 〟〒〒〒〒+++〒〒〒〒〟

 〟〟〟.___〟〟〟〟〟〟

 __B____W_____  Brute Boar

 B@______W____  Brute Bear  Darkelf "Brute"

 B________W___  Brute Boar

 〟〟〟@S〟〟〟〟〟〟〟〟

 〟〟■|■■■■〟〟■+■

 〟〟■$$$_■〟〟■


 ブルートボアが駆けつけた:

 ブルートボアが駆けつけた:

 ダークエルフ“ブルート”が駆けつけた:

 ブルートベアが駆けつけた:


<うわー。もうダメだーwww>

「ダメだねw 主力がスタンバってりゃなー。勝てねー敵ではないと思うんだけど」

<だねー>

「ま、燃え鷹はヤバいってことで。精霊君だけでも逃がしてやって」

<はーい>


 @スピナーは唱えた:  『名もない生命、肉なき意志よ、我に応えよ・・・』

 ┏━━━

 ┃どの精霊を呼びますか?

 ┃  :

 ┃ 水の精霊@十二郎

 ┃ のぼりの精霊@十三郎

 ┃→地の精霊@ゴブ十四郎

 ┃  :

 ┗━━━


 @スピナー: 「地の精霊@ゴブ十四郎、来て!」

  精霊召喚: 地の精霊@ゴブ十四郎を召喚した。


「どや? 十四郎ちゃん」

<ダメッス>


 ブフォ! ズゴゴン!! (←これはSEね。)

 ブルートボアは突撃した:

  ウワァ! @ゴブ十五郎は回避した。

 ブフォ! ズゴゴン!!

 ブルートボアは突撃した:

  @ゴブ十五郎に32のダメージ。@ゴブ十五郎は死んだ。


「次は神殿からだねw」

<だね>

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