精霊テレポート!

■■■ 141、正門、開放です! ■■■@..Z


 9月24日(土)。午後3時過ぎたとこ。

<バックアップ完了しました>

「んじゃゲームしよーぜ」

<はーい>


 風花さんのバックアップも完了したところで。


┏━━━━━━━━━━

┃ RULED SPIRITS

┃ ....@..

┃ ...@...

┃ .......

┃ > Continue <

┃  Create World

┗━━━━━━━━━━


 今日は、『魔王の城』です。

 正門の守護者(?)ブリッツ君を倒しましたのでね。

 いよいよ城に入ってやろうと。


<門、敵影なし>

「ゴブ偵、Go!」

<はいな。ゴブリン偵察班、のぼりの精霊@十三郎、城壁に移動>


 ______________

 __□□□++++□□□__

 □□□........□□□

  .@...........

  ..@.........▲


 のぼりの精霊@十三郎は発動した: 『とばす』

 @ゴブ十四郎は浮かび上がった:


 @ゴブ十四郎は上昇した:


 @ゴブ十四郎は上昇した:

 :


 まずは1人、ゴブリン偵察員を『とばす』。

 偵察員、1ラウンドに1フロアずつ上昇していく。

 そして5ラウンド後。


<城壁と同じ高さになりました。移動しまーす。・・・OK! 城壁に乗りました>


 壁際で上昇していた偵察員、一歩踏み出して、城壁に乗り移った。

 成功! 『登山』スキル不要の城壁突破法である!


<エレベーターだね>

「ブレーキついてねーけどな」

<放っとくと死ぬってのがひどいよねw>


 偵察員の@ゴブ十四郎、城壁上の安全を確認。


<クリア。城壁にも正門前広場にも、敵影なし>

「ここ、ブリッツ君しかいなかったんかね?」

<そのようで>

「まあアイツいたら誰も通れねーわな」

<ムチャクチャな強さだったもんね。ブレスが便利すぎる>

「@太郎でも強そうだもんな。ありゃ強いわ。

 ──んじゃ、安全っぽいし、残りの7人も城壁越えとこっか」

<6人。十七郎が昇天したから>

「あ、そうだったw」


 城壁前に並ぶゴブリン偵察員。


 __□□□++++□□□__

 □□□@@@@....□□□

  @@....@......


 のぼりの精霊@十三郎は発動した: 『とばす』

 @ゴブ十五郎は浮かび上がった:


 のぼりの精霊@十三郎は発動した: 『とばす』

 @ゴブ十六郎は浮かび上がった:

 @ゴブ十五郎は上昇した:


 のぼりの精霊@十三郎は発動した: 『とばす』

 @ゴブ十八郎は浮かび上がった:

 @ゴブ十五郎は上昇した:

 @ゴブ十六郎は上昇した:

 :


 かくして。


<全員、城壁に上がりました>

「んじゃ主力は引き返s──あ、いや、待って。もうちょい見届けよう」

<どのへんまで?>

「腹が減ってくるか、視界内に敵が迫ってくるまで」

<いざとなったら★大鷲で逃げれるしね>

「そーゆーこと。7ラウンドで逃げれるからね」


 ゴブリンシールズたち主力部隊は、門から離れて待機である。

 岩影の裏。正門から視線が通らない位置ね。


「こっからはまた1人先行偵察だね。6人はどこに置いとこう?」

<城壁の中に部屋みたいなのがあったはず>

「門番の部屋か。いいかもね」


 @ゴブ十四郎は、正門を離れてさらに奥へ。

 残り6人の偵察班は、城壁の中(下っつーか。城壁をくぐるトンネルだね)に入る。

 トンネルは幅広い通路になってて、その両脇に狭い部屋がある。


 ■|■++++■@■■■

 ■.■....■@■*■

 ■.■....■@+@*

 ■.■++++■.■*■

 ■@〓....〓@■■■

 ■■■....■■■■■


<東の部屋に、ウィンチが3つ。落とし格子の巻き上げ機と推測します>

「巻いちゃえ」

<ガリガリガリ・・・>


 @ゴブ十五郎はウィンチを操作した: 長時間作業(3ターン)

 :

  クランクが巻き上がった。ロックしますか?(y/n)


「ロックします!」

<Yes!>


 ■.■....■@■*■

 ■.■....■@+@*

 ■.■冖冖冖冖■.■*■


<・・・えーと、あと2つかな>

「落とし格子3枚もあんのかい」

<うん。1枚は外。1枚は内。いま上がったのは中間>

「そんな造ってどうすんだろーね? ドラゴン落とし格子なんか使わなかったじゃん」

<敵を挟み込むとかかな?>

「はさみこむ」

<わざと外の門を開けといて、敵が入ってきたら・・・>

「あー、落とし格子のあいだに挟み込んで、弓矢とかでやっつけちゃうんだ」

<そうそう>

「・・・使ってなかったら意味なくね?」

<ないねw>


 残り2つのウィンチも巻いて、落とし格子、すべて巻き上げ完了。


<正門、開放です!>

「やっと攻略かぁー」

<ここは長かったね>

「ホントだよ。ゴブリン何人死んだのってw」

<なむー>

「なむなむ」

<じゃ、6人はこの部屋っつーか通路で、適当に食事して、寝ます>

「うむ! くつろぐがよい」

<@ゴブ十四郎が死ぬまでは、ねw>

「うむw」


■■■ 142、@ゴブ十四郎、単独偵察 ■■■@..Z


 偵察員@ゴブ十四郎、単独偵察。

 舗装された大通り──の脇のほうを、コソコソと進む。


 〟.〟___〟〟〟

 〟〟〟___〟〟.

 .〟〟___〟〟@  @Gob14ro


 風景は『ハイエルフの王都』に似てる。舗装された大通りとか、石造りの家とか。

 あっちよりちょっと寂れてる(さびれてる)かな?


「城っつってるけど、都だね。これ」

<うん。城砦都市だね>

「広いよね。山の上なのにさ」

<見える限りでは、盆地っぽいんだよね。カルデラかも?>

「カルデラって、火山の火口だっけ?」

<ちがう。火山活動でできた広い窪地のこと。火口とは限らない>

「そんなとこに都造るかい?」

<阿蘇山にたくさん住んでるじゃん>

「あ、そっか」

<・・・?>ミニロボカーのユキ号、ジーッ・・・とこっち向く。

「いや、シャレじゃねーよw」

<あーそうw 大きな円形の窪地って、水が豊富になりそうじゃない?>

「水か」

<地熱も、鉱脈も、火山の恵みだね>

「3Dのゲームだったら、背景に火山が見えたりしたのかな」

<煙とか。あ、湯気も見えるかも?>

「温泉!」

<あ、なんか見えた>

「む?」


 ZZZ.〟〟■

 〟ZZZ〟〟■

 〟ZZZ..+

 〟_W_〟〟■■■

 〟〟___〟〟〟〟

 〟〟〟___〟■■

 〟〟〟___.+

 〟〟.___〟■■

 〟〟〟___〟@〟

 

「ゾンビじゃねーか」


■■■ 143、マナボールに死す ■■■@..Z


<これは死んだね>

「けど、ちゃんと遮蔽取ってんじゃん。十四郎。壁に隠れてさ」

<まーね! 常日頃からコソコソ行動するよう心がけて来ましたから>

「どろぼうwww」


 ユキ号が手に体当たりしてきました。

 さて。

 @ゴブ十四郎くん、ピンチである。


「敵何人いるんだこれ?」

<レイス1、ゾンビ16かな>

「多っ。・・・ふつーのレイスとゾンビ? それともエリート的なやつ?」

<特に変わった点は──むむ!>

「なになに?」

<ハイエルフの博士のレイスが『マナプールの杖』を装備してます>

「マナプール」

<Staff of Mana pool 13──マナ貯めれる杖、ってことかな?>

「・・・レアアイテムじゃね!?」

<だね>

「奪おーぜ!」

<どうやって勝つんだよw>


 無理か。偵察ゴブリン1人じゃな。武器も持ってねーし。


「うわー、欲しいなコレ! コレ欲しいよね?」

<うん。でも無理>

「くっそー・・・いまから主力呼ぶか」

<呼ぶ?>

「呼ぼう!」

<十四郎はどうしよう>

「隠れれるんなら、やり過ごしたいけどね。ダメなら、まあ走って逃げてみたら?」


 見つかりました。


 ハイエルフの博士のレイスは全力詠唱した:

  『マナボール!』

   ヒィ! @ゴブ十四郎は回避した。

  『マナボール!』

   @ゴブ十四郎に30ダメージ。@ゴブ十四郎は死んだ。


 死にました。


「何回行動してきてんだよ」

<全力詠唱って言ってるから、最大3発かな>

「なんだと・・・!」


 @ゴブ十四郎、全力詠唱マナボールに死す! である。


■■■ 144、アンデッド部隊戦 ■■■@..Z


<主力、前進します>


 ゴブリンシールズ、マナベース班、@太郎班、前進である!

 正門へ駆け込み、偵察班が開け放った落とし格子を、くぐり抜ける。

 飯食ってた偵察班6人も立ち上がって合流。


 ──マナプールの杖を狙って、全力前進である!


 〟〟___..+  ■〟

 〟〟__Z〟〟■■■■〟

 〟〟〟ZZZ〟〟〟〟〟〟

 .〟〟〟ZZZ〟■■■■

 〟〟〟〟ZZZ.+  ■

 〟〟〟.ZZZ〟■■■■

 〟〟〟〟ZZw〟Z〟〟〟

 ■■〟.〟___〟〟〟〟

  +...___〟..〟

 ■■〟〟〟___〟〟.〟

 〟〟〟.〟〟___〟〟.

 〟〟..〟.@@@〟〟〟

 〟.〟〟〟〟〟@@@〟〟〟


「十四郎がゾンビになってら」


 主力が到着してみると。

 あわれ! @ゴブ十四郎、すでにゾンビになっておる。


<またリカージョンしますか>

「そだね」


 戦闘再開。

 二枚盾のゴブリンシールズが突撃して、マナボールを受ける。

 ハイエルフの博士のレイス、今度は通常詠唱で1発だけ撃って来た。

 @ゴブ太郎が盾で受ける。


<5ダメージ>

「明らかにさっきより・・・」

<弱いですね。たぶん、7点下がってる>

「Mp切れか」

<はい、おそらく>


 となれば、もはや主力部隊の敵ではない。

 博士のレイスは後ろに下がって、ゾンビが前に出てくるが・・・


<ゾンビなぞ、もはや経験点に過ぎない!>


 オーガっぽいAIさんの餌食である。


 ゾンビになった@ゴブ十四郎は、@太郎が月の神剣“リカージョン”で斬っておく。御霊にしておくわけだね。

 敵のゾンビは、実験台である──


 @オガ三郎は全力攻撃した:

  ハイエルフ盾兵のゾンビは凍りついた(アイシーウィップ“ブリッツァード”)。

  ハイエルフ盾兵のゾンビは死んだ。


 @太郎はブレスを吐いた: 呼吸が足りない。威力が半分になった。

  ハイエルフ盾兵はシールドで受けた。ノーダメージ。

  ハイエルフ槍兵に13ダメージ。

  ハイエルフ盾兵は受け失敗。11ダメージ。

  :

  ハイエルフの博士のレイスに17ダメージ。


「ブレス強ェーーー!」

<敵全員入りましたね>

「ブリッツァードも悪くないね」

<離れたとこから攻撃できるから、全力攻撃しやすいんだよね>

「ってか、言いにくいんだけど。“ブリッツァード”って」

<ブリちゃんにしよっか>

「いいねw」

 

 火の精霊@五郎は焼いた:

  ハイエルフの博士のレイスに11ダメージ。ハイエルフの博士のレイスは死んだ。


「お、五郎も活躍してんじゃん」

<ダメージは低いけどね>

「余裕あんね」

<ありますね>

「じゃあ、NPCゾンビ1人、リカちゃんしといて」

<はいな>


 NPCの名もないゾンビも、リカージョンで斬ってみた。

 @と同じように、御霊(失われたスピリット)になりました。


「敵に回ったら、何かしてくんじゃねーかと思ったんだけど」

<何もしてきませんね>

「御霊は行動しないのかな」

<みたいだね。アクションしないし、移動もしない。立ってるだけっぽい>

「そっか」

<次でラスト。──命中、クラッシュ。敵、全滅です!>


 ・・・っつー感じで、楽勝である!


<マナプールの杖をゲット>

「やったぜ!」


■■■ 145、マナプールの杖 ■■■@..Z


「使ってみて使ってみて!」

<はいな。──『何点チャージしますか?(0-13)』だって>

「上限13点ってこと?」

<たぶんそうだね。いまちょっとMpもったいないから、マナベースできてからにするね>

「うん」


 マナベース班がMp招集をスタート。


<では、@サンデーも精霊を召喚します>

「おう!」


 太陽の司祭@サンデー。

 ドラゴン戦の経験点で、『精霊召喚』スキルを取りました。司祭と精霊使いのマルチクラス状態だね。

 んで、こだまの精霊を呼ぼうってんで、召喚をする。


 ──ところがである!


 @サンデーは唱えた: 『名もない生命、肉なき意志よ、我に応えよ・・・』


  どの精霊を呼びますか?

  ┏━━━

  ┃→名もない精霊

  ┃ 火の精霊@五郎

  ┃ 地の精霊@十一郎

  ┃ 水の精霊@十二郎

  ┃ のぼりの精霊@十三郎

  ┗━━━


「は?」

<これは予想外>


 なんと。

 @サンデーが精霊召喚したら、@精霊を呼ぶ選択肢が出てきよった!


「これ、五郎選んだらどうなんの?」

<やってみます?>

「・・・うん。やってみよう。さすがに死にゃしねーだろ」


 ...

 .@.

 ...


 @サンデー: 「火の精霊@五郎、来て!」

  火の精霊@五郎が召喚に応じた。


 .@.

 .@.

 ...


「出現した」

<・・・うん。ふつうに五郎ですね。ダメージもない。データ変動もなし。複製とかでもなし>

「オリジナルが消えて、こっちに出た?」

<消えたというか・・・移動しただけじゃないかな?>


 なんと。

 『精霊召喚』で、@精霊を選ぶと・・・


「・・・テレポートできる、ってこと?」

<そうなるね>

「精霊テレポート!」


■■■ 146、精霊テレポート! ■■■@..Z


「え、ちょっと待って。これ距離関係ねーの?」

<@スピネルに呼ばせてみる?>

「@スピネル・・・は、領主だっけ」

<うん。本土の、『入り江の港町』の領主。『泡の館』にいます>

「そうだね。テストしとこう!」

<はーい>


 カメラ替わって、『泡の冠』1階ホール。

 領主の@スピネル閣下、詠唱をします。


 Lady @スピネルは唱えた:  『名もない生命、肉なき意志よ、我に応えよ・・・』

  どの精霊を呼びますか?

  :


 Lady @スピネル: 「火の精霊@五郎、来て!」

  精霊召喚: 火の精霊@五郎を召喚した。


 ■__@__■  Fire Spirit @Goro

 ■__@__■  @Spinel

 ■_____■


「出たーーー!!!」

<まちがいない。テレポートですね>


 ・・・なんとなんと!

 『魔王の城』から、はるか海を飛び越えて!

 『泡の冠』館まで、火の精霊@五郎がテレポートできたんである!


「すげー! これすげーよ。メッチャ有利じゃん」

<@スピネルの料理が運べますね>

「いやそういうレベルではw」

<じゃあなに運びます?>

「なにって・・・まあ、そうだね。せっかくだし、@スピネルさんの料理運んどこっかw」


 火の精霊@五郎。

 精霊テレポートの初仕事は、お料理デリバリー!

 出来立てホカホカの、レディ@スピネルの手料理が、『魔王の城』に運び込まれたのであった。


<『精霊召喚』、強いですね>

「強いですね! ってか、こんなスキルとはね。コツコツ試してたフーカが正解だったね」

<いやぁw それほどでもー!>

 ユキ号、ウィンウィン首を振る。

<──ま、それはそれとして、こだまの精霊呼びますね>

「ああ、うんw」


 @サンデーは唱えた: 『名もない生命、肉なき意志よ、我に応えよ・・・』

  精霊召喚: Lux Spirit を召喚した。


<ハズレ>

「ハズレだけど、なにコイツ。ルックススピリット?」

<そうだね。明るさの単位『ルクス』と同じ単語だね。『ひかりの精霊』ってとこかな?>

「何ができるんだろ」

<さー?>

「NPC精霊は命令できねーもんな。じゃあ、ひかりの精霊はちょっと置いとくか」

<観察しますか? 了解。@デイリー、@シャイン、@サマーは、こだま狙いで>


 何回か召喚をやり直し(ランダムだからね)、こだまの精霊を3人揃える。

 これで、こだまの精霊は6人態勢となった!


「こだまブーストシックス」

<ユニット名が増えてくねw>

「うむ」

<Mp収支、1ラウンドあたり+6から+9にアップ。およその値ね>

「地味・・・なようだけど、9点ってデカいよね」

<そりゃもう。4ラウンドに1回蘇生して、余り6だもん>

「強くなったもんだよ」

<ホントに>


 蘇生のMpが貯まるまで4ラウンド。ひかりの精霊を観察します。


 ひかりの精霊は輝いた: 眩ます(くらます)。

  ふぎゃー! @シダル子は目が眩んだ。


「またかよ」

<この子は何しに来たんだろうね>


 ひかりの精霊は輝いた: 照らす。

  周囲が明るくなった。


 ひかりの精霊は輝いた: 伸ばす。

  クローバーが伸びた。

  セロリが伸びた。

  ぺんぺん草が伸びた。


<ひかりの精霊は、『眩ます』『照らす』『伸ばす』の3種類みたいだね>

「『眩ます』は強いんだけどなー・・・味方にダークエルフがいなきゃ」

<だねw>

「あ、そうだ。マナプールの杖は『眩ます』持ってる子にしよっか」

<なら、@サンデーがいいかな。彼女、Mp招集スタートすること多いし>


 マナプールの杖は、太陽の司祭@サンデーに回りました。


「精霊は呼べるし、Mpの杖は持ってるし・・・賢者っぽくなってきたなー」

<@サニーちゃんをこうしてやりたかったよね>

「そうだねー」


 序盤で死んだ奴らもなー。こんな風に活躍したかっただろうなー。

 まあ、あいつらの死があるからこの成功もあるわけだけどね・・・。


「『照らす』ってのは、なんの効果があんだろ?」

<名の通りじゃない? 照明>

「そんだけかなぁ?」

<いまんとこ、他の効果はないね>

「そっか。んじゃ、ひかりの精霊さんにはお帰り頂いて」

<こだまさんに来て頂く?>

「はい」


 @サンデーも召喚し直して、こだまの精霊にチェンジ。

 これでMp招集速度が1ラウンド10点に。


<@スピナーたちも参加すれば13まで上がるんですけどね>

「けど?」

<Mp招集は、全力詠唱でやらせてるからね。受けも回避もできないんだよ>

「あぶないわけだ」

<そう。弓で撃たれると即死しかねない>

「だから、@スピナーたちが司祭の周りに立ってんだね」

<そうだね。ま、念には念をってやつで>

「敵地だもんね。──しかし、@とSだらけでなにがなにやらw」


 .〟SSS〟〟

 S@@@@@S

 S@@@@〟〟


 マナベース班だけでこんな感じだからね。


<エコーちゃんも喜んでることでしょう>

「ん? どーゆーこと?」

<エコーはね、かわいそうなニンフなんですよ>

「ギリシア神話?」

<そうギリシア神話。エコーは、女神ヘラに恨まれて、ふつうにはしゃべれなくされるの>

「あ、それで、こだましか返せねーんだ?」

<そうそう。それで、美少年ナルキッソスに恋をするんだけど、愛を打ち明けることができず・・・>

「うへー・・・」

<そのナルキッソスもまた、別の神に自分しか愛せないようにされて・・・>

「オチ読めたよ」

<わかった?>

「2人とも死んじゃうんでしょ?」

<惜しいw ナルキッソスは水面に映る自分に恋い焦がれて死ぬ。エコーは悲しみのあまり肉体を失って声だけになる>

「ギリシア神話ってさー・・・、エグい悲劇多いよね?」

<多いよね?>

「まあ、うちではね、エコーさん、かわいがっていきましょう!」

<かわいがっていきましょう!>

「こだますんじゃねーよw」

<えへへw セロリを収穫しました>

「食えんの?」

<ぽりぽり>


 @ゴブ十五郎はセロリーを食べた: うん・・・。お腹が3ポイント回復。


「嫌がってんじゃんw 料理してやれよ」

<だって時間かかるんだもんw>


 ──で。

 Mpも貯まったので、御霊を蘇生していったわけですが・・・


 @ゴブ十四郎の御霊は蘇った。

 地の精霊@ゴブ十四郎が誕生した。


 これはいいとして。NPCのほうがですね・・・


 ハイエルフの槍兵の御霊は蘇った。

 風の精霊が誕生した。風の精霊は去った。


<NPC、消えちゃいました>

「ありゃ」

<単なる Wind Spirit になってたから、ふつうの精霊になっちゃったのかも知れない>

「そっか・・・この世界の精霊って、死んだ人の魂ってことかね」

<かも知れないね>

「それが、ゾンビを殺したときは精霊にならずに、どっか飛んでってるわけだ」

<うん。あの画面の上のほうに飛んでく光のエフェクトだよね>

「そうそう」


 だいぶ世界の設定がわかってきた感じかな。


<ちょっと残念でしたね。Mp30点も使ったのに>

「ま、いいよ! 精霊テレポートでお釣り来るからね」


 料理デリバリーだけでも、前線から引き返さなくて良くなるからね。

 まあ『精霊召喚』にもMpは使うから、まったくのタダでもねーんだけど。いやそれでも十分ですよ!


「杖もリチャージできるんしょ?」

<うん。13点・・・入りました。この状態で詠唱すると・・・>


 @デイリーは唱えた: 『天空の女神のスカートのように、聖なるスピリットよ集まりたまえ・・・』

  マナプールの杖のマナを1ポイント消費した。

  @デイリーはマナを2ポイント招集した。


<よし! 杖のMpが使えることも確認>

「うむ。今日は結構収穫あったね」

<いい杖も手に入ったしね>

「いったん休憩すっか!」

<休憩すっか!>


 いったん休憩です!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る