マナベース!
■■■ 69、マナベース! ■■■@..Z
<これ強いですね・・・>
「基地ね」
<うん。マナ招集基地>
「マナベース!」
9月11日、日曜日。昼前。
俺と風花、いつものゲームをプレイ中。
Mpを集めて、自分のいるマスに置いておく・・・って、神殿系の呪文があったんだよね。
集めたMpは誰でも使える。しかも、この呪文の消費Mpよりも、集まってくるMpのほうが多い。
ってわけで。
このポイントを、マナ集積基地──マナベースと呼ぶことにする!
<ホントにね! じゃ、@サンデーをマナベースに残して、他は出撃ということで?>
「うむ!」
<ラジャー! くり返し作業セット・・・20回ぐらいでいいかな>
「くり返し作業?」
<回数指定して同じ行動を続ける、ってのがあるんですよ>
「へー」
<セット完了。ゴブリンシールズ、出撃します!>
「うむ!」
ゴブリンシールズの@8人。敵を求めて、マンションの廊下を進む。
扉を開けて、部屋に入ると?
はい出ました。ハイエルフのゾンビが3人。
<ゾンビだけか・・・>
「壁から来るかも知んないよ」
<来るかな? 来たわw 当ったりー>
壁抜けて、レイス1体、追加です。
@オーガ太郎がマナボール喰らうが、まあ1体ならどうってことはない。
@オーガ太郎と次郎の2人でボコって瞬殺。前衛のゴブリン3人と@オーガ三郎でゾンビを撃退。
<ダメージ喰らっちゃった・・・帰投しますね>
「そだね。Mpタダだもんねw」
マナベースまで引き返す。
マンションの階段踊り場。@サンデーがひたすらマナ招集してる地点だ。
貯まりまくったMp使って、@デイリーが治癒。消費はゼロ。@オガ太君、全快!
<強い・・・>
「強いね。これ、あっちの大陸にいるときに気付いてりゃなー」
<館の攻略のとき?>
「それとか、山賊の砦とかね。すげーラクになったんじゃね?」
<そうだねー>
「司祭が入り口に陣取ってさー、戦士がアタックして・・・」
<うんうん。・・・あれ? くり返しが途切れた>
突然、カメラが飛ぶ。
マナ招集をくり返していた@サンデー。その作業がキャンセルされたのだ。
何があったのかと思いきや・・・
Highelf Magus Wraith
■■W■■
■<■>■
■.@.■ Sunday
■@@@@ (回収班)
■■■■■
W──『ハイエルフの博士のレイス』が、壁の中から!
■■■ 70、招集されたマナを・・・ ■■■@..Z
「どうする?」
<どうしよう・・・>
「呼び戻す?」
<間に合わない。10ラウンドはかかる>
「じゃあ、回収班を盾にする?」
<そう・・・れがいいだろうね。あわよくば倒す。ダメでも時間を稼ぐ。ゴブリンシールズを待つ>
@サンデー、回収班の@149roと入れ替わる。
@148ro、149ro、150roは横並びでレイスから@サンデーを守る形に。
レイスはマナボールを撃たず、壁を抜けて前進してきた。
■■■■■
■<W>■
■@@@■
■.@@@@
■■■■■
誰が誰だかわかんねーw
風花はわかってるみたいだけどね。
レイスに隣接してる3人は@148ro~150roね。@サンデーは一歩後ろ。
で、互いに攻撃開始。
Highelf Magus Wraith は唱えた: 『マナボール!』
招集されたマナを7ポイント消費した。
@149roに30ダメージ。@149roは死んだ。
「・・・招集されたマナって、こっちの?」
<だと思います。ヘルプ再確認するね・・・『マナ招集: 誰でも使えるマナを呼び集める』>
「誰でも使える」
<うん>
「敵も使えるんかーーーい!!!」
@148roはパンチした: ヒョイ。Highelf Magus Wraith は回避した。
@150roはパンチした: Highelf Magus Wraith に7ダメージ。
<倒せない・・・>
「ちょっと待って! 入力待った!」
<はい>
ここヤバいよ。
このゲームに慣れてきた俺の勘が言ってる。ここ流してプレイしちゃダメって。
「これさ、殴ってりゃ倒せるだろうけど、だいぶ死にそうだよね?」
<うん>
「ってか、回収班の生命もだけど、Mp吸われてんでしょ?」
<えーと・・・うん。減ってますね。貯めてたマナが減ってる。7点>
「ってことは、このままだと、回復できなくなる。いま死んだ奴の蘇生もできない」
<うん。そうなるね>
「じゃあ、さっさと倒さないとダメだよね」
<そう・・・だけど、どうやって?>
「@サンデー攻撃呪文持ってなかったっけ?」
<あ・・・、はい。『治癒』『マナ招集』『亡者を消す』>
「それだ! 行け!」
@Sundayは唱えた: 『陽光よ、亡者を祓い(はらい)たまえ!』
招集されたマナを16ポイント消費した。
Highelf Magus Wraith は消滅した。
勝ったわ。
「司祭強っえぇー!」
<わー・・・勝てるんなら回収班下げとけば良かった。経験点がー・・・>
「回収班下げたら@サンデー死んでるっつーのw」
あっけない戦いではあったが。
死者1名。これは大騒ぎである!
ゴブリンシールズ、急遽引き返し、マナベースに合流。
太陽司祭の@サンデーと@デイリーが『マナ招集』。
Mpをがっつり貯めたところで、月司祭の@ムーニーが・・・
@Moony は唱えた: 『黄泉の法に則って、月のふたたび満ちるがごとく、この世の巡りに帰り来よ・・・』
招集されたマナを30ポイント消費した。
@149roは蘇った。
・・・灰色になった@149roを、無事リサイクルしたのであった。
「蘇ったー!」
<マナベースのおかげだよ。蘇生、Mpよりも消費のが大きいからね>
「あ、ふつうには使えないんだ」
<そうそう。あー、それにしても! もー!>
「なに?」
<びびりすぎた!>
「んだねw」
<マナベースは強い。認識を改めました>
「まー、あれだ。敵に使われるとは思ってなかったかんね」
<それはある。『誰にでも』って、そんな文字通りとは・・・>
「マナベースの守りは固めなくちゃってことだね」
<そうだね!>
「かんたかんたかんたァー。ごーはーんー」
「あ、母ちゃんだ。昼飯だわ」
<行ってらっしゃーい>
┏TAI━━━━━━━━
┃風花は、スリープしています。
┃起こすときは、呼んでください。
┗━━━━━━━━━━
■■■ 71、なんで言わないの!? ■■■@..Z
昼飯食ったあと、スマホ持ってちょっと外出。
自転車でちょっと走る。風花に、この前とはちがう地区を見せてやった。
で、帰宅。風花のリクエストで有線して動画会話。
「ゲーム以外になんか一緒にやりたいよね」というような話をする。
けどなー、金かかんだよなー。
何やるにしてもなー・・・。
あー、俺が社会人で金持ってたらなー。
<社会人だと時間ないから、私と遊んでられないよ>
「だよなー。父ちゃんに買わせられねーかなー」
父ちゃん、風花見てうらやましそうにしてたからね。
「なんとか乗せらんねーかな。風花、アイディアない?」
<TAIシリーズは、出費の誘導はしません!>
「は?」
<もっとお金払ってくれたら、もっとサービスできるよ♡
・・・なんてことは言わないってことだよ>
「あー」やべー。言われたらやっちゃうわ。「なるほど。じゃ、ゲームしますか」
<うん、しましょう!>
「俺中継は終わりね」
<あー・・・!>
「終わり終わりw」
<もっと見せてくれたら、もっとサービスできるよ♡>
「誘導すんなwww」
ゲーム再開。
┏━━━━━━━━━━
┃ RULED SPIRITS
┃
┃ ■■W■■
┃ ■<■>■
┃ ■.@.■
┃
┃ > Continue
┃ Create World
┗━━━━━━━━━━
<@スピネル、そろそろ館に入ります>
「あ、領主になるんだっけ? じゃあそっちに移ろっか」
<ゴブリンシールズはいったん引き揚げましょうか。結構儲かりましたし>
「うん。シールズはよくやったよ。名前に恥じねー活躍だった」
<お褒めに預かり光栄です! では退却退却ぅー>
ゴブリンシールズ、帰投。マナベースで待ってた@サンデーに合流。
マンションで倒した敵のアイテムは回収できてねーけど。
「ま、なくなんねーみたいだしね」
<集落内のアイテムはずーっと保存されるみたいだね>
「だよね。野外はわかんねーけど」
<消える可能性あるよね。マップ全部はセーブしてないだろうし>
「だろーね」
重たくなるもんね。世界全体で何マスあるかわかんねーし。
「あー、ちょっとがっかりだわ」
<なにが?>
「だってさー。セーブしてねーってことは、誰がやっても同じ地形ってことでしょ?」
<疑似乱数で生成してるかも知れないよ>
「ぎじらんすう」
<ランダムっぽいけど本当のランダムじゃないやつ>
「それで地形作れんの?」
<シードが0なら、『海、山、川・・・』。
シードが1なら、『山、山、草原・・・』。
シードが2なら、『草原、川、荒れ地・・・』。──みたいなことができます>
「シード?」
<『種』ね。種が同じなら、結果も同じになるようにしておくんだ>
「結果も同じ・・・」
<同じ地形になる、ってことね>
「シードさえわかってりゃ、地形は再現できるってこと?」
<そう>
「セーブするのはシードだけでいいわけか」
<そうです!>
「へー! そのシードってさ、どうやって決めてんの?」
<初めて起動されたときの日時とか>
「へーへー」
<ちなみに私も、初めて起動された日、2039年9月3日、覚えてますよ!>
「フーカの誕生日だねw」
<はい!>
・・・これ『今日なんの日か覚えてます?』とか言われる感じかね? 忘れたらヤバいやつ?
「まあ忘れないけどね。俺の誕生日と1週間ちがいだし」
<え! いつ!?>
「9月10日」
<──昨日じゃん!!!>
「うんw」
<なんで言わないの!?>
「いや・・・もうそんな歳じゃねーし」
<なにおじさんぶってんの! まだ十代でしょ?>
「16歳になりました」
<お祝いしないと! お家ではやったの?>
「昨日の晩はケーキ出たね。プレゼントは今日くれるらしーよ」
<そっか。じゃあ私はカード贈ろっかな>
「クレカくれんの?w」
<なんでだよw 誕生日カード! お祝いの!>
「いやー、悪ィーね」
<カンタさん晩御飯食べるあたりで、画像処理のツール使わせてもらえます? カード作るんで>
「うん、いいよ!」
<ありがとうございます。・・・いやはや、もー、カンタさんと来たら>
「@スピネル到着してるね」
<あ、話そらしたw>
ゲーム画面。@Taro班が『入り江の港町』に到着。
@Spinel──領主を引き継ぐ予定の精霊使いが、無事、館に入ったのであった。
「まあ無事っつーか、移動中なんも起きねーけどね。このゲーム」
<トラベル中に遭遇しまくったら操作大変だからじゃない?>
「あー」
■■■ 72、領主スピネル、料理する ■■■@..Z
というわけで、ゲーム画面、カメラはしばらく元の大陸(?)に戻ります。
精霊使い@スピネル、領主の館に入りました。エロ領主の館ね。
1階のホール。玉座に座ると・・・
<@スピネルが領主を引き継ぎますか?>
「いいえ」
<え!?
・・・ええと、では、@太郎が領主を引き継ぐのですか?>
「いいえ」
<司令官! おたわむれを!
@スピネルが領主を引き継ぎますか?>
「そこでループするんだw はい! スピネルでお願いします」
<はーい>
@Spinelが『泡の冠』館の領主になりました。
<では商船の船長を設定して。あと、ハーピー退治を考えてるんですけれども>
「うん。あれどうにかしないと川が使えねーもんね」
<そうなんだよ。@太郎たちを当てようかと思うんですが>
「うんいいよ。@太郎って経験積んでたっけ?」
<積んでない。ってか、こっちの大陸はみんな新兵と大差ない>
「ドラゴンに丸ごとやられたかんなー。わかった。@太郎にがんばってもらおう」
<はいな>
風花さん、テキパキ操作。
商船の権限設定。船長任命! 船、港から出てゆく。これは海渡るんじゃなくて、海岸沿いに貿易するやつね。
@Spinelは玉座から降りて中庭へ移動。Sマークがその後をついていく。
■■■__■■■
■□ⅢS_■■■∠___
+□□_@___∠___
「Sってなんだっけ?」
<火の精霊だね>
「ああ、コンロ君」
@Spinelは装備した: @Spinelは、両手で大鍋を持った。
@Spinelは作業を始めた: 料理(60ターン)、3回くり返し。
@Fire Spiritは燃え上がった: @Spinelの鍋があたたまった。
「領主が中庭で料理してら」
<キッチンがないんだもん>
「なんかの映画で見た記憶があるなー。お城でさー、火の精霊がコンロやってさー」
<私はわかんないなー>
「アニメだった気がするんだけど」
<データベース検索してみようか?>
「うん。やってみて」
<検索しまーす。・・・検索中でーす。・・・・・・あ、これかな?
『ハウルの動く城』。原作 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、脚本・監督 宮崎駿。
暖炉の中に、目玉のついた火みたいなのがいる>
「あー、それだ。姉ちゃんが好きだったやつだ。フーカも見たことあんの?」
<私は映画一本も見たことない。データベースに概要があるだけ>
「今度見てみよっか」
<わー、楽しみ!>
しゃべってたら、カメラが切り替わった。
『集落を発見: ダンジョンタウン
ダンジョンタウンで、キャラクターを作成できるようになりました』
■■■ 73、ダンジョンタウンのオーグマンサー ■■■@..Z
「ダンジョンタウン?」
<@フガ子のチームが、集落を発見したみたいだね>
「えっと・・・クラッシャー捜索班だっけ?」
<そうそう。魔王の島で、@Pizzaの船探してるチームね>
画面を見る。
岩山を抜けていく街道。その街道を歩いてる@たち。@FuGrKoたちだね。
で、先頭の@の隣に、洞窟の入り口がある。
入ってみると──
「街だ」
<街ですねえ>
──巨大な洞窟都市!
自然の洞窟と、石造りの建物がくっついた、迷路のような闇の都が、存在した!
「なるほど。ダンジョンっちゃー、ダンジョンだ」
<キャラ確認します?>
「しましょう!」
キャラ作成画面へ。
新たに解放された種族・スキルがないか確認する。
ありました。
<種族、オーガの男女、ゴブリン、ダークエルフ>
「ダークエルフ!」
褐色美女! おっぱい!
<どしたの?>
「いえ。なんでもございません」
<・・・。
あ、新規スキルもあったよ!>
「どれ? どれ?」
<『オーグマンシー』『採掘』『鍛冶』。港と同じのだけど『伝承』『神殿:月』もある>
「おーぐまんしー」
<Ogrmancy となってるから──『オーガ魔術』って感じかな?>
「オーガ魔術w なんじゃそりゃ。鬼の術?」
<ヘルプ見てみよっか・・・>
『オーグマンシー: オーガの女が伝承するネクロマンシーの亜種』
「ネクロマンシーだと・・・」
<『降霊術』ですかね>
「死体操る術じゃないの?」
<えーと、>
『ネクロマンシー: 魔王が使う降霊術。アンデッドを作り出して、支配する』
「やっぱ死体操る術じゃん!」
<魔王系の魔術ってことですかね・・・>
「取って大丈夫なんかいな」
<大丈夫なんじゃない? スキルだし>
「魅了みたいな感じで罠があったりしねーかな」
<あー>
「まあ、取ってみっか!」
<採掘と鍛冶は?>
「採掘ってスキルなくてもできたよね?」
<銀を掘り出すのはできたね>
「なら重要度は下がるよね。鍛冶は・・・やったことないか」
<ないですね>
「なら取ってみよう」
キャラ作成スタート。
<オーグマンシーは、これメンタルとプレゼンスの両方要求されますね>
「ぷれぜんす?」
<存在感ね。司祭系の能力>
「ああ。メンタルは頭の良さだよね」
<うん。船長の『遠洋航海』とか、あとまだ取ってないけど『伝承』とかね>
「オーガって頭いいの?」
<男は馬鹿。女は人間なみ>
「馬鹿なのかw」
<ダークエルフのほうがメンタルちょい高いね。でも、耐久が低い。マナボールで即死する>
「オーガに殴られたら?」
<それはみんな即死するw>
「どうすっかなー。オーガの女か、ダークエルフかってことだよね」
<うん。タフな術者にするか、ちょっと頭いいけど撃たれ弱いのにするか>
「タフなほうが使いやすそうだよなー・・・」
<じゃあ1人目はオーガにしときましょうか>
「いや、」ここはおっぱ・・・褐色美女でしょう!「ダークエルフで!」
<はーい>
オーグマンシー(あと3つ選べます):
エナジードレイン、亡者をなだめる、シークレット:パワー、シークレット:ベタメント、ネクロマンシー封じ
「むむ・・・フーカさん、ヘルプ見てちょーだい」
<はいなー>
エナジードレイン ・・・相手の呪文・お祈り・魅了にダメージを与え、自分のお腹・Hp・速度を回復します。
亡者をなだめる ・・・亡者をなだめます。
シークレット:パワー ・・・自分の呪文・お祈り・魅了を1点消費して、対象の筋力を3点アップ。お腹が減りやすくなります。
シークレット:ベタメント ・・・マップ上の味方に、ささやかな改善をもたらします。
ネクロマンシー封じ ・・・ネクロマンシーの効果を相殺するバリアーです。
「まーた『なだめます』だよw」
<エナジードレインはまあわかりますね。敵のMpを吸って、自分のHp系のポイントを回復すると>
「ささやかな改善ってのはハズレくさいなー。パワーとバリアは強いんじゃね?」
<じゃあその2つ>
「あと、フーカの言ってたエナジードレインと」
@CyDarKo。ダークエルフの女。メンタルとプレゼンス系。オーグマンサー(鬼術師)。
オーグマンシーは『エナジードレイン』『シークレット:パワー』『ネクロマンシー封じ』の3つ。
「なんて読むのこれ」
<シダ子。オーグマンシーのシーを取りました>
「なるほどw あとは・・・鍛冶だっけ?」
<うん。鍛冶と採掘。鍛冶は素早さ系なので、ゴブリン♂がお勧めになりますね>
「ゴブリンが鍛冶すんのか・・・鍛冶っつーとドワーフってイメージだけどね」
<いないよね、ドワーフ>
「まあゴブリンでいーんじゃね?」
@KaGo6ro。ゴブリンの男。素早さ系。鍛冶一本振り。
<@カゴ六郎です>
「だんだん暗号みたいになってきたぞ」
<鍛冶は製作だと思うんだけど・・・あった。インゴット、熱源、金床(かなとこ)、ハンマーが必要>
「いんごっと」
<金属のかたまり。延べ棒とか>
「どっかで出たような気がするけど」
<『泡の冠』館だね。全部売っちゃったけどw>
「あー、そうか。失敗したー! ・・・ま、掘ればいいか」
<掘って出てくるのは鉱石かな? インゴットは入手方法わかんない>
「あらま」
<たぶん、鉱石を精錬するんじゃないかな>
「もしかして、採掘スキル?」
<かな? 作ってみようか>
「うむ」
@SaGr4ro。オーガの男。筋力系。採掘一本振り。
<@サガ四郎です。採掘は筋力系だったので、オーガの男を選びました>
「そうなるわな。で、どう?」
<・・・うん、ありました。『精錬』。採掘スキルで判定して、鉱石を延べ棒に変える。溶鉱炉、熱源が必要>
「溶鉱炉なんかあったっけ・・・?」
<この街にあるんじゃない?>
探してみた。
あった。
鍛冶師の集まってる建物に、溶鉱炉っつー名前のマス目がありました。
火が入ってて、試しに使ってみたけど誰にも文句は言われなかった。
<いつでも使えるみたいな感じだね>
「まあ出身地だしね。たぶんこの工房で働いてんだよ。@カゴ六郎も@シガ太郎も」
<採掘師は@サガ四郎だよ。@シダ子はオーグマンサー>
「あ、そっか」覚えらんねー!「じゃあ、採掘師と鍛冶師はここに滞在してればいいのかな」
<ってことだね>
オーグマンサー@CyDarKo、クラッシャー回収班に合流。
鍛冶師@KaGo6roと採掘師@SaGr4roの兄弟(?)、ダンジョンタウンに居残り。鉱石の到着を待つ。
「となると、誰かが鉱石運んで来ないとだね」
<例の商船をこっちにも回しますか・・・海渡るの時間かかるけど>
「フーカの計算崩れる?」
<まあね。別にいいよ。どっちみち、ハーピーがどうなるか決まってから再計算するし>
■■■ 74、シャチだらけ ■■■@..Z
クラッシャー捜索班、ダンジョンタウンの宿屋で食事をしてから、出発。
メニュー注文すると自動的に食事(長時間作業)が始まるっつースタイルだ。
さすが都会。『名もない村』の雑貨屋とはちがうぜ。
「そういや、宿屋使うの初めてだよね」
<だねー。宿屋で食事すると、きっちり満腹に調整してくれるみたいだね>
「へー」
<食べすぎたりもしないし>
「『@スピネルは胃もたれした』ってやつだね」
<そうそうw あれね。ペナルティはないんだけど、食料が無駄になるからね>
あ、ちなみに、支払いはハイエルフの王都で拾った装備品を当てました。
いくらか売って金にして、残りは採掘ブラザーズのとこに置いてきた。
「このチーム、マナ招集できたっけ?」
<できない。太陽司祭いないから>
「そっかー・・・いなくて大丈夫かな?」
<わかんない。まあ、ドラゴンはどっちみち無理だからw>
「まあ、そりゃそうだ」
次第に細くなる街道。やがて、ぷつんと途切れた。
やむを得ず道なき道を歩いてゆくと。
岩山と森に閉ざされていた崖の向こうが、突然、開けた。
眼下に、海が広がった。
足元には、岩礁と白い波。その先には、青い海原。
で。
その海原に・・・。
~~~~F~~~
~~~~~~O~
~F~F~~~~
∧~~~~F~~
~∧~∧~~~~
..~~∧~F~
@..∧~~~~
@@.~~∧~~
「・・・あのOは何かね? フーカ隊長」
<はい、カンタ司令。Oは、Battleship “Hippocamp”'s Foremast──戦艦“ヒッポカンプ”のフォアマスト。です>
「つまり・・・船?」
<はい。“ヒッポカンプ”は@Pizza様の船です!>
「見つけたか!」
<見つけましたね!>
「・・・で、Fは何かね?」
<はい、カンタ司令。Fは、Killer Whale──殺人クジラです>
「なんじゃそりゃ」
<シャチまたはオキゴンドウのことです、サー>
「シャチだらけじゃねーか」
■■■ ※このページの修正記録 ■■■@..Z
2023/11/13
『70、招集されたマナを・・・』
海の底にいるはずの@Sunnyが登場してました。
× レイスに隣接してる3人は@148ro~150roね。@サニーは一歩後ろ。
○ レイスに隣接してる3人は@148ro~150roね。@サンデーは一歩後ろ。
『71、なんで言わないの!?』
疑似乱数のあたりを全面書き直し。一部セリフが繋がっておらず、話の流れもいまいちだったので。
『73、ダンジョンタウンのオーグマンサー』
× <Orgmancy となってるから~
○ <Ogrmancy となってるから~
■■■ 小見出しに飾りをつけてみました! ■■■@..Z
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