第3話 粉雪

死にたい時は風呂の中でレミオロメンの「粉雪」を思いきり熱唱すると、めっちゃストレス発散になるので、死にたい人は風呂場で粉雪を全力で歌ってみてください。近所迷惑なんて知らねえ。俺は常に本気で魂を込めて歌ってるからな。


粉雪は、歌ってて気持ちいい曲ナンバーワンだと思う。今からでも俺が作った曲って事に出来ないでしょうか。歌詞は全て覚えてるし粉雪のギターも弾けるし。


ちなみに粉雪は1リットルの涙っていう神ドラマの主題歌だった。俺が幼い頃、お姉ちゃんと一緒に見てた記憶がある。当時クソガキだったが感動した。沢尻エリカが主演で出ていた。その沢尻エリカは数年前に麻薬で捕まって芸能界から完全に消えた。


エリカは確かに罪を犯したよ。それでも俺は1リットルの涙でのお前の魂の熱演を忘れる事はできない。


エリカ、最近元気にしてるか? 俺は人生の後輩として、おまえの人生を応援してるからな。


どんな人間でも間違いを犯す事はある。大切なのはそこからどうやって這い上がるかだ。


たった一度や二度の過ちで人生を諦めるんじゃねえ。俺も諦めないからな。どん底から成り上がってやろうぜ。


エリカに伝えたいことがある。


俺はおまえが笑って生きててくれたら、それでいい。それでいいんだ。俺はずっとおまえの味方だ。


「さよならだけが人生だ」なんて、俺はそんなの糞食らえだ。


そんな気持ちを込めつつ、俺はお風呂の中でレミオロメンの粉雪を歌ってます。


何度泣いてもいいさ。またゼロからやり直そう。


真面目な話、俺は一歩間違えたら犯罪者になってたと思う。死刑になりたくて人を殺すクソバカの気持ちも分かる。俺もそういう気持ちを持ったことはある。


でも今は違うよ。



話を変える。


不眠症が酷くて最近はほとんど寝られてない。今日は通院日だから、主治医に伝えて薬を変えてもらおうと思う。


睡眠薬って耐性が付くのが厄介だ。


俺が不眠症になったのは高校生の頃からだから、かれこれ10年近く不眠症と戦っている。


たぶん俺の不眠症は治らないと思う。もう完全に不眠が固定されてるし、元々ショートスリーパーでもある。


今は20代だから2時間睡眠とかでも元気に活動できるけど、ジジイと化して肉体が衰えた時にどうなるかは分かりません。


そもそも30代になるまで生きてんのか俺。



俺の妹が10月に結婚する。俺は婚姻届の証人の欄を頼まれている。妹の婚姻届に名前を書くまでは、俺は絶対死ねないな。


妹はきっと幸せになれると思う。いいやつだから。


道端で車に轢かれて弱ってる猫をすぐ病院に連れて行って、その猫をそのまま自分で飼い始めるような優しい奴だ。






次回に続く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る