第7話 再会
今日、アナスタシアを逃がして正解だった。
アナスタシアを逃がして大体半日くらいが経った頃から、隠れ家の外が段々と騒がしくなっていた。
「いよいよか……」
後はもう、奴らが入ってくるのを待つだけだ。
扉を叩かれる。
それでも僕はじっと座って目を閉じている。
尚も扉は叩かれ続ける。
これも全てアナスタシアが逃げる時間を稼ぐためだ。
だんだんと扉を叩く音が大きくなり、その度に扉がミシミシと悲鳴を上げ、時折バキッと音を立てていた。恐らく十回程叩かれたであろうその時、遂に僕と奴らを隔てていた壁は、決壊した。
バキッッッ!!!!!
壊れた扉から光が差し込んで、暫くその眩しさに目が眩む。
やっとその光にも慣れてしっかりと目を開けられるようになった僕は、この無礼な騎士たちに恭しく跪き、微笑んで言った。
「魔女アナスタシアは、ここにはいません」
そうして悔しそうに顔を歪める騎士たちの顔を眺めていた僕は、その面子の中のよく知った顔に、あぁ、と口の中で呟き、意地の悪い笑みを浮かべた。
「やっぱり貴方だったんですね。会いたかったですよ、エドアルド=ベフトォン」
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