第4.5話
目を覚ますと、ベッドの上にいた。
「あれ、なんで……」
ふと隣を見ると、ベッドに突っ伏すようにして、静かに寝息を立てる二コラの顔があった。
「あ、そっか。私、寝ちゃったんだった」
あの後、酷く混乱していた私は子供のように泣きじゃくって、そのまま泣きつかれて寝てしまった。
そんな赤子のような私を、二コラは抱えてベッドまで運んでくれた。うっすらとだけど、記憶に残っている。
二コラは、私が泣いている間、ずっと背中をさすってくれていた。
私が寝てからも、ずっとそばにいてくれた。
優しいな、二コラは。
魔女狩りだって、二コラは関係ないのに、こんなに胸を痛めて……すごく辛そうだった。こっちまで辛くて見ていられなくなる程に。
「私が魔女じゃなかったら……こんな思いはしなくて済んだのに」
ううん。
私が魔女じゃなかったら、そもそも二コラには出会っていない。
皮肉だな、世界って。
私はただ、目の前で哀しそうに眠っている大切な人の笑顔を、守りたいだけなのに。
結局、二コラが起きるまで、私は二コラの顔を眺めていることしかできなかった。
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