第7話 妻へ

 私には妻がひとりいる。


 私には過ぎた妻だ。


 左手の薬指にリングはない。


 いつだったろう?またパチンコして


 大負けしたのが妻にばれて指輪をひっぱり


 とられた。それ以来見ていない。見ていな  


 い僕が送ったアクセサリーが幾つかある。


 「返してほしい」ともいえない。


 妻は実家で暮らしている。


 私は1Kで暮らしている。別居中だ。


 こないだもパチンコしているのがばれて喧


 嘩した。離婚というフレーズがライン上を飛び交ったが、彼女から離婚と云う言葉は出なかった。


 私は女心がわからない男だ。


 ひょとしたら妻は今でも私を愛しているのだろうか?


 まさかね?まさか…


 パチンコやめよう。そうすれば彼女に叱られることもない。


 お金も無駄に減らない。


 僕が今からすることを考えれば別れておいた方がよくはないか?社会的に悪いことをするわけだし…「人道的には良いことをするつもり……」


 妻にはなんにも話してないから…また話したところで何も言わないだろう。


 僕は × 1だ。寝取られた。それで人生が狂った。ひとりになって、することなくて、ギャンブルに依存した。借金は膨らみ任意整理が必要になった。後悔ばかりの人生になってしまった。


 妻を幸せにすることはできなかった。


 子供を授けてあげれなかったのが無念だ。


 今からすることで自由・平和そして愛を示したかった。


 

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